越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

第1回 幻のキューバ  サンティアゴのブルへリア(17)

2011年11月23日 | キューバ紀行

 

    そう言われてみると、確かに、乗り合いバスを降りた町の中心地あたりは家々が並び、

    道路にはトラックやオートバイや馬車が頻繁に通り、埃っぽい。

    高原の清涼な空気に慣れた人には、汚れた環境に映るのだろう。 

 まるで現代の「シマロン」みたいだね。私は褒め言葉としてそう言った。 

 奴隷制時代に凶暴な農場監督のムチや獰猛な猟犬に屈せず

   命がけで山奥に逃げた逃亡奴隷(シマロン)の強い意思と矜持に敬意を表したのだ。

   彼らは単に山のなかに逃げたのではなく、

   パレンケと呼ばれる「聖地」においてカリスマ的な宗教指導者のもとで共同体生活を営んだ。

  アフリカと同じように、木の精霊や川の精霊、先祖の霊などと共に生きることで、自然を畏怖する心を維持していた。

(つづく)

 


 


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