わが購読紙に、週1回掲載されるのが、飛鳥圭介氏のエッセイ「おじさん図鑑」である。このエッセイ集には、オバサンも「ウンウン」とうなずくことしきり、というのがたくさんある。
先日の〔見て、みたいな〕というのがおもしろかったので、原文のまま紹介しよう。
『最近、テレビでよく聞く耳障りな言葉がある。おじさんが好きな旅番組などに多いのだが、女子アナやタレントが大げさな身振りをまじえて言う。
「見てくださーい、スゴーイ、これ!」または「見て見て、何なのこれ!」
驚きや感動を視聴者にアピールしたいのだろう。が、おじさんはビクともしないぞ。「やかましい!」と思うだけ。「見て見て」などと、子どもが親に話すように言うんじゃないよ。話し言葉のプロなんだから、感動や驚きをきちんと言葉にして伝えなさいよ。
さらに「見て見て…」に続けて、「うわー、思わず涙、涙!? みたいな」とか「すっごーい、マジ感動!? みたいな」と言う。ここでおじさんは必ず顔を真っ赤にして、こう反応することになっている。「みたいな、何なのだ!」
「みたいな」は、例えば「鬼みたいなおじさんの怒り顔」という具合に、「みたいな」の次に来る言葉がなければならない。それがないと、おじさんはグッと息が詰まる!? みたいな状態になるのだ。あげく妻に向かい「見て見てこの女子アナ、バカじゃないか!? みたいな」とまねをし、「みたいな、何よ」と頭をはたかれた』
筆者のエッセイスト「飛鳥圭介」はペンネームだそうで、どんな人物かネットで調べたが、資料が見当たらない。東京在住の通信社役員で56歳。お酒の話がよく出るように居酒屋に行くのが好きだとか。日本100名山のうち「80ほど登った」というだけあって登山の話題も多い。一昨年だったか、購読紙の新聞社主催で講演会が開かれたが、オバサンのファンが多く、大盛況だったという。
もう一つ、〔今在る自分〕から。『大金持ちの人から、「金銭で幸せは買えない」などと言われたら、わしらカチンとくる。「試してみたいから、あなたの財産を私にくれませんか」。たぶん大金持ちは、哀れむような目で一べつすると、何もくれずにその場を去るだろう。
大変に貧しくその日の生計にも苦労している人が、「人間、清貧が何よりだ。貧しいからこそ精神は高潔なのだ」と言うと、なんだか負け惜しみめいて聞こえる。こういう人が、何かの拍子に大金を手に入れると清貧はかなぐり捨て、濁富におぼれたりしそうだ。大変な高学歴の人が、「学歴なんかくだらないね」などと言うとだれだってムッとする。
今在る自分の居場所を、正確に把握している人は、自分を飾らない。ありのまま、身の丈で生きているから偉そうにしない。自慢しない。卑下しない。それを立派だとも思わない。「そんな人はこの世にいないよ」って、そんなことありません。いるよ。今、これを読んでいる(有名人でない)あなただ』。
いかがですか? ネットで、この「おじさん図鑑」エッセイ集を探したが見当たらない。本にまとめて出版されてないのだろうか。
先日の〔見て、みたいな〕というのがおもしろかったので、原文のまま紹介しよう。
『最近、テレビでよく聞く耳障りな言葉がある。おじさんが好きな旅番組などに多いのだが、女子アナやタレントが大げさな身振りをまじえて言う。
「見てくださーい、スゴーイ、これ!」または「見て見て、何なのこれ!」
驚きや感動を視聴者にアピールしたいのだろう。が、おじさんはビクともしないぞ。「やかましい!」と思うだけ。「見て見て」などと、子どもが親に話すように言うんじゃないよ。話し言葉のプロなんだから、感動や驚きをきちんと言葉にして伝えなさいよ。
さらに「見て見て…」に続けて、「うわー、思わず涙、涙!? みたいな」とか「すっごーい、マジ感動!? みたいな」と言う。ここでおじさんは必ず顔を真っ赤にして、こう反応することになっている。「みたいな、何なのだ!」
「みたいな」は、例えば「鬼みたいなおじさんの怒り顔」という具合に、「みたいな」の次に来る言葉がなければならない。それがないと、おじさんはグッと息が詰まる!? みたいな状態になるのだ。あげく妻に向かい「見て見てこの女子アナ、バカじゃないか!? みたいな」とまねをし、「みたいな、何よ」と頭をはたかれた』
筆者のエッセイスト「飛鳥圭介」はペンネームだそうで、どんな人物かネットで調べたが、資料が見当たらない。東京在住の通信社役員で56歳。お酒の話がよく出るように居酒屋に行くのが好きだとか。日本100名山のうち「80ほど登った」というだけあって登山の話題も多い。一昨年だったか、購読紙の新聞社主催で講演会が開かれたが、オバサンのファンが多く、大盛況だったという。
もう一つ、〔今在る自分〕から。『大金持ちの人から、「金銭で幸せは買えない」などと言われたら、わしらカチンとくる。「試してみたいから、あなたの財産を私にくれませんか」。たぶん大金持ちは、哀れむような目で一べつすると、何もくれずにその場を去るだろう。
大変に貧しくその日の生計にも苦労している人が、「人間、清貧が何よりだ。貧しいからこそ精神は高潔なのだ」と言うと、なんだか負け惜しみめいて聞こえる。こういう人が、何かの拍子に大金を手に入れると清貧はかなぐり捨て、濁富におぼれたりしそうだ。大変な高学歴の人が、「学歴なんかくだらないね」などと言うとだれだってムッとする。
今在る自分の居場所を、正確に把握している人は、自分を飾らない。ありのまま、身の丈で生きているから偉そうにしない。自慢しない。卑下しない。それを立派だとも思わない。「そんな人はこの世にいないよ」って、そんなことありません。いるよ。今、これを読んでいる(有名人でない)あなただ』。
いかがですか? ネットで、この「おじさん図鑑」エッセイ集を探したが見当たらない。本にまとめて出版されてないのだろうか。
古いブログを読んでくださり、またコメントをありがとうございます。
飛鳥氏のエッセイにはユーモアがあって楽しいからファンになり、毎週「おじさん図鑑」を楽しみにしています。でも十人十色、受け取り方はそれぞれでしょう。まして仏教など専門分野となると、私もまったく知識不足、書かれているとおりを信じるかもしれません。
今の情報過多の時代、どんな一流新聞の記事でも絶対に正しいとは限りません。後は自分で判断するしかないのでは、と思います。
私は飛鳥さんのエッセイで私の知らない事について そのまま受け取取っていましたが、少し心配になりました。
エッセイがあまりにも違うので申し上げたいと思いました。多分お返事は頂けないと思ってしまいます。
古いブログをよくぞ探して下さいました。コメントも有難うございます。
「よろしかったでしょうか」というのはファミレスなどで注文したときによく聞きます。多分「これで終わりですか」というような意味でしょうね。
丁寧な言葉を使っても、それが耳障りに思うこともあり、言葉遣いってむずかしいです。
寒さとコロナ、大変な時期ですが、どうぞお元気でお過ごしください。
初めまして。古い記事にコメントありがとうございます。北海道の方ですか?
「おじさん図鑑」は当地のローカル新聞に週1でもうながいこと続いています。
思わず笑ってしまうことがあって、楽しみに読んでいます。
ところで、飛鳥氏のプロフィールを探しても分からないのですが、ご存知ですか? 何でもサラリーマンだとも…。
「空から白い物が舞い落ちる北国より」、なんてすてきな表現でしょう。ロマンを感じます。
本格的な寒さがやってきます。お元気でお過ごしください。ありがとうございました。
はじめまして。ふといつも読んでいる、飛鳥圭介さんの『おじさん図鑑』について何気なく検索していたら、こちらのオールドレディーさまのブログにたどりつきました。
『おじさん図鑑』は、そうだよね、と思うときも、うーん、どうなのかな、と思うとき色々ありますが、小気味よい感じが面白くて拝読しております。
実は北海道のローカル紙で読んでいるので、岡山にお住まいのオールドレディーさまが、なぜご存知なのか、?マークでしたが、全国のいろんな新聞で連載されているんですね、きっと。
空から白い物が舞い落ちる北国より、お邪魔しました。
長文駄文失礼しました。
ご自愛下さいませ
古いブログを読んでいただいてありがとうございます。
そうでしょう。もう何年続いているでしょうか、毎週1回の連載を楽しみに待っています。辛口な文章が痛快ですよね。
昨今のテレビアナはタレントと言ったほうがいいようで、昔のアナウンサーほどきちんとした言葉遣いのできる人が少ないように思います。
「親しき仲にも礼儀あり」ということが忘れられているようです。若い人の間で、意味不明な新語がたくさん生まれてきて、私など分からない時があります。
話し方を見ればおおよその人柄がわかりますね。そして言葉遣いにもTPOが大事だと思います。
言葉遣いも大事ですが、話の内容が貧困で会話が続かないのもイヤですね。
有難うございます。向こう意気だけ強いのですが、そろそろ体力の方が…。次のぞろ目くらいまでは頑張りたいと思います。
お久しぶりですね。ブログの更新がないので御用繁多でいらっしゃるのかなと思ってました。
「身の丈で生きる」、それが一番です。何事も自然にあるがまま、そういう生き方ができたらと思いますが、凡人の悲しさで煩悩が多すぎます。
まあ、人生が達観できる頃は、お迎えの時期でしょうね。
若い子だけじゃなく中年のオジサン、オバサンのタレントもひどいものです。たけしの「コマネチ」なんていうのもその類です。「マイウ」はタメ口(仲間内の言葉)です。気にしてるとNHKのニュースしかテレビは見られなくなります。このごろはテレビを見る時間が減りました。
でも若い子の言葉、気にはしてません。よく言う「ちょう!ウメ~ッ!」なんてこの子は先輩の前では言ってないでしょう。タレントがよく言う「お母さん」アレも日常、目上の人の前では「母」と言ってるでしょう。プロダクションの計算と思えます。
自分の仲良くしている人達は、そういう話し方はしないですね。
もしいたとしても、余り深く付き合っていないと思います。
お伝えするのが遅くなってすみません。
応援BBSで、皆さんからの“林一歩警部へのお悔やみの言葉”を書いて頂いた分も、印刷して親御さんにお渡ししました。
お時間がある時にでも、読んで頂けたらいいですね。
本当にありがとうございました。
宜しければ相互リンクをお願いしてもいいでしょうか?
よろしくお願いします。
昨日は、お誕生日とのこと、おめでとう御座います。
何時も、ぞろ目の影の片鱗も見せぬ、エネルギッシュなブログに敬意を表しています。
これからもお身体ご自愛になり、心の滋養をお与え下さい。
身の丈で生きることが出来たら素晴らしいですね。
驕らず高ぶらずに、謙虚に生きることも・・・
我々の年になって、達観できることって多いですね。
人との縁によって、育まれた感性が、純粋に保てるよう心掛けたいものです。
一寸、そんな思いが過ぎりました。
昔ラジオで女性アナが「宮内庁」を「みやうちちょう」と言ったのには驚いたし、今でも忘れることができません。
私は2つ目の話にとても共感したし、おもしろいでしょう。人間の本質を見事に言い当てているとおかしくなりました。
わが購読紙の本社へ照会したら、本になっているかどうか分かるかもしれません。一度聞いてみます。
その中でも「みたいな」は頻繁に出てきます。聴いた途端に「軽い頭の中」を連想します。
「おじさん図鑑」のエッセイ集が有ったら是非読んでみたいです。