さて、今日は、
「ボブという名の猫/幸せのハイタッチ」を紹介します。
(2016年イギリス)
ずっと見たかったのだけど、amazonプライム(アマプラ)で500円とかしてたのよね。それがアマプラで、ついに、タダで配信され始めたのでさっそく見てみました。
とってもいい映画でした!
猫好きなもので、猫が出てくればそれだけで全部OKなのですが、この映画は何と猫が主人公なのよ!
そして、主人公のボブを演じているのが、実際のボブ!というところがすごい。
主人公を主人公が演じている、しかも、猫が!
ボブって天才猫だ。
昔、我家には歴代の猫がいまして、それぞれとても個性的だったのですが、猫ってほんとにそれぞれで、すごく利口な猫もいれば、とんでもなくおバカな猫もいました。
一番長くつきあった黒猫は庭でジャンプして雀なんかつかまえていましたね。ある日、目覚めると私の枕元にネズミが置いてあって、ギャーッと叫んで跳び起きたのですが、あれは猫からのプレゼントだったみたい。うちのご主人はろくなモノ食べてないから栄養つけてあげなくちゃ、って思ったんだろうな。
というわけで、猫となると話が尽きないのですが、映画の話を。
これ見た日は、なんか胸の中があったかーくなって、ぐっすり眠れました。
ストーリーはシンプル。
ロンドンの路上でストリートミュージックで何とかしのいでいたホームレスのジェームズ。彼はドラッグからなかなか抜け出せない。ある日、一匹の猫が彼のもとにやってくる。この猫のおかげで、彼は薬物を絶ち、父親とも和解する、というお話。実話です。
実話の持つ重みというのは、毎回感じますが、ずしりときます。
しかも、猫ですよ!
猫!
もうね、ここで書くのをやめてもいいくらい。見てみてね、終わり。
・・というのもナンなので、
この映画のキモは、ジャンキーの青年と青年を見捨てた父親との絆回復のストーリー、というところにあります。
つまり、親子の物語。
日本の家族と違って、西欧圏の家族のあり様はかなりシビアです。日本みたいに、家族なんだからと何でも許しちゃう風土はない。ジャンキーだときっぱり捨てられます。
それぞれが自分のアイデンディティーを持っていて、家族といえども個人と個人なのですね。
従って、ホームレスになろうが、手を差し伸べることはしない。
でもねえ、ジェームズはかなりかわいそうな子ども時代を送ってもいます。それって両親の責任なんだけど、彼はそれを自身の責任として引き受け、辛さのあまり薬物に手を染めるのだけど、実はとてもイノセントな人なのです。最後に父親と和解し、父親も彼に謝るのですが。
この辺が日本映画とは大きく違うところです。
猫が主人公の映画だけど、やっぱり人間が主人公。家族についての物語。
人間にとって何が一番大事か、ということを常に問いかけている映画が西欧圏には多い気がします。
でも、裏返せば、そこが欠落しているからこそ描くのかもしれません。
(日本の場合は、欠落がないのではなく、欠落を認識していないのだと思う)
いずれにせよ、
猫のボブがいいのよねえ。
背景に流れる音楽もいい!
猫好きにはたまらない映画です!
ぜひ見てみてね。
(↓はボブじゃなくて、私の娘んちの猫です)