ウトロ平和祈念館は2022年4月に京都府宇治市伊勢田町ウトロ地区に延べ床面積450平方メートル、地上3階建ての建物を建設する予定だ。

2021-07-03 06:59:52 | 京都ウトロ

「ウトロ平和祈念館」、来年4月に開館

登録:2021-07-02 08:53 修正:2021-07-02 09:05
 
26日、ウトロの飯場解体式も
 
 
6月26日、ウトロの在日コリアンや関係者らが飯場を背景に記念写真を撮った=写真・地球村同胞連帯(KIN)提供//ハンギョレ新聞社

 ウトロ民間基金財団は先月26日、ウトロ地区で「ウトロ平和祈念館」構想案の発表と最後の飯場の解体式を行った。

 同財団が示した構想案によると、ウトロ平和祈念館は2022年4月に京都府宇治市伊勢田町ウトロ地区に延べ床面積450平方メートル、地上3階建ての建物を建設する予定だ。1階にはロビーと各種イベントのための多目的ホール、2階には常設展示館、3階には収蔵庫と特別展示空間、屋上(ルーフトップ)には野外休憩施設と太陽光パネルが設置される。

 ウトロ民間基金財団の金秀煥(キム・スファン)理事は同日、「平和祈念館の歴史を知り、気持ちが重くなるのではなく、自分のルーツを誇りに思い、幸せになる施設にしたい」と抱負を語った。財団はホームページで「ウトロ平和祈念館が日本と朝鮮半島の歴史、日本で生きてきた在日コリアンの歴史、そして様々な困難を乗り越え、共に歩んできた日韓市民、それらの記憶と思いを伝えて未来へとつないでいく」ための施設だと意味づけた。

 
 
   ウトロ平和祈念館の鳥瞰図=ウトロ平和祈念館ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 同日の発表に続き、労働者の宿舎であり食堂から由来したウトロの象徴的住居施設である飯場を平和祈念館予定地に移転するための解体式も行われた。統国寺住職の崔無碍(チェ・ムエ)僧侶は、読経と励ましの言葉を通じて、飯場での生活を皮切りにウトロを築き守り抜いた1世の在日コリアンに対する慰めと感謝の気持ちを表現した。

 日帝強占期(日本の植民地時代)、飛行場の建設と共に動員された朝鮮人たちが差別と貧困の中で守ってきたウトロ地区には現在、約50世代90人ほどが居住しているという。

キム・ギョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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中国共産党結党100周年を迎え、内部結束を固める一方、米国が主導する全方位的な「中国包囲戦略」に正面から対応するという意志を明らかにしたものとみられる。

2021-07-03 06:56:24 | 中国を知らなければ世界はわからない

習主席、中国共産党100周年演説「中国をいじめれば、万里の長城で血を流す」

登録:2021-07-02 09:50 修正:2021-07-02 15:56
 
共産党結党100周年記念演説で警告 
「中華民族がいじめられていた時代は終わった」 
全員マスクなしで出席…コロナ防疫力を誇示
 
 
今月1日、中国の首都北京の天安門広場で開かれた中国共産党創党100周年記念行事の終盤に五色の風船が舞い上がり、参加者たちが国旗を振って歓呼している=北京/EPA・聯合ニュース

 中国の習近平国家主席は1日、「中華民族が支配され、いじめを受ける時代は終わった」と宣言した。また「中国をいじめる外部勢力は鋼鉄の万里の長城に頭をぶつけ、血を流すことになるだろう」と警告した。中国共産党結党100周年を迎え、内部結束を固める一方、米国が主導する全方位的な「中国包囲戦略」に正面から対応するという意志を明らかにしたものとみられる。

 中国共産党総書記である習近平主席はこの日午前、首都北京の天安門広場で、7万人余りが参加した中で開かれた創党100周年記念行事で、「中国人民は古い世界を破壊する能力もあるが、新しい世界を建設する能力もある」「社会主義だけが中国を救うことができ、中国の特色の社会主義だけが中国を発展させることができると、世界に厳粛に宣布する」と述べた。

 1時間余り続いた演説で、習主席は「1840年のアヘン戦争以後、中国は次第に反植民地、反封建社会になり、中華民族は類例のない災難に遭った」とし「この時から中華民族の偉大な復興は中国人民の最も偉大な夢になった」と口火を切った。中国共産党創党の正当性を強調したのだ。

 習主席は「100年前の結党当時、党員がわずか50人余りに過ぎなかった中国共産党は、今や9500万人の党員を保有しており、14億人を超える人口大国を率いる世界最大の政権政党となった」とし「100年前に衰退した姿で世界の前に立った中華民族は、今や繁栄に向けて堂々と踏み出し、偉大な復興に向かって進んでいる」と主張した。

 これに先立ち、中国共産党中央指導部が前日に公開した「党内統計公報」によると、先月5日現在、中国共産党員は計9514万8千人余り。2019年末に比べて323万4千人が増えたもので、習近平政権となって以来最大の増加幅だ。

 習主席は、増大した国力にふさわしい強い軍隊の必要性も力説した。台湾海峡と東・南シナ海一帯で米国と軍事的緊張が高まっている状況を念頭に置いた発言とみられる。習主席は「歴史を鏡にして未来を切り開くならば、国防と軍の現代化に拍車をかけなければならない。強大国は軍隊が強力であり、軍隊が強力であってこそ国家の平安を保てる」と述べた。さらに「人民解放軍は赤い江山を守り、民族の尊厳を守り抜いた力強い柱であり、地域と世界の平和を守る強力な力」だと強調した。

 習主席は特に「中国人民は正義を崇め、暴圧を恐れず、これまで他国の人民を苦しめ、圧迫し、奴隷化したことはない。過去にも、今も、今後もない」とし「同時に中国人民はいかなる外部勢力も我々をいじめ、抑圧し、奴隷化することを容認しない」と述べた。

 さらに「いかなる外部勢力も中国をいじめようとするならば、14億人を超える中国人民が血と肉で築いた万里の長城に頭をぶつけ、血を流すことになるだろう」と付け加えた。習主席のこの発言が出ると、大きな拍手と歓声が沸き起こり、天安門広場は騒然となった。

 香港の国家安全法の施行により事実上直轄体制が敷かれたにもかかわらず、習主席は香港について、依然として「一国二制度」の原則を掲げ、外部勢力の介入を警戒した。また「我々は全面的に『一国二制度』と高度の自治方針を正確に貫徹すべきであり、香港・マカオ特別行政区に対する中央政府の全面的な統治権を実現しなければならない」とし「特別行政区当局も国家の安定を守る法律制度と執行制度を実現し、国家主権と安全の発展利益を守らなければならない」と強調した。

 台湾については「祖国の完全な統一を実現することは中国共産党の変わらぬ歴史的課題であり、すべての中華民族の共通した念願」であり「台湾独立の試みを断固として粉砕し、民族復興の美しい未来を切り開いていかなければならない」と述べた。続いて「国家主権と領土を守る中国人民の固い決心と意志、強い能力を、誰も過小評価してはならない」と述べた。米国が台湾と密着した行動を示すたびに中国側が使う表現だ。

 この日の行事は午前8時ごろ、ヘリコプターと戦闘機編隊がそれぞれ結党100周年と結党記念日を象徴する「100」と「71」の模様を描いて飛行した後、100発の礼砲が鳴る中で始まった。天安門の望楼に立った習主席や、胡錦濤前主席をはじめとする党・政府指導部、また広場を埋め尽くした出席者も、皆マスクをつけていなかった。新型コロナウイルス防疫の成果を内外に誇示する狙いがあるものとみられる。行事にはコロナワクチン接種を終えた人だけが出席を認められたという。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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