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ひっそりと書き綴る俺のチラ裏

TOA130でアンタレスの伴星チャレンジ

2022-05-29 23:40:08 | 天体撮影&観望

29日の夜は久々に薄雲の少ない晴れた夜空になりそうな雰囲気だったのでTOA130でアンタレスの伴星を狙おうと早めに20時頃にベランダに赤道儀をセットして21時ころから観望を開始の予定で準備していた。

アンタレスを通して複数もっている6mmクラスを見比べることと、先日購入したTOE-3.3mmとTOA130との相性チェックと高倍率アイピース比較、トレミーを見てまったりすることの3つがテーマ。

ベランダ用アイピーストレイを活用。2インチ用をなんとかせねば。

6mmクラスはこれで全てではないが気になったものをピックアップ。

TOE-3.3mmの比較用の高倍率アイピース。

トレミー用。

用意したアイピースは次のもの。
<6mmクラス>
スコープテック Or6mm
スコープテック Ke6mm
FUJIYAMA HD-Or6mm
MEADE SP6.4mm
Vixen Or6mm

<高倍率系>
Pentax XW5
タカハシ TOE-3.3mm
Vixen HR2.4mm

<トレミー観望用>
ニコン NAV-17.5SW
ニコン NAV-17HW

で、実際に9時頃になって空を見ると透明度が低い。うっすら霞んでいる。こんなはずでは・・・
構わずアンタレスへ向けて伴星が見えるかチェックを開始。
まずは6mmクラスから。

<MEADE SP6.4mm>
どうにもボヤケた見え方。エアリーディスクもくっきりしないし伴星も見える気配もない。
<スコープテック Or6mm>
一回目は見えなかった。Ke6mmで確認できた後の2回目以降はエアリーディスクと同じ色の霞んだ点が認識できるようになった。
<FUJIYAMA HD-Or6mm>
スコープテックOr6mmと同じく一回目は見えなかった。2回目以降はエアリーディスクと同じ色の小さな点が認識できるようになった。
<Vixen Or6mm>
一回目は確信が持てない見え方だった。2回目以降はエアリーディスクより白っぽく小さな点が認識できるようになった。
<スコープテック Ke6mm>
シリウスBの時もそうだったが何だこれは?アンタレスの伴星がいきなり認識できた。ユラユラ揺れる中で青みがかった白色の小さな点として認識できた。エアリーディスクはオレンジ色なのでわかりやすかった。

Ke6mm以外の6mmクラスで伴星が比較的くっきりした小さな点となっていたのはHD-Or6mm。他は滲んだ点のような見え方だった。主星と色が違って見えたのはKe6mmと微妙ではあるがVixen Or6mm。
ちなみに、MEADE SP6.4mm、スコープテック Or6mm、Vixen Or6mmはプロ−セル型、HD-Or6mmはアッベ。
Orタイプはどれもピント位置はわかり易いのに対してKe6mmはぼやっとしていていまいちピント位置を決めにくい。
しかし、一見ぼやっと見えるがじっとみているとエアリーディスクは芯のある見え方であることに気づく。伴星も小さな点で比較的ハッキリしている。

次に高倍率系。これはタカハシのサイトを見るとTOA130とTOE-3.3mmの組み合わせでストレールレシオ98%以上とあり、説明を要約すると高度に収差補正された鏡筒との組み合わせで回折限界付近での観測に真価を発揮するようだ。
まさにベランダでアンタレスを見るためのアイピースと言っても100点中30点は獲得できそう。

XW5からTOE3.3、HR2.4の順で見比べてみた。
<XW5>
伴星云々の前に視界が広がって戸惑う。ピントの山も掴みやすく伴星も一発で認識できた。Ke6mmに見え方は近く、小さくし締まった青白い点を確認できた。
<TOE-3.3mm>
300倍の高倍率にもかかわらずピントの山も比較的わかりやすい。シーイングの影響も大きくXW5に比べてユラユラして安定しないし光は若干滲んでいる。しかしエアリーデスクがビシッと締まって見える瞬間が何度かありいきなりくっきり見えることに驚いた。伴星もシンチュレーションの割に見えている割合が多く、目が慣れてくるとほぼずっと見えているという状況に近い。色も青白いが伴星はXW5やKe6mmと比べて若干広がって(滲んで)見える。
<HR2.4mm>
さすがに416倍とのなるとピントの山がつかみにくくて何往復もした。シーイングの影響も更に大きくなり安定しない。像もボヤケている。しかし根気よく眺めていると滲んでいるが伴星は認識できた。伴星の色は白っぽかったがそもそも主星を含めて全体にコントラスは低かった。

TOE-3.3mmは上記の中で一番判星を認識しやすかった。明るく綺麗な見え方はXW5だが倍率の違いによるところが大きそうだし、ユラユラの中でTOEよりも判星を見失うことが多かった。HR2.4mmはXW5とTOE-3.3mmの差を更に拡大したような感じで倍率を考えると伴星については順当な見え方と思える。だが主星も含めるとTOE-3.3mmはエアリーディスクの見え方から光が一点に収束するという雰囲気を感じる。タカハHPの説明でバイアス掛かっているかもしれないが。
少なくとも二重星には適している感触はつかめた。当日のシーイングは比較的良いほうだと思うが、状況に合わせてTOE-2.5mm、4.0mmと揃える意味があるかもしれない。

最後はトレミー観望について。
6mmクラスもそうだが、なぜか17mm前後の手持ちアイピースも多く散開星団などの観望に使っている。
TOA-130と17mmクラスではトレミー星団に対しては少々倍率が高かったようでNAV-17.5SWだと収まりきらない感がある。
NAV-17HWでは結局ひと目で全て見えずキョロキョロするから開放感が違うだけ、NAV-17.5SWもNAV-17HWも視野全域にわたって素晴らしい点像で埋まってとても綺麗に見えるのは同じだ。また、その星像も小さく締まって見える。色味も解像度感も変わらない。他のアイピースに比べてこの2つのアイピースはシャープに見える感じがする。(NAV-12.5HWもシャープだからNAVシリーズの特徴かもしれない)
どちらも綺麗に見える中で見やすさの面では一長一短がある。
NAV-17.5SWはセンターから目の位置がずれると星の点像が崩れて放射状に広がったり、片方向に尾を引く。
この現象はPentaxのXWシリーズや賞月観星のUFシリーズ、Meade SWシリーズなどよりも強く感じ、全面点像で綺麗に見えるが目の位置に神経を遣う。しかしアイレリーフ方向の位置についてはNAV-17HWよりも若干寛容だ。
NAV-17HWは点像の崩れは他のアイピースとあまり変わらないが、アイレリーフ方向のズレではブラックアウトが発生しやすい。結局綺麗に見るためには何らか目の位置に神経を遣うことは変わらないようだ。
トレミー観望での感想としては、TOA130よりもFS-60CとNAVと組み合わせてもっと倍率を落としてみると星の色味や明るさの違いから不思議な遠近感を感じて宇宙の広さをイメージできて気持ちが良い。撮影では得られない感覚だ。

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