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(これは2017年8月29日の記事です)
映画「パッセンジャー」は劇場で観たかった映画だ。
何しろ宇宙モノは劇場の大スクリーンで見るのと小さなPCで見るのとでは天と地ほどの差があるから。
でも残念ながら劇場公開を逃したので、大スクリーンをイメージしながら、我が家のPCで観た。
これは宇宙を舞台にしたアダムとイブの物語である。
(以下少々ネタバレ)
宇宙船アヴァロン号には5000人の移民が冬眠状態で乗船している。移住する星へは120年かかる。
だが、主人公のジムは、なぜか一人だけ航行途中30年が経過した時点で目覚めてしまう。
広い宇宙船の中で彼はたった一人ぼっち。話し相手はアンドロイドのバーテンダーのアーサーのみ。
アヴァロン号にはあらゆるものが備わっており(娯楽施設、スポーツ施設など)、故障箇所も自動で修復できるという優れもの。
だが、残り90年をジムはたった一人で過ごさなくてはいけない。いっそのこと死んでしまおうと、船外に宇宙服なしで飛び出そうとしたりするが、やはり死ねず。
一年半が経過したころ、まだ冬眠状態にある美しい女性オーロラに惹かれて、逡巡した挙句、ジムは彼女を目覚めさせてしまう。
アダムの骨から生まれたイブの誕生だ。
でも、アンドロイドのアーサーが彼女に秘密を明かしてしまい、オーロラはジムを非難し(私を殺したのも同然よ)、彼から遠ざかっていく。
広い宇宙船の中でたった二人の人間がいがみ合ったまま、この先の88年をどうやって過ごすというのか。
・・というのがメインのストーリーなのだが、この先、予期せぬ展開も待ち受けており、なかなかエキサイティングな映画であった。
孤島ならぬ、宇宙船内で目覚めた二人の人間。
だが、孤島と違うのは、二人の背後には冬眠中の5000人がいること。
彼らのミスは5000人の命に関わるのだ。いってみれば二人の子孫に当たる人々である。
彼らがこの先の88年をどう生きるかは、この未来の人たちの運命を左右することになるのだ。
私たちは普通、自分の人生の選択が未来の誰かに影響を与えるなどと考えない。
私の人生の選択は私の人生だけのことだと思いがち。
でも、実際のところ、私の日々の選択は未来の子どもたちの運命をも左右するかもしれないのだ。
そのことに、普段は全く思い至らない。なぜなら彼らは見えないから。
でも、宇宙船内にいる5000人のクルーや乗客たちは冬眠状態にあるので、見ることはできるし、存在していると確かに感じられるが、それでも実感は薄いだろう。
その彼らの為にも、ジムとオーロラはしっかりと宇宙船を守り、生き続けなくてはいけない。
いろんな事件が発生し、彼らはそのことに気づくのである。
アダムとイブは、アダムとイブだけの人生を生きているのではない。
彼らの人生はその後の末裔たちの運命をも左右するのだと。
私の未来に待ち受けている多くの人々(血縁に関わらず)のことを、かすかだけれど意識することができた。
そして、最後のシーンの素敵なこと。
二人はこの無機質な宇宙船を有機的な場所に変えて、素敵に生きてきたのだとわかる。
未来のアダムとイブは、こうしてさらにその先の未来の人たちに多大な貢献を果たした、というわけ。
ジェニファー・ローレンスが素敵です。
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