ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「ダーク DARK」は暗くて長い。

2024-08-08 11:38:54 | 映画

Netflixのドラマランキングで断トツの1位を獲得したドラマ

「ダーク DARK」

を二日連続で観ました。

これ、一度見始めると止められなくなる中毒性のあるドラマです。

何より、私の大好きなタイムトラベルもの。

始まりは2019年11月のドイツの小さな村。原発のある村です。

原発の巨大な煙突がもくもくと白い煙を上げている姿が、村の背景として頻繁に登場します。

この村で11歳の少年が行方不明になる事件が発生します。
33年前にも同じように少年が失踪する事件が起きていました。

両親は血眼になって息子を探しますが、少年は見つからない・・

ここから3つの時代にまたがる壮大なストーリーが始まります。

冒頭の2019年、33年前の1986年、更にその33年前1953年と三つの時代を、人々が行き来するのです。

シーズン1(全10話)の終わりの方では、

ええええー!

という驚愕の展開もあり、

今、ちょうどシーズン2に入ったところ。

このドラマ全26話もあって、長い長い。

しかも雰囲気がめちゃくちゃ暗い。

雨ばかりで晴天の日がなく、登場人物たちも皆一癖ある人たちで、

嘘や秘密がいたるところに存在し、小さな村の閉塞した世界が描かれます。

誰が誰の夫であり妻であり、娘であり息子であり、祖父母であり孫であるのか・・

人物相関図とにらめっこしながら見ないとわけがわからなくなります。

しかも、エピソードを追うごとに物語は錯綜していき、シーズン1の終わりにはカオスの様相を呈してきます。

ネットの評判では、シーズン3で完結し、すべての謎が解き明かされ伏線が回収されるのだとか。

登場人物たちは閉ざされた小さな世界の中で時代を行き来し、互いの関係性をも行き来します。

網目のように張り巡らされた人々の交錯する様子を見ると、

どんだけ緻密な脚本が作られたんだろうかと、気が遠くなるほどです。巨大なジグソーパズルを作りあげる感じかな。

でもね、シーズン2にさしかかり、2052年と1920年と年代が二つ増え、

これまでの3つの年代が5つの年代へと更に複雑になっていったあたりまで来て、

私は、もういいか、と見るのを中断しました。

最後の完結編まで見るには、一気見したとしても最低3日はかかるだろうし、その3日間をこのドラマに費やすのはもったいないなあ、と思ったからです。

何より、感情移入できる人物がいない、というのが大きな欠点かな。

主人公のヨナスはまともなんだけど、イマイチ感情移入できるタイプではないし、

唯一いいなと思えるのは、ヨナスの祖母イネスくらいかな。

やはり、感情移入できる登場人物は必須ですね。

タイムトラベルものの映画やドラマは大好きでいろいろ観てます。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「時をかける少女」「プリデスティネーション」「バタフライ・エフェクト」「アバウトタイム」・・

「BODIES/ ボディーズ」も4つの時代を行き来する話でしたね(2023年10月21 日の記事参照)。

これも長いけど最後まで観ました。

他にも「テセウスの船」「僕だけがいない街」「JIN-仁 -」なんかもある。

タイムループものとしては、

「恋はデジャブ」「LOOP ループ 時に囚われた男」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「トライアングル」「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」

なんかが面白かったんですが、どれもそんなに長くはない。

「MONDAYS・・」は日本の映画。これめっちゃ面白い。「トライアングル」は地味な映画だけど最後にグッとくるものがあってよかったです。

「ダーク DARK」は一種のパズル。ゲームといってもいいかもしれない。

世界観はけっこう古い。今はやりのパラレルワールドなんかは出てこない・・

と思ったら、シーズン3ではパラレルワールドも登場するみたいです。

小さな村の小さな世界、血縁や親戚、互いの関係性など様々なものが凝縮され煮詰まった世界のなかで、更に時間さえ凝縮され、ループし、その中を人物たちは行き来する。

人々の閉塞感をこそ表現したかったのかもしれません。あるいは、これ書いた人たちは世界の創造主になりたかったのかも・・

同じように時間を行き来する話でも、

「BODIES/ ボディーズ」の方がもう少しわかりやすかった。刑事メープルウッドが素敵だったし。

というわけで、夏休みの暇な時間をもてあましている人は観てもいいかも・・

伏線が回収される際のスッと腹落ちする快感は、何ものにも換えがたいですから。

なので、時間を置いてまた観てみるかもしれませんが、人物相関図が複雑すぎるので、時間を置くとわけわかんなくなるかも。

映画やドラマを観る楽しみって、結局のところ、

驚愕する、感動する、恐ろしさに震える、気持ちをゆさぶられる・・

こうした日常ではなかなか味わえない感覚を手軽に味わえるっていうのが一番の醍醐味だと思います。

皆さんも楽しい夏をお過ごしくださいませ。

 


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