後期資本主義社会でいちばんの悩みは、ゴミ問題だ。
「もったいない」文化とは対極にある「使い捨て」文化の産物。
便利さや快適さを最優先する「先進国」の消費主義は、大量のプラスティック商品(ペットボトルや包装袋やCDやケータイ)を開発してきた。
その結果、それに比例するだけの廃棄物がうまれるようになった。
現代において最悪のゴミは、原子力発電所の「核廃棄物」プルトニウムをおいて他にない。
ドン・デリーロは『アンダーワールド』(一九九七年)でこうした核廃棄物処理の際に現われる「強者」のエゴイズムを描いて消費主義社会を風刺した。
一方、フランゼンの『コレクションズ』には核廃棄処理の問題は出てこないが、デニースの雇い主ブライアンの妻で、デニースがレスビアン関係を結ぶロビンという女性に、消費主義に甘んじない生き方を体現させている。
彼女は貧民地区の子どもたちを雇って、有機菜園の実験農場を行ない、その収益を分配しようとする。
それは、平等主義のユートピアの創造であり、エコロジカルな「リサイクリング(再利用)」の思想の実現である。
カトリックのロビンは「聖ユダ」(ランバート家の故郷「セント・ジュード」の名前の由来)に惹かれるという。
見込みのない目標(理想)に打ち込む人を守護する聖人だから。
(つづく)
「もったいない」文化とは対極にある「使い捨て」文化の産物。
便利さや快適さを最優先する「先進国」の消費主義は、大量のプラスティック商品(ペットボトルや包装袋やCDやケータイ)を開発してきた。
その結果、それに比例するだけの廃棄物がうまれるようになった。
現代において最悪のゴミは、原子力発電所の「核廃棄物」プルトニウムをおいて他にない。
ドン・デリーロは『アンダーワールド』(一九九七年)でこうした核廃棄物処理の際に現われる「強者」のエゴイズムを描いて消費主義社会を風刺した。
一方、フランゼンの『コレクションズ』には核廃棄処理の問題は出てこないが、デニースの雇い主ブライアンの妻で、デニースがレスビアン関係を結ぶロビンという女性に、消費主義に甘んじない生き方を体現させている。
彼女は貧民地区の子どもたちを雇って、有機菜園の実験農場を行ない、その収益を分配しようとする。
それは、平等主義のユートピアの創造であり、エコロジカルな「リサイクリング(再利用)」の思想の実現である。
カトリックのロビンは「聖ユダ」(ランバート家の故郷「セント・ジュード」の名前の由来)に惹かれるという。
見込みのない目標(理想)に打ち込む人を守護する聖人だから。
(つづく)
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