Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

「英語一問一答」(表現編/No.7)なんで「ナイーブ」で怒るの?

2007-09-20 | Weblog
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Question 23:ミーティング中にアメリカ人の同僚(女性)に、彼女の感性の繊細さを褒めようと思って「You are pretty naive.」(君はなかなかナイーブだね)って言ったら、すっごく怒って何か言って部屋を出て行きました。僕、何かまずいことしました?(29歳会社員、男性(のつもり))
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Answer:
あ、それはまずかったですね~。naive という単語、日本語の感覚とはだいぶ違いますからね~。それはかなり否定的な意味を持った単語で、「(思考が)単純な」「認識が甘い」「物を知らない」、どちらかというと、相手を下に見たような印象を与えるんですよ。言い方によっては、「ばっかじゃない」くらいに響くことも…。相手がビジネスでばりばりの女性なら、よけいに怒りますようね~。

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え~、そんなこと知りませんもの。明日あやまらなきゃな~。あの子、あ、Judyっていうんですけど、結構気が強いんですよ。あ、そうそう、前にも同じようなことがあって、僕とすればちゃんと英語で言ってるつもりなのに、彼女が変な顔したことが何回かあるんですよ。その時のことも聞いていいですか?
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「カタカナ英語」ってやつかな、ひょっとして?結構ありますよね、そんなこと。いいですよ。それで…?

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はい、前にお茶飲んでて、お互いの友達のことを話してたんですね。で、僕は、今の彼女と出会ったきっかけの話をしてたんですけど、その時に、「I met her first time in the elevator of our company and I liked her very much, so I attacked her.」って言ったんですよ。そしたら、彼女、眉間にしわ寄せて、「You are kidding, aren't you?」て言うんで、いや、冗談じゃないよ。猛烈にアタックしたんだ、って意味で、「No, no, it is not joke. I attacked her more and more.」て言ったんです。そしたら、急に、「I did not know you are such a jerk」(あなたがそんなバカな人って知らなかったわ)ですって。え、なんで女性に猛アタックしただけで、バカ(jerk)って言われなきゃいけないの、って、すっごく落ち込んだことがあるんですよ。彼女、アタックを本当のアタック(攻撃)と勘違いしたんですよね~。もう、参りました…(ため息)。
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いやいや、ちょっと待って。その言い方だとJudyが悪いみたいな言い方に聞こえますよね。悪いのは、あなたですから~!(あ、どっかで聞いたような、そして聞かなくなったような…)いいですか。あなたは英語で話してるわけで、英語で伝わる意味があなたが言ったことなんですよ。カタカナ英語は確かに英語でコミュニケーションとるときに便利な時もありますが、それが英語で使われる時、日本語の中での意味と同じかどうかは、しっかりチェックして使わないと、大変なことになる場合もありますよ。今その彼女の中では、あなたは暴力的な、そして、生意気な男になってますよ。あ、ちなみに、さっきのアタックですけど、英語では、approachかな。あるいは、ask (her) for a date、ask (her) out on a dateだと、デートに誘う、って感じの意味なので、それでもいいですね。

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へ~、そうなんだ。あ、こんなこともありました。実は僕たち二人の知り合いで、きれいはきれいなんですけど、何か冷たい感じの女性がいましてね。ある時その彼女がうちのオフィスに来ましてね。それを見た僕は、Judyに、「You know, she is very cool.」て言ったんですね。そしたら彼女いわく、「You have bad taste in women.」(あなた女性の趣味悪いわね)って、バカにされたんですよ。これもわからん!
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いや、僕もわからん(あなたのことが…)。いいですか。クールは、確かに「冷たい」ですけど、「She is cool.」と言えば、「彼女、かっこいい!」って意味になるんですよ。cool は、「いけてる」「すばらしい」とか、日常会話ではいい意味になるんです。使い方は、例えば…What's cool about him?(彼のどこがいいの?)とかね。「冷たい人」の意味ならcoldの方がいいですね。

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あ、そういえば、その「冷たい」女性のことで、まあ、冷たいけど(cool)、体型はすらっとしてるから、お得意さんの受けはいいんじゃないの、って意味で、「She is cool, but smart.」って言ったんですよ。そしたらJaneが変な顔をして、「Do you think she is smart?」ていうから、「Yes, she is!」て言ったら、「Your judgment is terrible.」(あなたの判断って最低ね)
ですって。またまた、わからん~状態なんです。なんで?
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いや、こっちが聞きたいです。おかしいと思ったらすぐに調べるか、Janeに聞いたら?いいですか。スマートは、日本語ではたしかにすらっとしたって意味ですけど、英語では、「頭がいい」「きれる」って、知性に関するいい意味ですよ。しかもあなたは、cool, but smartと、butを入れてるし…。そりゃあ、Janeも混乱します。体型ならslimでしょ。

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あ、なるほど。じゃあ、ついでにいいですか?この間アメリカ出張があって、むしょうにホットケーキが食べたくなったんですよ。そこでレストランに行って、「Hot cake, please.」て言ったんですね。そしたら「Excuse me? Ah, what kind of cake, do you want?」て言われるんで、「Hot cake!」てもう一度言ったら、「Sorry, sir, we have a chilled cake, but not a hot one.」て言うんですよ。しかたないので、「Okay, okay, then, sandwich.」て、結局サンドイッチを注文したんですけど、待ってる間にそのウェイトレスさんが、なんとホットケーキどこかに運んでるじゃないですか。もう、頭にきて、チップ置かないできましたよ。ホントに失礼ですよね~!

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いや、失礼なのはあんた、いや、あなたですよ。チップを置きなさい!ホットケーキは日本語。英語では、pancake です。なんでその場で聞かないかな~。あなたみたいな人がいるから戦争が起こるんですよ(あ、ちょっと言い過ぎ…)。でもね、カタカナ英語が、英語として話されるとどんな意味に取られるかは使う前にしっかり確認してほしいですね。誤解が起こってからだと、それを説明するのが難しい。だって、複雑な説明が必要でしょ。そんな英語力はまだない。だから、失敗してるわけですからね。皆さんもくれぐれもカタカナ英語にはお気をつけください。では、今回はこの辺で。また、こんなの英語?ていう質問があれば、どしどしどうぞ。See you in the next story! Bye!

(End of Story)

「英語一問一答」(文法編/No.7)不定詞ってどんなもの?

2007-09-19 | Weblog
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Question 22:素朴な疑問です。to不定詞って、何ですか?教えてください。(16歳高校生女子(のつもり))
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Answer:
わかりました。とてもいい質問ですね。というのも、英語を理解する上でとても大事なポイントがその答えに入っているからです。そのポイントとは、「英語の文は、必ず主語と動詞がなければ成り立たない」ということ。言い換えれば、「動詞があれば、必ずその主語がある」ということです。

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え、わからないんですけど…。それとto不定詞と何の関係があるんですか?
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あ、そうね。じゃあ質問だけど、toの後には何が来るの?

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もちろん、動詞ですよね。原形って言うんですか?時制を取らないやつ…。
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そうね。どうして時制を持ってないか、わかる?動詞なのに。

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それは…わかりません。
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それは、その動詞が主動詞じゃないから。つまり、一つの英文には一つの主語と一つの動詞(主動詞)があって、主動詞しか時制を持てないのね。だから、もし、それ以外の動詞が文に入る場合には、時制を持っていないto不定詞の形になるか、分詞(現在分詞、過去分詞)にならざるを得ないわけ。文章って、いつも誰かが何かをした、だけの簡単な構造じゃないじゃない。もっといろいろな意味が入ってくるよね。その時に動詞も多く使われる。でも、主な動詞(時制を持った)は一つだけ。後の動詞はいろいろな説明(修飾)のための動詞なので、to不定詞の形か分詞の形になって主動詞の意味をいろいろと補うってわけなのね。いい、ここまで?

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まあ、はい。じゃあ、例えば、次の文はどうなんですか。
I want to go to New York.
want の主語はI でいいですよね。じゃあ、goの主語は?書いてないですよね。さっき、動詞があれば、必ずその主語があるって言いましたよね?
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そう、必ずある、って言ったよね。でも、いつも目に見えるとは言ってないよね。つまり、隠れていても、あることには違いないわけだからね。実は僕たちが英文を読んでいてよくわからない時って、結局誰がどうしたのかがわからない時じゃない?そしてその時は、必ずって言うほど、主語とそれに呼応する述語(動詞)が見つからない。あるいは、動詞はあっても、それに呼応する主語がみつからない…。隠れているか、あるいは、離れている場合もある。それを文脈から読み取らなきゃいけない。それが出来ないと意味がさっぱりわからない。じゃない?

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おっしゃる通りですけど~私の質問、忘れてません?
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あ、ごめん、ごめん。あの文章は、もともと(頭の中では)はこんな2つの文だったのです。

I want (something) + I go to New York

で、それを口に出して言おうを思った時に…

I want I go to New York

になったんだけど、このままだと時制(現在)のある動詞が2つあるし、一文にもなっていない。だって主語も2つ。動詞も2つだからね。and かなんかで繋いだらオッケーだけど、それはしたくない。なので、主動詞でないgo は不定詞に格下げ(?)となり、その主語はすでに前にあるので言わなくてもすぐにわかるはず。なので…

I want to go to New York.                                             

となったわけ。結論。to+動詞があれば、そのすぐ前にその動詞の主語が隠れている。い~い?

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ふ~ん。なんかごまかされるような気がする…。あ、そうだ!その動詞のすぐ前にその動詞の主語が隠れているっていう証拠を見せてください。そしたら信じます、その話(^^)。
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え、証拠…。はい、わかりました。お易い御用で(古!)。以下の文を見てください。

I want him to go to New York.

もうわかったよね。この場合は、New Yorkに行くのは、私じゃなくて、彼(彼に行ってほしい、だからね)。to のすぐ前にある名詞がその動詞の主語というわけね。「でも、he じゃなくて、himじゃない」ですって?英語は言葉になっていく順(直線的)に文の規則(文法)が適応されるのね。だから、want と言った瞬間に、want が目的語を取る動詞だから、その後にくるものは必ず目的語になる。なので、たまたまそこにあったものがheだったら、そのheは目的格にならなきゃいけないわけ。なので、himになったってわけ。ね、理屈でしょ?

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な~る…。でも、なんで一文に動詞が二つ以上あれば、一つは主動詞で、後は時制を取らない形になるっていうのがそんなに大事なんですか?
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それは、英語を勉強し始めの人は、次のような文をなかなか書けない(言えない)からです。

1) I want to see a movie at the theater starting at 6 o'clock, ending around 9.
2) Jim came out of the house, complaining and shouting, and ending up falling down on the stairs.
3) I would like Japan and the U.S. to cooperate more for the world to become a comfortable place to live environmentally.

またこのテーマに触れることもあるかと思います。今日はこの辺で。Hope to see you expecting a more interesting story from me, and I will do my best for that. Bye, now!

(End of Story)

英語体験編(No.9) 僕の英語学習(第五話)

2007-09-18 | Weblog
「僕の英語学習~焦りと苦悩、そして挫折の日々~」(第五話)

<脳フル活用学習法>

英語を読んで、訳して、音読して、今度は目を上げてできるだけ文字を見ないようにしながらまた読んで、そして次の文章に行き、また読んで、訳して、音読して…。僕のリーディングはそんな繰り返しの連続でした。読んでいた物ですか?え~と、Time, Newsweek, Japan Timesが多かったかな?な~んて言うと、すっごくかっこいいですけど、実は一日に読める分量は半ページが精一杯。あ、大学時代の話です。TimeやNewsweekなどは、年間購読なので一年間になんと52冊もの雑誌が届きます。しかも、アメリカから。帯がついて来るのですが、僕はそれを本棚の下の開き扉の中に入れていました。なにしろ僕のリーディング力は一日半ページ以下ですから(自慢じゃないですが)、一週間かかっても数ページしか読めない。そのうち新しい雑誌が届く。いつの間にか本棚の下は一杯に…。偶然その扉にぶつかると、中から帯のついたままの雑誌がなだれ落ち、ギャー!なんていうのは日常茶飯事の出来事でした。

で、それと「脳~学習法」と何の関係があるのか、ですか?はい、つまり、僕のリーディング力の弱さは、当然ながら、その語彙力の弱さが原因だったわけです。ある時、雑誌の記事を上の方法で読み切り、かかった時間はなんと4時間。すっかり満足した僕は寝床にもぐり込み、すぐに夢の中へ。次の朝、ふと机の上に広げてあった雑誌をみると、昨晩読んだあの記事。「よし、もう一度ざっと読んでみるか」とおもむろに右手で拾い上げて黙読すると、「ん?何これ?わからん!(ガーン!)」そのショックたるもの、今だに忘れません。

このショックにしばらく立ち直れずにいた僕は、ある時どこかの本屋さんで「右脳を鍛える」かなんかの本を見かけました。そして、即購入。その本は2、3時間で読み終えました(何で英語でこれができないんだ!)。その後いくつか脳に関する本、雑誌の記事を読んだ僕は、「そうだ!語学は脳を使って勉強するのが一番!」との思いを持ち、自分なりの英語学習法を試すことに…。

まずはリスニングへの応用。皆さんもご存知のように、右脳は左脳よりも顔の認知、図形合わせ、その他空間知覚作業に優れ、一方、左脳は言語、リズム知覚、時間的順序の判断、あるいは、数学的•論理的思考に優れていると言われます。つまり、言語認識は左脳がするので、左脳に一刻も早く情報を送り込むことが早く理解するカギになるはず、と僕は考えたのです。

身体の右側から入った情報は左脳に行き、その後右脳と左脳を繋いでいる脳梁(のうりょう)を通して右脳に行く。同じく、身体の左側から入った情報は、まずは右脳に行き、その後脳梁を通して左脳へ行く。この脳の情報伝達のメカニズムを知った僕は、英語を常に右耳から聞く練習を始めました。だって、右耳から入った情報は、すぐに左脳に行くわけですからね。そうすれば左脳が鍛えられる、というのは理屈のはず。まあ、そう考えたわけです。また、英語のリスニングテストの時も、できるだけ右耳で聞くようにし(あ、あくまでそのつもりということで)、左の脳に神経を集中して聞くようにしました。その結果ですか?まあ、はっきりしたデータがないので何とも言えませんが、それなりの効果はあったような…(ホント?)。ただ、今でも通訳する時はどちらかというと左の方に神経を集中しているような気はしますね。実際に効果があるかないかは、是非皆さんご自身でお試しを(ちょっと無責任?)。

さて、次に僕が取り組んだのが、記憶の向上です。記憶は脳が一番リラックスしている時、そう、アルファー波が出ている時に効率よく行われることを知った僕は、直ちにバロック音楽を購入しました。ヴィヴァルディ、テレマン、バッハ等の楽曲です。僕はバロックを聞きながら英語を読み、理解しようと試みました。え、また結果ですか~?まあ、正直なところ、音楽が邪魔になって集中できませんでした(何じゃそりゃ)。しかし、皆さん!このバロックを聞きながらの英語学習法というのは実際に存在し、それなりの効果があったと言われます。実は僕もそのワークショップに参加したことがあります。ふんわりとしたソファに腰かけ、バロック音楽を聞き、そして英語の先生が、ゆっくり、リズミカルに、抑揚をつけたソフトな声で参加者に話しかける。そう、頭の中にゆっくり英文を流し込むように…。僕はすっかりリラックスし、ソファに深々と沈み込んだかと思うと、いつの間にか記憶がなくなっていく…(え、寝たの?)。はい、寝てしまいました。でも、皆さんは寝ないかも。一度バロック音楽をお試しください。

さて、今回は「ちょっと信頼性に欠ける情報ばかりじゃな~い?」と思われる方もおられるかもしれませんので、ここで絶対に間違いのない(?)脳のメカニズムを利用した英語学習法をご紹介しましょう。単語、表現の覚え方です。それは、「五感を使って脳に記憶させる」ことです。つまり、視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚をフルに活用して英語を覚えるということですね。え、言葉に味とか臭いはない、ですって?確かに…。これは、言い換えると、感性をフルに活用して覚えるということで、単語、表現等をどれだけイメージ化できるかということです。そして、そのイメージを作るのに活用するのが、五感(脳機能)というわけです。

もちろん、実際に感覚を使って覚えることもできるし、その方が記憶には残り易くなります。例えば、pain(痛み)、painful(痛い)という単語。ただ頭で日本語に訳して覚えても記憶に残りませんが、自分で自分の手を痛いほどつねり、痛い!と思った時に、Oh, it is painful!と言うと、その時の痛みとpainという単語が重なり、記憶に残り易くなります。もちろん、それを何度もすれば、間違いなく、pain、painfulはあなたのものです!あとで赤くなった肌を見るだけでもpainという単語が頭をよぎること間違いなし(バンザーイ!でも痛~い)。ところで、記憶はその出来事がドラマチックであればある程、深く残り、忘れる可能性が低くなります。単語、表現を覚える時、その単語、表現の意味をできるだけドラマチックにイメージし、その音とだぶらして覚えると、必ず覚えやすくなりますよ。芝居好きのあなたなら、英語がどんどん頭に入ってくること、間違いなしです。Believe me, please. I did it and it worked for sure.ともかく一度やってみてくださいね。

今回は脳を使った勉強法についていろいろ書きました。僕の体験も効果がないとは言えませんよ。人はそれぞれの学習戦略を持っていますからね。他人に効果がなかったから自分に効果がないとは言えません。なので、是非一度僕がやったことも体験してみてください。もちろん、保証はできませんが…。Any way, everything is worth trying.是非お試しを。では、今回はこの辺で。Seeeeeya!

(End of Story)

「英語一問一答」(文法編/No.6)ing の使い方をおしえてください。

2007-09-17 | Weblog
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Question 21:ing の使い方がよくわかりません。進行形の時に使われるのはわかるんですが、それ以外にでてくると、なんか混乱して…。わかりやすく教えてください。(17歳、高校生男子(のつもり))
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Answer:
その気持ち、何となくわかります。何となくって…(ん、どこかのコマーシャルで聞いたような…)言うのは、そう、僕も昔そのことで悩んだ(?)ことがあるような気がしますから。では、今回はingの謎(?)に迫りましょう(ちょっと大げさ…)。まずは小手試し。以下の違い、わかりますか?
1) a sleeping dog
2) a sleeping bag
3) laughing gas
4) laughing people

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え~1)は眠っている犬で、2)は、寝袋ですよね。3)は、眠りガス?4)は笑っている人々、ですよね。
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その通りです!ing形といっても二つありますよね。一つは「分詞」、もうひとつは「動名詞」。以下を見てください。

1) a sleeping dog → a dog that is sleeping
2) a sleeping bag → a bag that is used for sleeping
3) laughing gas → gas that causes laughing
4) laughing people  → people who are laughing

どれがどれか、わかりますよね。そう、1)と4)が分詞で、2)と3)が動名詞ですね。だって、寝ている袋とか、笑っているガスなんか、マンガならともかく、ないですよね。「動名詞」は動詞が名詞的に(として)使われているもの。現在分詞は、~している、~である、という形容詞として使われるもの、ということですね。

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すると、現在分詞の出所は、現在進行形ということですね。
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ん~たしかにその考えでほとんどの場合は問題ないような気がしますが、以下のような場合は明らかに違いますよね。

○ I bought some clothes totaling $100.
(合計100ドルも洋服買っちゃった。)
× The clothes were totaling $100.
○ Mr. Uno bought a house resembling a rocket.
(宇野さんがロケットに似た家を買ったよ。)
× The house is resembling a rocket.

上の二つの動詞(total, resemble)は進行形になりませんからね。でも、分詞形(ing)にはなれる。ですから、すべてが進行形の中のing形とは限らないわけです。

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なるほど。ところで、上の文のような使い方がいまひとつわからないんです。文の中の分詞の使い方を以下の例文を使って説明してください。

(1)Bill came up to me smiling.
(ビルは笑いながら僕の方に近づいてきた。)
(2)Laughing in a loud voice, Superman jumped out of the window.
(大きな声で笑ったかと思うと、スーパーマンは窓から飛び出した。)
(3)Driving in the mountains, we saw a big bear along the road.
(山の中を車で走っていると、道路脇に一匹の大きな熊を見かけた。)
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わかりました。この使い方は、難しそうに見えますが、実は結構簡単です。では、説明の前に一つ質問。英文一つに動詞はいくつありますか?

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え?(これはひっかけ?)主語、動詞、目的…だから、一つ、ですか?
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その通り。あくまで一文ですから、動詞は一つです。ただ、この場合の「動詞」は「主動詞」ということで、時制を持った動詞のことを言います。なので、一つの文に他の動詞がいてはいけないということではなく、いても、その場合は時制を持たない形でなければならない、ということです。ですから、to+動詞(不定詞)とか、分詞なら、いてもオーケーなわけですね。では、その分詞の役割、上の例文から何だと思いますか?

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分詞は全部なんらかの説明になってますよね。
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そうですね。主に言いたいことがメインの文章になっている。スーパーマンが飛んで行った、だとか、熊を見た、だとかね。ただ、その時に別のことが同時に起きている(進行中である)ので、そのことは現在分詞形で説明しているわけです。もちろん、現在分詞にしないで、時制を伴った動詞として説明することも可能ですが。例えば、
When we were driving in the mountains, ….
Superman laughed in a loud voice and jumped….

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それはわかりましたが、何で分詞を使うのが簡単なのですか?結構ややこしいみたいですけど…。
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それは文を作る時の考え方の問題です。例文(1)を使いますね。あなたはビル(Bill)を見た。彼が近づいてきた。その時彼は微笑みを浮かべていた。この時あなたが見た一フレームの映像(場面)には二つの動きが見えます。ビルが来た(came)と微笑んでいた(smiled)の二つです。これを一文にする時、あなたは、まず大事な情報の方を主動詞にして文を作り(Bill came up to me)、次に、もう一つの動詞(smile)を分詞(smiling)に変え、その状況をよりクリアに説明します。簡単でしょ?

要は、「あることが起こった(起こっている)時に同時に別のことが起こったら、まず大事な方を主動詞にして文を作り、もうひとつの方は分詞にして説明しろ」ということです。例文(2)も同じです。車に乗って山の中を走っていた。(その時)熊を見た。二つの事がほぼ同時に進行した訳です。言いたいこと(大事な情報)は「熊を見たこと」で、「車で走っていた」ことは付随的な情報。しかし、時系列的に言うと「車で走っていた」のが早く起こっていたので、先に言い(Driving in the…)、後で「熊を見たこと」を文(we saw a big bear…)として言っているわけです。現在分詞の使い方は、文をみるといろいろな機能•意味(ので、の時、ならば等)を持っていますが、基本的な考え方はそんなところです。極端に言うと、「一文で言いたい動詞が複数あれば、一つは時制を持った主動詞にし、後は時制をもたない分詞にして文(主動詞)の説明に当てろ」ということです。まずはこんな感じで間違いを恐れずに使って、その自然な使い方を徐々に覚えていってください。では、今回はこの辺で。See you again, everyone!

(End of Story)

「英語一問一答」(表現編/No.6)Thank you じゃない、ありがとう、は?

2007-09-16 | Weblog
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Question 20:いつも会話とかメールで「ありがとう」って言う時、「Thank you」しか出てきません。もっとかっこいい言い方、ないでしょうか?(28歳、会社員、男性(のつもり))
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Answer:
まあ、Thank youって言っていれば問題はないわけですが、たしかにいつもそればっかりじゃねぇ。では、かっこいいかどうかはわかりませんが、今日は幾つかの表現をみていきましょう。お礼の気持ちを伝えたい時に使う動詞、thank意外でなにか知ってますか?

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え~と、たしかビジネス英語を勉強した時に、appreciate(アプリーシエィ(ト)という単語を習いましたね。
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そう、その動詞はよく使われますね。特にビジネスレターの中で相手にいろいろお願いする時に「そうしてもれえたらうれしいです」といった気持ちを表わす時には、ほとんどの場合、それを使いますね。以下がその例です。

We would appreciate your prompt response on this matter.
(この件について迅速なご返事をいただければうれしく思います。)
I would appreciate it if you can call me tomorrow.
(明日電話をいただければ幸いです。)
Your prompt handling will be appreciated.
(貴社(あなた)の迅速な対応を感謝いたします。)

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そういえば、そんな文章見たことありますね。でも、どうしてwouldとかwillとか、文によって違うんですか。
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まず、wouldですが、相手側に何かを頼んでしてもらうわけですから、それをお願いした時点では相手が本当にしてくれるかどうかわかりませんよね。だから、appreciate(評価する、感謝する)するかどうかもはっきりしない。もし~してくれたら、ありがたく思いますが…といった感じなので、would(~するだろう)と将来のことを推測するような、あるいは、若干言葉をぼかすような言い方をするわけです。では、どうして最後の文はwill で、wouldじゃないのか?上の二つの文は、「あなたが~してくれたら」と条件がついていますよね。だから、appreciateは、だろう、と言わなくてはいけません。でも最後の文は、「~をありがたく思う」ということなので、その、してくれるであろうもの、は、間違いなくありがたく思うのであって、ありがたく思うだろう、といったら不自然なわけです。なので、はっきり、will(~します)というわけです。いいかな、これで?

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はい、いいです。ところで、上の文からパターンを見つけたのですが、これでいいでしょうか?

I/We would appreciate + 名詞句(ありがたく思う内容を名詞にする)
I/We would appreciate it if + [youで始まる文章](してもらいたい内容を文にする)
Your +名詞句(してもらいたい内容を名詞にする)will be appreciated.

で、どうでしょう?
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すばらしい(拍手)。そんな覚え方でいいと思います。あ、ちなみに、appreciate it ifの場合のit は、省略されることもありますので、念のため。言いにくいしね。一つだけいいですか。appreciate +名詞句は、appreciateが目的語を取る動詞だからでいいですよね。で、この時の名詞句ですが、ありがたく思うのは、誰かが何かをしてくれたからなので、その最初の語は「誰か」にあたる限定詞が来ます。つまり、yourとかhisとかね。でも、普通はyourがほとんどかな。そしてその後は名詞が来るので、何かをしてもらうのであれば、その動詞を、動名詞(動詞+ing)にしなければいけないわけです。わかっていたとは思いますが、念のため。

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了解です。appreciate の他に同じように使えるものってあります?
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そう、grateful も使えますね。意味は同じです。でもこれは、形容詞なので、当然使い方は違います。以下が例文です。

It would be grateful if you could send it as soon as possible.
(出来る限り早く送っていただければ幸い(うれしい)です。)
We would be grateful if you could meet with us by next Friday.
(来週の金曜日までに会っていただければ幸い(うれしい)です。)

あ、あと、カジュアルな表現ならば、grateful の代わりに、niceでもいいですよ。

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わかりました。でも、appreciate は、ビジネスの文、あるいは、どちらかというと硬い文に使われるみたいな感じですが、日常会話ではどうなんですか?
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問題ないです。会話でもよく使われます。会話ではよくthank you の代わりに以下のように使われることも多いです。

(I ) appreciate that.(そのことはありがたいね)
Appreciate it.(ありがとう)

appreciate は、thank you よりも、もうちょっとフォーマルにありがとうの気持ちを表わす時に使われると思ってください。でも、その差はそんなに大きくはないです。なので、以下のような言い方もよく聞きます。
Thank you. I appreciate that.
まずは軽くお礼。そして、ちょっとあらたまって「ありがとう」って感じですね。あ、そう言われた時の返事ですか?そうですね~。例えば…。

You are quite welcome.
It's all right.
No problem.
Sure.
Any time.

ということで、今回は「ありがとう」の英語表現をいろいろみてきました。誰もがいつも「ありがとう」って言っていれば、世界は平和なんですけどね~。すくなくとも皆さんは「ありがとう」の気持ちをいつも忘れないで仕事に勉強に頑張ってくださいね。では今回はこの辺で。Thank you, guys, for visiting my site. I appreciate it very much. It would be grateful if you would continue to do so. Thanks again, and see you in the next story. Bye!

(End of Story)

「英語一問一答」(表現編/No.4)Emaiの始めと終わりの書き方は?

2007-09-15 | Weblog
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Question 19:この頃英語でEmailすることが多くなったのですが、始めと終わりの書き方でいつも迷います。どう書いたらいいか、アドバイスください。(35歳、外資系会社員、男(のつもり))
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Answer:
この頃仕事での連絡はemailが一般的ですよね。僕も毎朝mailをチェックすることから一日の仕事が始まります。書き方に迷うということですが、もうちょっと具体的に言っていただけますか?

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はい。まず、メールの書き出しなんですが、僕はいつもDear+相手の名前で始めるんですが、相手から来るときはいろいろあって、あ、自分はこれでいいのかなあ、って考えることがあるんです。
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なるほどね。Dearは悪くないですよ。ただ、誰に送っているのか、その内容が単にお知らせとか軽いものなのか、それともビジネスがらみのクライアントにフォーマルっぽく送るものなのか、その性質によっては多少変わりますね。また、また変えた方が、より良いコミュニケーションができると思いますよ。Dearはどちらというと、あらたまった感じ、ちょっと硬い感じを与えますね。

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あ、時々相手からは名前だけでくる場合があるんですが、あれは僕も使っていいんでしょうか?
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つまり、「Dear Naoki,」ではなく、『Naoki,』ということですね。それはもちろん使っていいですよ。お互いをファーストネームで呼び合うのは欧米文化では当然のことだし、また、もともとカジュアルに使う目的のemailですから、全く問題ないです。「Dear Naoki, 」「Naoki,(ファーストネームのみ)」のほか、軽く「Hi, Naoki,」「Hello,」、複数の人達には「Dear All,」「Dear Colleagues, (同僚の皆さんへ)」などが考えられますね。

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じゃあ、普通に話しかけるみたいな感じでいいってことですね。わかりました。では、mailを書き終える時の最後の言葉なんですが、僕はいつも
「Sincerely yours,」て、ビジネスレターで使うものをそのまま使ってるんですけど、いいでしょうか?
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あ~、それはちょっと硬すぎますね。メールなので、もっとシンプルに。「Sincerely,」でいいです。それでも十分丁寧です。人によっては用件だけ書いて、最後の言葉、日本語では「結語」って言うんですか、あれを書かない人もいます。あくまでメールはインフォーマルなコミュニケーションツールって考えでね。でも、日本人としては何か書かないと落ち着きませんよね(笑)。

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ですね。で、「Sincerely, 」が硬いってことなんですけど、じゃあ、他にはどんなものがあるんですか?
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では、一般的によく使われているものを並べてみましょう。
1) Best,
2) Best to you,
3) All the best,
4) Regards,
5) Best regards,
6) Warmest regards,
7) Respectfully,
8) Best wishes,
9) Cheers,(英国的な軽さなので、それを理解して使ってください)
10) Love,(恋人とか家族にだけ使用)
11)Thinking of you,(かなりの気持ちが入った時かな?)
軽い感じは、1)と9)で、丁寧なのは、4)と7)。後のものは強調する形容詞が入ったり、相手が限定されますので、その気持ち、状況を考慮して使ってください。簡単に気持ちを伝えたいのであれば、以下もOkayです。
Thanks.
Many thanks.
Thanks and best,

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なるほど。相手とか状況をみて使い分ければいいんですね。わかりました。いろいろ使ってみます。もう一ついいですか?これも手紙の最後の方なのですが、上の結語の前に何か締めくくり的な表現、ありません?いきなり文を終わらせるのも、何か不自然な感じで…。
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その気持ち、よくわかります。以下、結構よく使われる表現をまとめてみましたので、その状況に合わせて使ってみてください。
Thank you for your attention.
Thank you (very much) for your cooperation.
Looking forward to seeing you at(場所)~.
Looking forward to it,
Anyway, take care.
Please keep me posted.
Let me know if you have any questions (about ~).
もちろん、文の内容によってはいろいろな終わらせ方があるので、とにかく、自分の気持ちを素直に書く事です。では、最後に僕から皆さんへのmailです。

Dear Friends,

First of all, I thank you very much for your reading my blog on a regular basis. Because of you, I am always motivated to write something that I want to leave behind for learners of English from all walks of life. I sincerely hope that my writing will stimulate you or help you in learning English even to a small extent.

I will continue to write something that might help you understand English from my own point of views. If you have any questions or something I should know, please let me know. Your contribution to my writing will be greatly appreciated.

Summer is coming to an end and another beautiful fall will soon be arriving. In the meantime, please take good care of yourself and stay well.

All the best,

Naoki

(End of Story)

「英語一問一答」(理論編/No.1)ヒトはどうやって言葉を学ぶの?

2007-09-14 | Weblog
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Question 18: 英語を勉強していて、ふと思ったのですが、人はどうやって言葉を学んでいくのですか?(19歳大学生男子(のつもり)
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Answer:
なかなか難しい問題ですね。でも、英語を勉強していたら、たしかに思いますよね、そんなこと。自分の勉強方法って、自然な言葉の学び方とどう違って、それでいいのかな、ってね。では今回は、子供(幼児)が母語(第一言語)である英語をどうやって習得するのか、その方法について考えてみましょう。人はどうやって言葉を学ぶのか?きみはどう思う?

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え、僕ですか。そうですね~、やっぱ、耳に入ってくる言葉を真似して、それでいろいろな言葉を覚えていくんじゃないですかね~?
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なるほど。たしかに言葉を覚えるってことはありますよね。「人(子供)は回りの言葉を聞いて、真似して言葉を習得していく」という考えを、模倣説(Imitation Theory)と言います。でも、子供が大人の真似をして言葉を学んでいくなら、ありえない言葉を使うことはないはずですよね。ところが、子供は大人なら絶対に言わない言葉を使います。以下がその例です。
allgone milk(ないミルク) allgone sock(ないくつした)
it ball(それボール)goed to(~に行った)
また、子供によっては人まねをよくする子、しない子といますが、その言語発達に変わりはありません。しかも、子供は言語の発達過程において、それなりのパターンを持った言葉を使います。なので、この模倣説は、あまり正しい説とは見られていません。では次の説(theory)を考えてみましょう。それは、強化説(Reinforcement Theory)と言われます。

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え?何を強化するんですか?筋肉、とか(笑)?
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もちろん、言葉を、です。つまり、子供が正しい(文法的な)言葉を言ったら、ほめる。そして、その言葉を強化する。そうすれば子供はその言葉を強く頭に刻み、覚える。でももし間違ったら、直してあげる。そうすれば、子供は間違いに気づき、正しい言葉だけを覚えていく。そんな学習過程を経て人は言葉を習得していく、というのが、強化説(Reinforcement Theory)です。でも、実はこの説も弱い。なぜならば、両親は間違った情報(意味)については訂正しても、文法の間違いなどはめったに直さないし、また、子供も、たとえ間違って直されても、そんなもの、全然気にしていないというのが研究でわかっているからです。以下がその一例です。

幼児:Nobody don't like me.
母親:違うの。Nobody likes meと言ってごらん。
幼児:Nobody don't like me.
(これが8回繰り返される)
母親:いいかい、よく聞いてごらん。Nobody likes me.
幼児:あ~そうか。Nobody don't likes me.
(「言語とは何か」(翻訳本/アポロン社)ビクトリア•フロムキン、ロバート•ロッドマン著、P.313より)

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ん~、じゃあ他にどんな説があるんですか?一番正しそうなやつは?
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一番事実に近いと思われる説。それは、Little Linguist Theory(小さな言語学者説)と言われます。つまり、幼児、子供は、小さいながらも言語学者のようなことをして言語を学んでいく、というものです。つまり、無意識のうちに十分なデータを得て、そのなかから規則を見いだし、また、それらを合成し、組み立て、大人の文法に近づいていく、というものです。

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え~、でも、大人ならともかく、幼児とか子供とかだと、そんなことができるだけの知能がないんじゃないですか?
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ん~、でもそれは「知能」の定義によりますよね。数学の問題とか、ややこしいパズルを解くとかの知能は、幼児や小さい子供は持っていません。でも、言語についてはその複雑な規則を理解していく知能を持っている。

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それはおかしいんじゃないですか?数学とか、パズルって、その解き方を学びますよね。つまり、学習した結果、問題を解くことができるわけですよね。でも、幼児や小さい子供はそんな学習してないんだから、そんなややこしい文法を解くことができるわけないじゃないですか。
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いい指摘ですね。そこで生まれた考えが、「人は生まれながらにして言語を身につける能力が備わっている」「言語は遺伝子の中に組み込まれている」というものです。この考えを始めて説いたのが、ノーム•チョムスキー(Noam Chomsky)と言う人です。世界的に有名な言語学者です。つまり、鳥が羽を持つように、ヒトは言語を持っている、ということです。僕もこの説が最も説得力があると思います。もちろん、遺伝子の中にあるという言語は、決まったものではなく、子供がどこで生まれるか、どこで育つかによってその言語は決まります。でも、どんな言語であっても、ヒトはそれを自然と身につけることができる能力を持っているということです。そしてそれは、我々の脳の中にあります。

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その能力は、新しい言語、いや、英語をマスターするのにも使えるんでしょうか?
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僕の答えは、Yesです。第二言語である英語を習得するためにもその能力は使えるはずです。ただ、一度母語(日本語)を習得してきた脳は、その習得の仕方を忘れています。その能力は長く使っていないし、母語のような環境ももう存在しない。なので、自動的には起動しないわけです。その能力を目覚せてフルに活用するようにすれば、英語の習得もそう難しいものにはならないはずです。そのための方法、ですか?簡単です。意味のある(わかる)言葉(英語)をできるだけ多く脳にインプットして、それを意味のある文脈でアウトプットしていく。後は自分の脳を信じる(^^)。そうすれば、脳はしっかり答えを出してくれるはずです。わからない?いいです。また、このことについては話す機会もあると思います。今回は、とりあえず言語習得のいろいろな理論を知っていただければ…。では、次回まで。See you all next time. Bye-bye!

(End of Story)

英語体験編(No.8/Part 2) 僕の英語学習(第四話)

2007-09-13 | Weblog
「僕の英語学習~焦りと苦悩、そして挫折の日々~」(第四話)

<ほろ酔い学習法(Part 2)>

 さて、お酒(アルコール)が英語学習の助けになるか、効果があるかどうかについてですが、前回その答えを一応Yesと書きました。その理由は二つ。物理的なものと心理的なものがあります。まず、物理的理由から。お酒を適度に飲むとどうなるでしょう? そう、ふあっと気持ちよくなる。そして、なんとなく何かから解放された気分になる。お酒を飲むとおしゃべりになる人、明るくなる人結構多いですよね(その反対の人もいますが…)。ここでのキーワードは、relax(リラックス)です。

リラックスした状態は心身にいい影響を与えます。身体的リラックス状態は、筋肉のこわばり、緊張を緩和します。肩、首、そして、顔の筋肉も例外ではありません。私達が外国語、特に英語を話す時に苦労すること。その一つに発音があります。前にも話しましたが、英語の場合は日本語と違い、多くは子音の固まり(cluster)が母音と一緒になって単語を作り、イントネーション(抑揚)を伴って発声されます。個々の単語の発音だけでもけっこう苦労するのに、それらを繋いでイントネーションもつけて話す(発声する)となると、これは日本人にとって並大抵のことではありません。でも、我々はどうして英語の発音が難しいと感じるのか?

その大きな原因として、英語を話す時に使う顔の筋肉と、日本語を話す時に使う顔の筋肉の違いがあります。英語をはっきり話そうとすると、顔の表情、変わりません?変わってない人は、まだまだ英語の勉強が足りない!唇を平たくしたり、丸くしたり、擦れるような音を出したり、英語の音を正確に出すためには普段使っていない筋肉を動かさなければなりません。音は知っている、聞けるけどうまく発音できない。これは、脳が音を正しく認識していても、それを再生するよう指令を出した時に、その関連する筋肉が適切に動かないのが原因です。

日本語は顔の筋肉をあまり動かさなくても、母音さえはっきり発音すれば、それなりに話せます。そして、使わない筋肉は歳を重ねるにつれて硬くなり、柔軟性を失います。英語を話そうとその筋肉を無理に動かすと、こわばり、また、緊張することで余計に動きが鈍くなり、うまく発音が出来なくなるのです。小さい子供が英語を話す国にしばらく住むと、その発音がネィティブっぽくなりますよね。日本でも英語を勉強している子供達は、大人に比べて発音がいい。これは、子供の筋肉が柔軟性に富んでいて、耳から得た情報(音)に基づく脳の同音再生指令を柔軟な筋肉が高い精度で再現するからです。あ、そうそう、女性の発音も男性よりきれいですよね。これも同様の理由があてはまります(もちろん、それがすべてではありませんが)。

では、お酒の効用とは?もう、わかりましたよね。そう、音を作り出す器官、筋肉の緊張をほぐし、その本来持っている柔軟性を引き出してくれること。その結果、「あ、何かいつも発音しにくかった単語の発音が、めちゃ自然に出るやん」とか「文の流れがなんかよくなってる。すごい~」とか、自分を褒めるコメントが生まれるわけです。つまり、お酒が持っているリラックス効果の賜物というわけですね。

では、お酒の心理的な効用とは何でしょう?最初のところで、お酒を飲むとおしゃべりになる人、明るくなる人が多いと言いましたよね。これは言い換えると、お酒を飲むと、人は多かれ少なかれ社交的になるとも言えます。そして、社交的になるとは、他人に自分の心を開き、意思疎通しようとする前向きな姿勢を持ち、そのために自分の本来持つエゴ(自我)を抑制することを意味します。ここでのキーワードは、エゴ(自我)です。

エゴが英語学習と関係あるのか、ですか?はい、すっごくあります。一般にエゴが強い人はエゴが弱い人に比べて英語の進歩が遅いです。エゴが強い人は、人の真似などしたくない(そんなことは格好悪い)、何か人前で間違ったことをしたら恥だ、自尊心が傷つく、といった傾向性を持っています。さて、そんな考えをもっている人が英語うまくなると思いますか?

答えは、もちろんノーです。英語は日本人にとってはしょせん外国語。その文化も共有してなければ、日常のコミュニケーションで使うこともない。そんな英語を流暢に話すようになるには、最初のうちは人まね(ネイティブの真似)するしかありません。音も文も、それらに付随する文化的要素も、すべて人まねから始めて脳にその情報(音素、文法、文化的規則等)を刷り込み、まずは英語で自分の言いたいことを言えるようになることが大事です。そして、ある程度自分なりの英語を確立すれば、後は自分なりの日本語英語でも構いません。結論。人まねのできない、ビッグエゴを持っている人は、bad learnerである。

次に、間違ったら恥と感じるようなら、外国語の勉強なんかやっても時間の無駄です。言葉は間違って覚えていくものです。私達は幼児の頃から日本語を話し始め、多くの間違いを繰り返し、でも親のおかげ、多くの情報のインプットのおかげで日本語のネィティブ話者となりました。新しい言語を習得したければ、同様の道を経なければその言語のネィティブに近づくことはできません。つまり、risk taker(リスクを恐れずに取組む人)でなければ、いい学習者(good learner)にはなれないということです。また、リスクを恐れないという態度は、自ら相手に反応を求める行動を取るわけですから、その結果、多くのインプット(情報、刺激)をもらいます。そして、脳が鍛えられます。結論。ビッグエゴを持っている人は、risk taker になれないため、bad learnerである。

お酒は人の気持ちをオープンにし、エゴのレベルを下げ、恥の概念を弱めることで、人をrisk takerにする。その結果、多くの言語的試行錯誤を可能にし、またその結果得られる多くのインプットは言語的刺激となり、脳を鍛える。ね、お酒を飲んで英語を勉強するって、いいこといっぱいあるでしょ。でも、本当はお酒なんてどうでもいいんです。要は、英語を発音する時の器官、筋肉を柔軟にするよう日頃から練習すること。また、真似するのは嫌だとか、間違ったら恥だとかいう概念を捨てて、たくさん人まねをして、たくさん間違って、多くのインプットを頭に入れてほしい、そして学んでいってほしい。今回はそれを言いたいためのお酒のお話でした。もちろん、たまにはお酒を飲んで英語を言ってみる、話してみるというのも一興ですけどね。では、今回はこのへんで。Happy English learning, guys! Bye!

(End of Story)

英語体験編(No.8/Part 1) 僕の英語学習(第三話)

2007-09-12 | Weblog
「僕の英語学習~焦りと苦悩、そして挫折の日々~」(第三話)

<ほろ酔い学習法(Part 1)>

 ある時、どこかで「お酒を飲んだら舌の回りがよくなる」と聞いた僕は、「え?じゃあ、ひょっとして、お酒を飲めば、英語もぺらぺらしゃべれるようになるのでは?」と、この方法を極めて浅はかな考えから実践しました。やり方は至極簡単。お酒を飲んで、ちょっと酔ってきたかな~と思ったら、英語の勉強を始めるのです。英文を読む。できるだけネィティブっぽく読み、誰かに話しかけるようにする。もちろん、独学なので、一人っきり。話し相手がいるつもりで話すわけですね。あ、やってみようとする人は、場所をよく考えてするように。くれぐれも、居酒屋さんではしないように…(あ、誰もしないか)。
 
ある日、大学から家に帰った僕は、夕食が終わるとすぐ、ワイングラスを食器棚からおもむろに取り出し、そそくさと勉強部屋へ向かいました。英語の雑誌をカバンから取り出し、どこを読むかを決定します。次に、隠していたワイン(あ、一応20歳です)を思考錯誤の後開けると、これで勉強準備万端です。僕はワインをなみなみとグラスに注ぐと、ゆっくり、でも、確実なペースでワインを飲み始めます。アルコールが身体にじんわりとしみ込んでいくのをしっかり感じながら、5分、8分、10分と、ほろ酔い気分になるのを待ちました。

顔が熱くなり、頭がぼうっとなってくると、もう、こちらの思うつぼ(?)。「よ~し、ほろ酔い状態。準備完了!」僕は徐々にうつろになりつつある目を見開き、英文を読み始めます。少しづつ、でも確実に見にくくなる英文に一所懸命焦点を当てながら、音読を続けます。しかも、そう、誰かに話しかけるように…「You know what? I understand what you are thinking about, but, you got to be careful…」「ん~、確かに舌は滑らかになってきたなあ~」そう感じつつ、さらに読み続けます。すると、「あ、なんか、舌がもつれ始めてきたような…いかん、はっきり発音せねば」と語気を強めて発音する僕。すると、話し方が、その身振り手振りが、な、な、なんと、アメリカン!(?)いえ、つまり、映画とかで見たアメリカ人の俳優の動き、話し方が頭に浮かんで、自然とその真似をしていたわけです。え、ただの酔っぱらいじゃないかって?まあ、他人の目にはそう見えますよね(ホント)。でも本人は本気の勉強中なのです。しかし…です。しばらくすると、なんと思いもせぬ異変が…。「ん、地震か?何か家が揺れてるような?」そう、地震!なわけないですよね。天井が回り始め、気分が悪くなり、僕は完全に酔っぱらってしまったわけです。もちろん、そうなると英語の発音どころじゃありません。出るのは意味の無い声ばかり。横になり、その苦しみが通り過ぎるのをじっと我慢する僕の横をふと見ると、そこには、あの英語の雑誌が開いたままありました。ぼんやりした視界の中に飛び込んで来た英文が、僕に話しかけます。「What are you doing, kid? Are you crazy? Grow up!」「ん、なるほど…。」その後の記憶?ありません。

え~、若干の脚色が入った点はご容赦を(^^)。さて、皆さんはこの学習法の結果を知りたいですよね。え?もうわかってるって?効果がない。ただの酔っぱらいを一人作っただけ。まあ、何と手厳しい。実はこの実験には、大きな誤算があったのです。というか、よく考えれば、わかってたんですけどね、事前に。それは、そもそも僕がアルコールに弱いということです。ですから、ほろ酔い気分になるにはなるのですが、その時間が、まあ短い(特に当時はね)。すぐに低迷状態になるので、僕にこの実験はもともと向かなかったわけです。なので、この学習法は僕には向かなかった、ということですね。

え、それで終わりかって?じゃあ、お酒の強い人には効果があるのかって、ですか?答えは、多少遠慮がちの、Yesです。お酒(アルコール)は英語学習の助けになり得ます。それはなぜか?この答えは次回にしましょう。長くなると読むのが大変でしょ。その間、答えがYesとして、それはなぜなのかを、皆さん是非考えてみてください。そして、僕の答えと比べてみてください。では、次回をお楽しみに!(ちょっと無理矢理引っ張って、I am so sorry…)See you next time, everyone! Wanna have beer?

(End of Story)

英語体験編(No.7/Part 2) 僕の英語学習(第二話)

2007-09-11 | Weblog
「僕の英語学習~焦りと苦悩、そして挫折の日々~」(第二話)

<睡眠学習法>

ある時、僕は人の記憶についての本を読み、考えました。「これは英語の勉強にも使えるかも?」と。考え方はこうです。ものを覚える(記憶する)時、寝る前にその努力を精一杯する。そして、寝る。すると、それは寝ている間も記憶の貯蔵庫に残り、他のことを考えていないわけだから、邪魔されずにそのままの状態でいる。しかし、そのことを意識的に記憶に留める努力はしていないので、その情報は時間の経過とともに徐々に薄れ、忘れ去られていく。しかし!です。7~8時間寝て、朝起きた後にすぐに再度覚える努力をすれば、その情報の記憶は強化され、その固定率が高くなり、覚えたいものが覚え易くなる、というものでした(そんな感じだったような?)。

そこで僕は英語の文(例えばEnglish Journalにあるインタビューものとか)を読み、その意味を理解すべく努力し、その後はヘッドフォンを頭につけてカセットを聞きながら寝ることにしたのです。え?うるさくて眠れなかったんじゃないかって?まあ、そんなこともあったような…でも、その頃は英語がうまくなるためなら何でもするぞ、って感じでしたから、気にならなかったです(笑)。

僕は眠りに入る時も、ぎりぎりまで聞こえてくる音(英語)に集中し、いつしか眠りの中へ…。朝起きると、当然カセットは止まっており、ヘッドフォンは枕元のどこかに行方不明。「ん?」と、寝ぼけ眼で手探りしてヘッドフォンを探し当てると、それをおもむろに耳にあて、テープ、オン!(Welcome to the English Journal. Today we are going to…)目を再度閉じ、ぼんやりとしたまま昨晩聞いた英語を再度しばし聞く…眠くなる…「あ、いけね。起きなきゃ!」はたと時計を見て現実に戻り、慌てて飛び起きる。これが当時の僕の典型的日常の始まりでした。あ、鏡に写る自分の顔の一部にへこんだところがあったり、耳が変形していたりは、ご愛嬌ということで…(イタッ)。

さて、その成果はいかに?う~ん、なんとも…。特にそのことで英語力が大きく伸びたと感じたことはなかったですね、少なくとも。でも、その朝の目覚めの後に通学の2時間が待っており、その間ヘッドフォンをつけっぱなしだったわけですから、気分的には英語浸けになっている感はありましたね。そうしている自分が他の連中と違う世界にいるような気がして、何か誇らしげな気持ちになっていたこと、また、そうすることで自分はアメリカ人(その時は英語=アメリカ人でしたので)になるんだって、本気で考えていたふしがあったこと(笑)を、今は懐かしく思い出します。まあ、ナイーブでしたね、ホントに。

この睡眠学習自体が効果的であるかはともかく、このやり方から、いくつか英語学習に大事な、また、効果的な学習上のポイントが見て取れるので、以下にまとめてみました。

1)英語の脳を作ろうと努力、あるいは、意識すること。
2)英語のインプット(頭に入れる=聞く)の量を出来るだけ多くすること。
3)英語を聞く時はリラックスしながらも、集中すること。
4)ネィティブになりきること。

え?4番はおかしいですって?いえいえ、これが結構大事なんですよ、初心者にとっては。英語なんて、僕たちにとっては結局外国語でしかなく、英語が公用語に指定されている国や、英語が日常に溢れている国と違って、日本人にはそれを使う(あるいは聞く)機会も極めて限られているし、ましてや、その文化も持っていない。特に言語は文化と一体ですから、英語を自然に使えるようになるためには、その文化的色合いを、多かれ少なかれ、自らも持つことは必要不可欠なわけです。そしてそうすることは、英語の脳を作る助けにもなります。

あ、もちろん、ルー(大?)さんのようになりなさいと言ってるわけではないですよ(笑)。でも、最初はそれくらい大げさに異国の文化を取り入れる努力をしてもいいということです。恥ずかしい?日本人の前ではそうですよね。だから彼はコメディアンでいれるわけです。あれが日常なら、へたすればどこかへ入れられちゃうか、あるいは、誰もそばに寄ってこない…。でも、例えばアメリカであんな言い方したらどうでしょうね~?まず、問題ないです。話す内容さえ英語でしっかり出来ていれば(チャンポンじゃなくネ)、あんな話し方でも、いや、その方がむしろ自然なコミュニケーションが出来るかもしれませんよ。ラテン系の人達でいますからね~、もっと派手な人達が。「相手が自分の言ってることがわからないのは、自分の英語が悪いんじゃなくて、わからない相手が悪い!」とばかりに自信を持って話す国の人達ほど、英語の進歩が早いんですよね~。これ、ホントですよ。

さて、今回のお話、いかがでしたでしょうか?僕がやったこと、一度トライしてみようと思いました?僕の頃はカセットプレーヤー(しかも結構大きい…)、今はiPod時代です。その気になればいつでも英語が聞け、見れる。しかも軽いですから、枕元でも大丈夫。問題があるとすれば、朝の手探りが多少長くなるくらいかな?

英語学習法の効率は、人のよって違います。それは、人の学習戦略(learning strategies)が脳の違いによって異なるためです。なので、いろいろなことを試行錯誤することが大事です。そのうち、「あ、これ、自分に合ってる」と思えるものが、いくつか出てくるはずです。でも結局何をしても、マイナスにはならないので、やる時は精一杯やってみてくださいね。では、今回はこのへんで。このシリーズ、もうちょっと続きそうで~す(ネタ、ネタ…)。次回をお楽しみに!Bye-bye,guys!

(End of Story)