4月初めに友人が沖縄に引っ越していきました。
私立学校の寮の寮母さんとして「就職」したというのです。
私と同世代、70代もそろそろ半ばにさしかかろうかという年齢で、
全く知らない土地で、新たな寮母という仕事を始めるというのです。
何て勇気のある人だろう!
先日紹介した小説家を目指す友人、そして今回の彼女。
団塊の世代は昔の70代とは違うぜよ、
と声を大にして言いたい!
そんな彼女をちょっとだけ彷彿とさせる映画を紹介します。
「ブリット・マリーの幸せなひとりだち」
2019年のスウェーデン映画です。
(以下、ちょっとネタバレ)
63歳のブリット・マリーは40年間専業主婦をしてきましたが、
夫が病気で倒れた時、夫に愛人がいたことがわかります。
結婚指輪を外し、スーツケース一つで家を出るブリット・マリー。
職探しをするも、63歳で専業主婦しかしてこなかった彼女に就職は難しい。
ようやく見つかった仕事が、田舎町のユースセンターの管理人兼子どもたちのサッカークラブのコーチ。
サッカーのことなど何も知らないのに、彼女はその職を得て田舎町のサッカーコーチになります。
この弱小サッカーチーム、一度も勝ったことがない。
もうすぐ試合だというのに、まともな練習もできない。
そこにやってきた63歳のブリット・マリー。
彼女が子どもたちを勝利に導く・・というストーリーを想像しがちですが、
ちょっと違います。
ブリット・マリーは自らの境遇に涙しますが、口癖のようにつぶやくのが、
「一日ずつよ、ブリット・マリー。
一日ずつ・・」
彼女は子どもの頃、大好きだった姉を事故で失います。
失意に暮れる両親はブリット・マリーに関心を示さない。
結婚後も、夫は愛人のもとに通い彼女に関心を示さない。
そんなブリット・マリーは、毎日を一歩ずつ一歩ずつ生きてきました。
そして、田舎町の弱小サッカーチームのコーチという職を見つけ、
小さな町で生きていくことを、ついに自らの手で選びとったのです。
試合でチームは完敗します。
なんと、14対1という大差で。
それなのに、大喜びする子どもたち。
なぜなら、彼らはこれまで一度もゴールを決めたことがなかったのですが、
この試合で一点勝ち取ったからです。
まるで優勝したチームのように欣喜雀躍する子どもたち。
何が人生の喜びになるかは、物事の受け止め方次第なんですね。
始終しかめっ面だったブリット・マリーが次第に微笑みをうかべるようになり、
幸せそうな表情に変化していくのが何より素敵です。
それに、子どもたちがかわいい!
ちょっとしたサプライズもあって、最後にほっこりした気持ちになれる映画です。
(ちなみに、沖縄に行った友人はもっとアクティブでチャレンジングな人です。まだまだ人生これからよ、といつも教えてくれます。)
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