つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

母親殺害事件、少年Aと少年B・・・

2006-09-02 | Weblog
 涼しい秋風が心地よい今朝、今日こそいいニュースをと期待してテレビのスイッチを入れたが、いつもとあまり変わりないことばかり。唯一ホッとするのは、高校球児の斎藤君、田中君のアメリカでの活躍の様子だ。それに引き換え、亀田興毅の初防衛戦が決まり、会見をやった場面、相変わらずのビッグマウスに不愉快な気分になった。「アイツごときに……、寝てても勝てるよあんなヤツ」とは、恐れ入った。高校球児の礼儀正しさとは対照的な傍若無人ぶりは少しも変っていない。悪いが、一度こっぴどく負ければいいとさえ思う。

 それにしても不可解なのは、稚内市の母親殺害事件の少年Aと、30万円で殺害を実行した少年Bだ。表面的に見れば、年頃の少年の不満が高じた短絡的な事件に見えるが、色々複雑な環境の変化が起因しているらしい。
 今朝のテレビでは、二人の少年を対比して事件に迫ろうとしていたが、本当のところは何も見えない。ただ、二人とも両親の離婚という似た家庭事情があり、同病相哀れむの気持ちから引き合うものがあったのか、仲良くなったという。
 少年Aは、中学卒業前に家出して、母親や近隣の住民たちが捜索のため大騒ぎしたことがあったらしい。だが、父親からの連絡で、神奈川県の父親の元へ行ったことが判明。どういう事情か分からないが、また母親の元へ戻ってきた。父親に好きな人ができて離婚したらしいが、少年が父親と暮らすことに何か不都合があったのだろうか。姉はもう独立しており、現在父親は新しい妻と二人暮らしか? だとしたら、少年の心の内は、父親に対する不信感と絶望感が芽生えても無理はなかろう。父親も母親も自分たちは納得して離婚したのだろうが、思春期の少年の傷ついた揺れる心を理解しようとしたのだろうか。また、だれも力になってやる者はいなかったのだろうか。あと2年もすれば高校卒業だ。独立して母親から離れることもできただろうに、少年の軟弱さと短絡的な行動が悔やまれる。
 また、少年Bは両親の離婚後、自分の意志で父親と暮らすことを選んだという。だが、その父親が今年始め頃、一通の手紙を残し行方をくらまし、挙句が、車の中で自殺していたという。その手紙が後悔されたが、少年への詫びと自分を支えてくれたことへの感謝の気持ち、少年への愛情が十分感じられる文章であった。その手紙をみた少年Bの心中はどうであったろうか、少年Bのその後にどう影響しただろうか。
 その後、少年Bは母親の元で暮らすことになったそうであるが、ここでもまた大人の身勝手さで環境を変えざるを得なくなった。父親の自殺は相当のショックであったろう、その失意の少年Bをだれが支えてやったのだろうか。
 表面的には、殺人を簡単に請け負ったバカな少年に思われるが、大人の身勝手さに心身ともにほん弄された少年B。少年Aも大人への不信感、不満を解消するすべのない孤独さに、「全てのリセットしたかった」とは…。二人の結びつきがお互いの境遇が似ているからではなく、本当の友情で結びついたものなら、こうしたことにはならなかったのではないだろうか。表面的なところだけ見て、精神的自立のできない軟弱な少年たちと責めることはできないと思った。
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