「夢ほりびと」池永陽 2010文芸春秋
はっきり言って面白くはない。
いまひとつだな~
逃げ出した人間がたまたま集まって、穴を掘る。
宝探し、現実逃避(肉体的達成感)
夢探しだと自分に嘘をついて。
それは自分の墓(逃げ場)を掘っているだけ。
それでもその時の彼らには必用だった。
傷を~舐め合う~道化芝居~♪
互いに語る言葉はおそらく嘘ばかり。
自分自身を騙し、慰め、納得させるため。
だが、そうして他人へそれを口にすることで、それは自分の中で真実になっていく。
一人きりだったら、それが嘘だと気付いてしまっただろう。
だが、そこに話す相手がいたから。
そして、それぞれが現実へ戻る時はやってくる。
そこへ戻るのが本心だと信じているようだが、
わたしに言わせれば、
逃げ切れないことに気づいて、
現実(家)へ逃げ帰っただけだ。
逃げ帰るためにも理由が必要だった。
自分が妻を本当に必要としていると思い込むことが。
祈りを今、君にもとへ~♪
「夢ほりびと」の《夢》とは、
自分の分を理解してそれを自分に納得させる理由であり、
穴を掘る行為はそのための時間稼ぎだった。
ああ、そうか。
生きていくための理由探しなんだ。
あ、一歩引いてみると、これってネット社会(掲示板)みたいじゃないか!