lemonの日記

音楽、トールペイント、パン、猫のみかん

ショパン 幻想即興曲  Op. 66

2014年05月28日 | 音楽

Yundi Li - Chopin "Fantasie" Impromptu, Op. 66

 ピアノを習い始めた小学生の頃のことです。

 近所の大きなお姉さんのいるお家から、 ある時、とてもドラマチックなフレーズが聞こえてきて、

 「わあっ、きれいな曲だなあ!」 とびっくりしました

 少し経って、何回か聞いているうち、それはどうも曲の途中らしいと気がついて、

 続きを楽しみに、わくわく耳をすましていましたが、

 残念な事に、聞こえてくるのはいつもその部分のみで、

 とうとう続きを聞けないうち、お姉さんはお嫁に行ってしまいました。

 

そして、そのフレーズは、私の憧れとなり、

 「うーんと、こんな風だったぞ!?」と耳を頼りにマネしようとしていましたが(できなかった

 また、しばらく経って、 とうとうそれは、ショパンの「幻想即興曲」と呼ばれる曲だと知り、

 デパートでピアノピースを買ってもらった私は、時々こっそり!弾こうとしました

いつも聞いていたのは、

大きく分けてA-B-A´でできたこの曲の、Aの終わり、第35小節目から40小節目にかけて。

下りながら密度を増していく緊迫感のあるパッセージ、

止まっていた音楽は、この半終止の和音から、ようやく、変二長調の美しい中間部分へ進みました。

 

さらに時間が経ち、やっと、この曲を習う日が来ましたが、

「中間部分とその前は、ずいぶん時間を感じているのね、そんなに開けないようにね。」

と先生がおっしゃって、 私は思わず、にまっとしてしまいました

 

即興曲 嬰ハ短調 作品66「幻想即興曲」 は、ショパンの没後1855年に遺作として発表されましたが、

1834年、彼が24歳の時に描かれた作品です。

Gisのユ二ゾンが広がる前奏に、左手の6音のアルペジオと8音からなる右手のメロディーが自然に合う嬰ハ短調のAの部分、

優雅に歌われる変二長調のBの部分に、再びAがもどり、最後に、左手の低音にBの主題がわずかにあらわれて、

曲は終わります。