越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

フィリピンのネグロス島

2008年01月18日 | 小説
 良質のドキュメンタリー『死の季節』を見た。フィリピンのネグロス島の農民を扱った映画だ。

 大農園の小作人としてサトウキビ栽培に従事するも、不況や搾取に遭い、大地主だけがうるおう。世界市場のサトウの暴落の影響をもろにうけ、しかもマルコス政権下では餓死にまで追い込まれ、抗議行動をおこして軍隊に殺される。

 三十分たらずの短い映画のなかに、底辺の農民から見たこの島の現代史をコンパクトに折り込み、現代のフェアなオルタートレードの可能性を訴える。「第三世界」にどう「第一世界」が関与できるのか、ヒントをもらった。

 この映画の関連サイトとして、つぎのサイトがある。
http://www.earth-vision.jp/top-j.htm

 なお、英語版「wikipedia」の http://en.wikipedia.org/wiki/Negrosに載っているが、アメリカ合衆国の政治軍事的バックアップを受けて、19世紀末に3年だけ存在した「ネグロス共和国」Republic of Negrosがあったらしい。せっかくスペインから独立を果たしたのに、3年後に米国の手で壊滅させられた。

 伊藤千尋さんは、南米の歴史を見れば、米国のやり口がわかるとおっしゃっている。おそらくアジアの小国(日本の沖縄をふくめて)たちをみれば、同じことがいえるかもしれない。



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