プロは何においても道具にこだわりますが、
美容師さんが使うハサミが超高価なことに驚きました。
私は知りませんでしたが業界では非常に有名だそうで、
ナルトシザーという会社のハサミ。
スタンダードが15万8000円、
グレインというのが29万8000円(何れも単品で)。
アマゾンで理容ハサミを買おうとすると
セットで1万7600円なのでいかに高いかが分かります。
大阪の宝塚にある、従業員50名弱の小さな会社で作っています。
安いハサミとの違いは大きく2つあって、
1つは刃が若干湾曲していて、
刃に隙間があること(湾曲隙間は0.03mm)。
手元のハサミを見て頂くと分かりますが、
普通のハサミだと切り進む時に刃が全面に接触して行きます。
これがナルトシザーだと刃が湾曲しているので
接触点が切り進むに従い移動して行きます。
それで刃先の接触が少ないのでいつまでも切れ味が変わらないそうです。
違いの2つ目は、
ハサミの支点部分にベアリングが使われていること。
普通のハサミだと板バネが入っていたり、ネジで締めていたりします。
ベアリングを使うことにより刃の動きが繊細になり、
どんな状況になっても美容師さんの手の動きに忠実に従うそうです。
このハサミ、職人さんが30の工程を経て完成させています。
安いハサミだと毛先がバラバラに切れるので、
新人もベテランも差は出ません。
しかし、ナルトシザーだとスパッと真っ直ぐに切れてしまうので、
カットの基本が出来てないと使いこなしきれないとのこと。
つまりベテランが使って初めて生きてくるハサミです。
例えが悪いですが
100円寿司でも銀座の高級寿司でも、
寿司に変わりは無いかもしれませんが、
高いものは高いなりのこだわりがあり、それが支持を受けていることでもあります。
何事も安い方へと流れて行く中、
このような「高価な文化」というものも大切にしてもらいたいと思います。
雑談:
http://fu-honpo.com/article/182395831.html
http://fu-honpo.com/article/181543252.html
http://fu-honpo.com/article/183391500.html