出版社/著者からの内容紹介
本書は6つの章から構成されています。
第1章の「『思いやり』を忘れた現代人」では、いまの日本社会で思いやりの
欠如でどんなことが起こっているか、うつの増加、いじめや学級崩壊、企業の現
場など、多くの角度から見ていきます。
第2章の「『思いやり』の日本人」では、もともと日本人が持っている「思い
やり」の特徴について、西洋の思いやりとどう違うかを検証します。日本の思い
やりは、西洋の神との契約に基づいたタテ軸一本の思いやりと違って、周りの人
たちとうまくやっていくという集団主義文化のなかで育まれたヨコ軸とともに、
神仏や大自然の力への畏敬の念から来るタテ軸がミックスされたものであること
を、針供養や酒断ち、墓参りなど、私たちの日常生活に残るさまざまな習慣を取
りあげながら説明しています。
第3章の「『思いやり』とは何か」では著者の専門のパフォーマンス学・心
理学の立場から、思いやりの心理的構造を明らかにするとともに、思いやりを相
手に伝えるスキルも紹介します。思いやりという言葉で騙される例や、思いやり
という言葉で自分を騙す例などは、多くの人に思い当たるのではないでしょう
か。
第4章の「日本人の思いやりスキル」では、「おかげさまで」の使い方や「布
施」の真髄など、日本人が人間関係のスキルとしてずっと使ってきた思いやりス
キルを紹介。
第5章「日本人の宗教的倫理観」では、思いやりの大きな背景となる宗教的倫
理観について検証します。
そして最後の第6章「『思いやり力』を育てる」で
は、子どもでも大人でも、人間関係を円滑に保ち、生活をより豊かなものにする
ための「思いやり力」をどのように身につけていったらよいのか、実践的に解説
しています。
出版社からのコメント
「これからは心の時代」などと言われてからすでに10年以上。癒
し、スピリチュアルなどがブームになっている一方、うつ病にかかる人が急増し
ている......。それが現代日本の姿です。こんな時代だからこそ、日本人の心の
軸を真正面から問い直す本書が世に出る必然性があったと確信しています。読む
と間違いなく元気になれる。是非一読をおすすめします。
著者からのコメント
こんにちは、パフォーマンス学の佐藤綾子です。
日大芸術学部の学部と大学院で「パフォーマンス心理学」を専門に教えている教
授でもあり、博士でもあります。なぜ私が「思いやり」をとても大切に思い、本
に深い「思い入れ」を持ってこの本を書いたのか。そこには強い必然性がありま
す。
「ニューヨーク大学の大学院にパフォーマンス学の講座が新設される!」、そ
んなニュースを聞いて、私がニューヨークに飛んのは1979年のことでした。当時
は結婚していて、娘もいましたから、夫は怒って大反対。「2年分の単位は1年で
取り、修士号も取ってくるから」と言っての強引な出発でした。予定どおりパ
フォーマンス学で修士号を取って1980年に帰国。さっそくこの学
問の研究と普及を開始しました。でも当初は「日本人はあまり自己表現しないほ
うが万事うまくいくのですよ」と反発ばかり。しかしさいわいにも拙著「パ
フォーマンス人間の時代」(1985)を当時の中曽根首相がほめてくださったりし
て、単語はその年の流行語になりました。さて今、おかげさまでパフォーマンス
学は全国にひろがり、多くの大学で授業もあり、国会議員や知事などのコンサル
ティングや研修も増えました。でもここで、ふと足を止めて周りを見ると、なん
という問題でしょうか?自己表現力は身についた。しかし肝心のその表現の内側
にガッチリと存在すき「他者への思いやりの心」があまりに不足しているではあ
りませんか。私の本来の「パフォーマンス」の定義は「日常生活における個の善
性表現」だったのに、本当に残念です。心の問題をおきざりにして上辺のスキル
の追求に走りだしてはダメ、今私たちがとり戻すべきは「思いやり」という心優
しい愛情であり、その表現で
す。急増するいじめやうつの問題解決のためにも、今「思いやりの心をとり戻す
こと。しかもその思いやりには日本人古来のヨコ軸と、見えない大きな真実の力
に聞くというタテ軸が貫かれていることが重要です。この本の出版は、今まで27
年間、パイオニアとして目に見えるパフォーマンス能力の育成に関わってきた私
の使命だと思っています。時代を超え、地域を越え、世代も超えて、みんなが
「思いやり」でつながる社会ができあがることを願ってやみません。どうかこの
本でその心とスキルを理解して、日本人であることのすばらしさと自信と元気を
取り戻してくだい。
カバーの折り返し
心の軸を失った日本人
神仏や大自然といった大きな力を敬い、畏れ、神仏に照らして行動してきたは
ずなのに、そのタテ軸を神仏から国、そしてお金などの数字に取り替えてしま
い、一方で集団主義文化が持っていた対人配慮というヨコ軸のよい部分を、これ
からは個人主義だと言ってないがしろにしてきた結果、タテ軸もヨコ軸も持たな
い個人が幅を利かせる社会になってしまいました。
著者について
佐藤綾子(さとう あやこ)
長野県生まれ。信州大学教育学部卒業。上智大学大学院文学研究科を経て、
ニューヨーク大学大学院卒業。上智大学大学院博士後期課程修了。博士(パ
フォーマンス学・心理学)。日本大学芸術学部研究所教授、社団法人パフォーマ
ンス教育協会(国際パフォーマンス学会)理事長。国際パフォーマンス研究所代
表。『佐藤綾子のパフォーマンス学講座®』主宰。日本のパフォーマンス学
の第一人者として政財界に多くの支持者を持ち、広く社会人のパフォーマンス
教育に情熱を注いでいる。『自分をどう表現するか』(講談社現代新書)、『キレ
ない心を育てる!』『パーフェクトペアレント』(以上、講談社)、『上手な怒り
方』(PHP研究所)、『プレゼンに勝つ!「魅せ方」の技術』(ダイヤモンド社)、
『目つき・顔つき・態度を学べ!!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著
書多数あり、本書が142冊目にあたる。
僕が今、「日本」という国に思っている事が書いてある。
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