Naoの誰でもわかる!英語の話

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「英語一問一答」(文法編/No.3)ブルで時制がわかる!?

2007-09-05 | Weblog
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Question 14: 英語の時制、特に現在完了とか過去完了が、現在、過去とどう違うのかはっきりしません。わかりやすく教えてください。(17歳、高校生男子(のつもり))
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Answer:
わかりました。では、1960年にWilliam Bullが考案したBull Framework(ブルの枠組み?)を使って説明しましょう。彼は言語学者で、スペイン語の時制を説明するためにこの枠組みを考案しましたが、その後、これは他の言語にも適用されるようになりました。もちろん、英語にもね。

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へえ、その考え方(枠組み)っていうのは?
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考え方は結構簡単でね。まず、「基本軸の時」(basic axis time)を設定する。つまり、自分が話そう(書こう)とする中心的話題が持つ、時(時制)をね。簡単に言うと、話したい内容がいつのことなのか、例えば、昨日のことであれば、過去が基本軸の時。もし、来週の話をしたいのであれば、未来が基本軸の時となるわけね。同じように、今の話をしたいのであれば、もちろん基本軸の時は、現在になる。いいかな、ここまで?

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はい、なんか難しそうに聞こえますが、要は、話してる内容が、現在のことなのか、過去のことなのか、あるいは、未来のことなのかってことですよね。でも、それが基本軸っていうのは?
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基本軸っていうのは、要は、頭がその時(現在、過去、未来)を中心に考える、つまり、軸にする(中心にする)ってことです。具体的に説明するね。僕はこう言います。

He plays tennis.(彼はテニスするんだよ。)

時(時制)は、もちろん現在だね。この現在という時を基本の軸(中心)にして、次にその前の時と、その後の時のことについて話します。ではまず、現在を基本の軸にして、それより前に起こったことについての話。

He has played tennis for over 5 years.(彼は、もうかれこれ5年もテニスしてるんだってさ。)

これは、彼が現在という軸から前の(過去の)5年間、ずっと継続してテニスをやってきたことを意味するよね。「やってきた」とは言うけど、過去の話ではない。今話している時点でもテニスしているわけだからね。その意味合いを出す時に使うのが、現在完了形(have+過去分詞)。あくまで現在から過去を見て、過去から起こっている(起こった)ことが今(現在)に繋がっている様子、その気持ちを伝えたい時に使う。いい?

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なるほど…。あくまで現在が基準点となって、そこから離れないで、その前に起こったことに言及するってわけですね。そんな時に使うのが現在完了形。なんとなくわかりました。では、現在の後っていうのは?
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次の文を見てみて。

He is going to play tennis next Sunday with his friends.

単純に、未来になるよね。次に基本軸の時が過去の時。僕は彼が過去にしたことを言いたいので、こう言います。

He played tennis on Sunday afternoon.

単純過去(形)を使った文だね。では、その過去の時、日曜日の午後を基本軸にして、その前に起こったことを話すと…

Before playing tennis, he had finished some of his homework.
(テニスをする前に、彼は宿題をいくらか終わらせていた。)

頭の中で、テニスをした時(日曜日の午後)が軸になって、その前の話をしているっていうのはわかるよね。過去のある時点の話をしていて、「あ、その前に、もう~が起こっていたんだ」という意味を表わしたい時に使うのが、過去完了形(had+過去分詞)。つまり、単純過去で表わされた時の、もう一つ前の時に、すでに何かが起こっていたと言いたい、表現したい時に使うのが、過去完了なんだね。いいかな、ここまで?

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はい!よくわかりました。僕が例を挙げますね。「昨日僕が学校から家に帰った時には、お母さんはもう買い物に出ていました。」この場合、「買い物に出ていた」部分が、had gone out for shoppingになるわけですね。
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その通り!で、「後」の話ね。

After playing tennis, he went to a sport shop with his friends.

単純過去になるよね。では最後に、基本軸の時が未来の場合。

He will (is going to) meet with his friends at 6:00.

単純未来形だね。じゃあ、基本軸の時(この場合は6時)の前だと…

Before 6:00, he will have finished the rest of his homework.
(6時前には、彼は残りの宿題をすべて終わらせていたよ。)

未来の話をしているので、終わらせていた(その時の前までに)とはいっても過去形は使えない。だって、過去の話じゃないからね。未来の話だから、willを使って、まず未来を表わす。でも、その未来のある時点で「終わった」という意味合いを出さなければならない。そこで使われるのが、過去形ではないが、過去のことに言及する機能を持つ現在完了形というわけね。will という助動詞が前に来るので、その後に来るhaveは常に原形。ということで、will have+過去分詞となり、いわゆる、未来完了形が使われることに。お~い!ついてきてるかい?

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大丈夫ですよ。つまり、誰かの未来のある時点での話をしていて、その人が、その時点の前に、すでに何かをしていた、と言いたい時に使うのが、未来完了形(will+have+動詞の原形)てことですよね、
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すばらしい!その通りだね。で、最後に、「後」についての話。
After 6:00, he will (is going to) enjoy dinner at Betty's place.

ここは単純未来でいいよね。さてさて、今回は、現在、過去、現在完了、過去完了、そして、未来完了まで、いっきに話しました。これらは一度理解すれば決して難しいものではないので、わかりにくかった方は、何度か読み返してもらったらいいと思います。きっとわかるようになるはずです。It is a promise! では、今回はこの辺で。See you next time!

(End of Story)

(参考文献:Celce-Murcia, Marianne, and Larsen-Freeman, Diane. 1983. The Grammar Book, Rowley, Mass.: Newbury House.)