そう言われてみると、確かに、乗り合いバスを降りた町の中心地あたりは家々が並び、
道路にはトラックやオートバイや馬車が頻繁に通り、埃っぽい。
高原の清涼な空気に慣れた人には、汚れた環境に映るのだろう。
まるで現代の「シマロン」みたいだね。私は褒め言葉としてそう言った。
奴隷制時代に凶暴な農場監督のムチや獰猛な猟犬に屈せず
命がけで山奥に逃げた逃亡奴隷(シマロン)の強い意思と矜持に敬意を表したのだ。
彼らは単に山のなかに逃げたのではなく、
パレンケと呼ばれる「聖地」においてカリスマ的な宗教指導者のもとで共同体生活を営んだ。
アフリカと同じように、木の精霊や川の精霊、先祖の霊などと共に生きることで、自然を畏怖する心を維持していた。
(つづく)
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