「月香の森」沢見彰(あき) 2010PHP
うわ~、久し振りに作りの甘い作品を読んだな~
なんだこれ。
仕掛けは面白いと思うんだけど、
ちっともドラマチックじゃないし、
展開もぬるい。
《子供だまし》にもなっていないかも
表紙とPHPで気付くべきだったか・・・
人物がとにかく薄い。印象が残らない。誰一人として。
主人公の名前すら読み終わった瞬間に忘れた。
リスなんて要らないし!
由蔵をサブ主人公にしてその内面の移り変わりと、その中にある本来的な人間の狂気を描き、それに交差するように病気の狂気を混ぜて、それがどちらに由来するのか本人にも読者にもわからなくなるような混乱を描けば、病気になった狼たちのおかれた状況も理解しやすくなり、また作品そのものの奥行きも出ただろう。
もっと深く余韻を残す作品に出来るだろうに、もったいないな~。