ついに「あるヨギの自叙伝」を読了しました。
17日間かかった。何しろ分厚い(ペーパーバック本で厚さ3㎝、重さ約1㎏)、570ページ、二段組みで、字が小さい。
前半はただただ面白くて(何しろ超常現象のオンパレード)、こんな世界があるのかと目を丸くし、ポカンと口を開けていたものです。
ヨガナンダの少年時代の逸話も面白い。
とにかく、驚天動地の書物です。
後半になると少し様子は違ってきますが、あいかわらず超能力を持ったヨギたちが大勢登場します。
空中浮揚するヨギ、同時に二か所に存在できるヨギ、病気や傷を癒すのはもとより死人を生き返らせるヨギ、ヒマラヤ山中に豪華な神殿を物質化させるヨギ、数百年~数千年生きているヨギ、食べ物を全く食べないヨギ、テレパシーが使えるヨギ、等々・・
インドには超能力者がこんなにいるのか!
友人に話したところ、「もちろん例え話だよ。事実なわけないでしょ」と言ってましたが、
私はこれらの超常現象や超能力が事実かどうか、ということはあまり重要ではないと思っています。まあ、事実とは何かという議論から始めないといけないけど。
(でも、成瀬雅春氏は空中浮揚してるじゃないの)
とにかく、世界というのは、これまで私が知っていた場所とはどうやら違う場所であるようだ、という発見にしばし茫然としていました。
スティーブ・ジョブズがハマるわけだ。ビートルズもハマるわけだ。世界じゅうの人を虜にするわけだ。
まだ読んでいない人は、夏休みのチャレンジとして、ぜひ読むことをお勧めします。
前半だけでもいいから読んでみて。
インドという国は何ちゅう国だろうか、と改めて思います。
何しろ、4千年~5千年前のヴェーダという聖典が今だに生きている国です。
このヴェーダの聖典から仏教が生まれ、ジャイナ教が生まれ、ヒンズー教が生まれ、ひいてはイスラム教、キリスト教にも大きな影響を与えたのは間違いない。
なぜなら、ここには人類が知りえる最古の知恵(つまり、神様からもたらされた知恵)がぎっしりと詰まっているからです。
ヴェーダによると、この世界は24000年で一巡りするそうで、今は最初の出発点から一番遠い、12000年後のカリ・ユガ(暗黒時代)を経て、ようやく青銅の時代に突入したところだとか。
人類は24000年かけて進化していくので、あと1万年くらいすると、今の人類は新な段階に進むそうです。
つまり、物質至上主義から精神的なものを重視する段階へと進化する。
その途上に私たちはいる、というわけ。
そうだよねえ、こんな物質至上主義、拝金主義の世界が長続きするわけがない。
それはともかく、ヨガナンダがこの「あるヨギの自叙伝」の中で描こうとしたのは、
人間というのは、私たちが考えているよりずっとずっと高等な生き物であり、その力を十分発揮できれば、この物質至上主義の世界から進化した精神的な世界へ行くことができる、
それを証明する聖者たちが、インドには今も実在し、彼らは世界の平和と安定のために日夜祈り続けている・・
ということを伝えようとしたのだと思います。
何しろ世界は今行き詰っています。
テクノロジーは発達したけれど、人々は互いに争い、わずかな資源や領土を求めて国と国が衝突しています。
環境は破壊され、世界じゅうで異常気象が頻発し、病気や貧困が蔓延しています。
でも、もしも、ヨガの教えのように、人間は何度も生まれ変わるのだとしたら、隣国と争っても無意味です。来世ではその隣国の人に生まれるかもしれないのだから。
貧困にあえぐ人たちも、来世はアメリカの富豪の家に生まれるかもしれないし、億万長者たちも来世では貧困のどん底の家に生まれるかもしれない。
人生が一度きりではないとわかったとき、私たちの価値観はすっかり変わるのではないでしょうか。
日本人は割とすんなりと輪廻転生を受け入れますが、個人主義が発達している西欧圏の人は難しいかもしれない。
でも、スティーブ・ジョブス、ビートルズ、とヨガにハマった欧米人は大勢いるし、NYは今やヨガのメッカと言われているくらいです。
有名なアメリカ人のヨガ行者もNYにいるらしい。
パラマハンサ・ヨガナンダというたった一人のヨギがアメリカで広めた教えは、ヒンズー教の教えではなく、もっと広く、宗教の壁を超えた真実の教えです。
この本の中にはイエス・キリストが頻繁に登場します。イエスと交信しているヨギたちもいます。聖書からの引用も多数あります。
ババジというヨギは3千年生きていて、肉体はすでになく、好きな時に、好きな場所に現れるそうです。
ババジと比べるとイエスはまだ若い。
いやあ、この弱小ブログで紹介するにはあまりに膨大で奥が深く、紹介しようとすることすら無謀な試みというべきかもしれません。
「群盲ゾウをなでる」ように、断片的なことしか伝えられないのがもどかしいです。
でも、とにかく実物に触れてみてください。
入門書や解説書ではなく、実物です。
私はこれから、ヨガナンダの師匠である、スリ・ユクテスワの本を読もうと思っています。
ヨガ関係の本は多数あるので、少しずつかじっていきたいと思っています。
もしも私の人生にまだ残り時間があるなら、ヨガの教え(体を動かさないヨガ)を勉強して、この世界を少しでもより良い場所に変えることに微力ながら参加できればと思います。
人類は、今、かつてないほどの危機的状況にいるようです。
つい最近も、インドの14歳の少年の予言が話題になりましたね。
でも、ヨガ的にいうと、未来は変えられる。
未来とは可能性であり、私たちの選択次第で変わるようです。
昔、反原発市民運動をやっていた頃、アメリカのホピ族の人たちが来て講演をしてくれました。その時、ホピの人たちは、
「今、あなたが生きている場所で、あなたができることを一生懸命してください」
といっていました。
なぜホピの人たちは、そういったのか当時は不思議でしたが、今、同じことをヨギたちはいっています。
今、ここで、あなたができることを一生懸命やりなさい。
そして、今ここにあることに感謝し、人に尽くし、笑いながら楽しく生きなさい。
それが世界を変える道なのだと。
なんて素敵な教え。笑いながら楽しく生きる!
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