ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

ブリット・マリーの幸せなひとりだち

2022-04-22 10:45:29 | 映画

4月初めに友人が沖縄に引っ越していきました。

私立学校の寮の寮母さんとして「就職」したというのです。

私と同世代、70代もそろそろ半ばにさしかかろうかという年齢で、

全く知らない土地で、新たな寮母という仕事を始めるというのです。

何て勇気のある人だろう!

先日紹介した小説家を目指す友人、そして今回の彼女。

団塊の世代は昔の70代とは違うぜよ、

と声を大にして言いたい!

そんな彼女をちょっとだけ彷彿とさせる映画を紹介します。

「ブリット・マリーの幸せなひとりだち」

2019年のスウェーデン映画です。

(以下、ちょっとネタバレ)

63歳のブリット・マリーは40年間専業主婦をしてきましたが、

夫が病気で倒れた時、夫に愛人がいたことがわかります。

結婚指輪を外し、スーツケース一つで家を出るブリット・マリー。

職探しをするも、63歳で専業主婦しかしてこなかった彼女に就職は難しい。

ようやく見つかった仕事が、田舎町のユースセンターの管理人兼子どもたちのサッカークラブのコーチ。

サッカーのことなど何も知らないのに、彼女はその職を得て田舎町のサッカーコーチになります。

この弱小サッカーチーム、一度も勝ったことがない。

もうすぐ試合だというのに、まともな練習もできない。

そこにやってきた63歳のブリット・マリー。

彼女が子どもたちを勝利に導く・・というストーリーを想像しがちですが、

ちょっと違います。

ブリット・マリーは自らの境遇に涙しますが、口癖のようにつぶやくのが、

「一日ずつよ、ブリット・マリー。

 一日ずつ・・」

彼女は子どもの頃、大好きだった姉を事故で失います。

失意に暮れる両親はブリット・マリーに関心を示さない。

結婚後も、夫は愛人のもとに通い彼女に関心を示さない。

そんなブリット・マリーは、毎日を一歩ずつ一歩ずつ生きてきました。

そして、田舎町の弱小サッカーチームのコーチという職を見つけ、

小さな町で生きていくことを、ついに自らの手で選びとったのです。

試合でチームは完敗します。

なんと、14対1という大差で。

それなのに、大喜びする子どもたち。

なぜなら、彼らはこれまで一度もゴールを決めたことがなかったのですが、

この試合で一点勝ち取ったからです。

まるで優勝したチームのように欣喜雀躍する子どもたち。

何が人生の喜びになるかは、物事の受け止め方次第なんですね。

始終しかめっ面だったブリット・マリーが次第に微笑みをうかべるようになり、

幸せそうな表情に変化していくのが何より素敵です。

それに、子どもたちがかわいい!

ちょっとしたサプライズもあって、最後にほっこりした気持ちになれる映画です。

(ちなみに、沖縄に行った友人はもっとアクティブでチャレンジングな人です。まだまだ人生これからよ、といつも教えてくれます。)

 

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