大阪市立桜宮高校体育科の入学試験について、大阪市教育委員会は21日、体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止し、普通科に振り替えて行うことを決めた。 ただし、実技も含め、2つの学科と同じ試験科目と配点・日程の普通科(同120人)の入試を、3月に実施する従来の普通科(同160人)とは別に実施するという。しかも、入学後はスポーツに特色のあるカリキュラムを学ばせるというのだが、これでは単なる看板の架け替えでしかないように思える。
結局、募集中止を求める橋下市長の面子を立て、募集継続を求める保護者らにも配慮し、とにかく事を穏便に収めたいということだろう。まるで大岡越前の「三方一両損」の話を思い出させるような決定に、全く関係のない私でも何だかすっきりしない。しかし、橋下市長は「教育的な視点からすばらしい決定をしてくれた。これで、再生に向けて本気で改革が始まると思う。そのスタートが切れた」と述べたが、どうやら悦にいっているのは橋下市長一人だけのようである。
私の独断と偏見で言わせてもらえば、この市教委の決定に、一番ホッとしているのは橋下市長ではないだろうか。このご仁は、自分の発言に反発されるとよけいに熱くなるきらいがあり、「僕が間違っていたら選挙で落とせばいい」「入試をやめるといったら、やめる。受験生を右往左往させないため、保護者は別の道を考えさせるべきだ」と激しい口調でまくし立てたという。
彼は自分の発言がこうも大きな波紋を呼び、反発されようとは考えてもいなかったに違いない。独善的、傲慢、横暴という言葉で批判されるようになっても、今さら振り上げた拳を下ろすわけにはいかない。が、彼もしょせんは政治家、世論を無視することはできず、どこかで拳の下ろし所を模索していただろうと思う。
幸いにも、予算を人質に取られて困った市教委は、橋下市長の面子を保つ選択をしてくれた。そこで彼はここいらが潮時とばかりに、「すばらしい決定」と市教委を持ち上げ、鉾を収めたのではないかと思う。その証拠に、記者団が「市長が求めていた高校の教師の総入れ替えはどう考えているのか」と質問したのに対し、橋下市長は「教育委員会がしっかり考えてくれると思う」と述べるにとどまった。また、新たに入学する生徒の教育内容について「今のカリキュラムの中身を総点検して、新しい理論とか、スポーツマンシップを盛り込んだものを作ってもらいたい。具体的な教育内容は、教育委員会が作るのを待ちたい」と述べたという。おそらく、今後は余計な介入は控え、市教委に任せるということのようだが、最初から彼が介入しなかったら、これほど大事にはならなかったかもしれない。
橋下市長は自分の面子は保てたのだからこれでよし。あとは市教委が何とかやるだろうということで済むが、大人だけが納得しても、果たして当事者である受験生、在校生は納得できただろうか。すっきりした気持ちで受験に臨めるだろうか。新入生と在校生が一つになり、再生に向けて本気でがんばろうという気持ちになれるものだろうか。大切なのは子どもたちの気持ちだろう。
それに、体罰を苦にして命を絶った少年も、こんな結果は望んでいなかっただろうと思う。何の関係もない受験生や、ここまでしなくても…と思う人たちの、少年の死を悼む気持ちが薄らぐようなことがあってはならない。そのためにもごく普通に入試を実施し新学期になって、教師や生徒みんなが気持ちを一にして、少年の死に思いを馳せながら学校再生に努力してゆけば、きっと学校は変わるのではないかという気がして、こうした決定を残念に思う。橋下市長のやり方はあまりに性急すぎたのではと思うと同時に、自身には責任がないかのような言動に腹立たしさと不信感を覚える。
弁護士の早川忠孝氏は、「如何にも力でねじ伏せたような印象があり、甚だよろしくない。橋下氏は市政を与る最高責任者として本来は学校長や当該教員に代わって謝罪し、責任を取るべきであるのに、いつの間にか教育委員会や学校長や学校の教職員を非難する側に回っている。」とブログに書いているが、まったくその通りである。
私も橋下氏が維新の会を起こした当初は、彼を応援した1人だが、あの大飯原発再稼動問題で、断固反対から中小企業経営者の反発であっさり容認に転じたときは、彼の変わり身の早さにおどろいた。私も再稼動容認派だが、簡単に自分の主張を変える彼には失望させられた。そして、今回の体罰問題でも、橋下市長の発言は大きくぶれていることがわかった。
どうも彼は、その場その時の思いつきでものを言っているようなところがあり、彼が一層信じられなくなった。今回のことで維新の会への1票が確実に減ったネ。
寒い中、お疲れ様です!
入試問題、私も同意見ですね。
今回のことは入試ではなく、教師の生徒への指導の仕方に問題があります。
その点が改善されなければ、また同じことが起こるのではないでしょうか?
命をたった少年の問題は置き去りにされ、入試問題ばかりが議論されて、それで大人たちが納得すれば一件落着というのはあまりに無責任です。
今回の橋下市長のごり押しで、犠牲になったのは亡くなった少年だけでなく、多くの受験生や在校生も犠牲者だといえるでしょう。
校長と体罰に関わった教師を排除して、新学期から市教委や監視委員のもと、子供たちとともに学校再生にがんばればよかったのではと思います。
これでは受け入れる器を変えても中味まで変えることは無理かと。やはり教師・生徒の気持ちが一にならなければ変わらないのでは。
今は反発心を抱えた生徒たちの心のケアが必要でしょう。
今回の橋下市長のやり方へ性急すぎます。自身には責任がないと思っているのでしょうか。
部員の代表として彼が暴力を受け、命まで落としたのに。
悼む心もなく、まだ彼の指導を受けたい??。
クラブ員の喫煙などで、全国大会など自粛する学校もあるのに。いったん廃部にして関係者一同頭を冷やし「彼の苦しみ」をしっかり受け止めてほしいとおもっています。
告訴するまでもなく、彼のは暴力ですから。
在校生、保護者の意識改革が必要なことはもちろんです。が、人間はとかくやり場のない気持ちをとんでもない方向に向けることがあります。それこそ少年の死を悼むどころか、彼のせいにすらしかねません。そういう人たちが「嘆願書」をだすのでしょうね。
校長は更迭が決まったそうです。顧問だって無事ではいられないでしょうが、警察の捜査の結果次第でしょうが、本人から辞職願を出すのが筋だと思います。
今では体罰で命を絶った少年がいたという事実より、「入試中止」問題の方が主となったような気がして、何だか割り切れないものが残りました。
何だか橋下市長の政治ショーを見せられたようで不快です。
土壌汚染を取り除くことが先決で、受験生には入学前に発覚してよかったと何故保護者も説得しないのでしょう?
スクラップ&ビルドです。
メディアも市長の会見を結果だけ放送するけど、プロセスをしっかり伝える事も必要でしょう。
おっしゃることは分かります。が、体育科を普通科に変更して、試験科目も日程も別、合格後は普通科とは違うスポーツに特色あるカリキュラムを実施するというのでは、どこがどう違うのでしょう。
土壌汚染を取り除くというのは、事実を隠した校長や体罰をした全ての教師、それを黙認した教師などを取り除くことではないでしょうか。
今回の決定で、土壌汚染を取り除くことができるのでしょうか。それなら完全に入試中止とすべきだと思います。
ここでいう土壌というのは教職員を含めた学校全体をいうのではないかと思うのですが、校長を更迭しただけで何が変わるのか分かりません。
生徒の意識改革も必要ですが、生徒は学校の方針に従い、教師の指導のもとに動きます。学校そのものが変わらなければ意味がないように思います。
橋下市長はツイッターなどで、「自分のところに上がってくる情報では…」と書いていますが、その情報というのを全て開示して、学校がどういう状態にあるのか、これからどうするのか、みんなが納得するように説明をすべきではないでしょうか。
自分の言うことが一番正しいといわんばかりの発言は、人の心には響きません。
その通りです。それをしようとしない市教育委員会に業を煮やした市長が、おこっているのです。
「体育科はなくなったけど普通科で学び、体育授業のカリキュラムも作る」と言っています。これは「看板の書き換え」とは意味が違うのに全く理解できない保護者がいるのですね。
人の悼みも分らない部員の意識改革もなく監督を変えてもダメですね。新入生は救われたのかも・・
人には好き嫌いがあり、教師にも好き嫌いな生徒がいるでしょうし、生徒にも好き嫌いがあり、好きな先生から叱られるのと嫌いな先生から叱られるのとは感情的に大分違うと思います。
また、教師も自分の感情で相手によって手心を加えるということもあるかと思います。どこまでが体罰か、受け取り方によって大分違うのではと思います。
「体罰は悪いこと」と教師、生徒、保護者全員が同じ意識を持つことが大事だと思いますが、体罰を全く受けたことのない生徒はさほど真剣に考えないだろうし、全体の意識改革というのは難しいでしょうね。
今朝のフジテレビの情報番組で、この問題について有識者たちで討論しました。賛否両論でした。
ただ、大人たちが納得できる解決策であっても、体育科で専門的な勉強がしたいと、この学校を目指して頑張ってきた受験生の気持ちはそんなに簡単なものではないと思うのです。
これまでどおりに実施し、新入生を受けれた上での解決策が本当になかったのか、そんな分別のある大人がだれもいないということに失望しています。
橋下市長がこういう誰にもできないことを、自身が率先してやろうと言ったなら、市長の人気度は抜群に上がったでしょうね。
体罰を受けたらすぐに声をあげること。そして学校、市教委は徹底的な調査をすること。体罰をした教師は懲戒解雇という法令を作ること。第三者による調査委員会も必要でしょうね。
これからも体罰は起こりうるという前提に物事を決めているように思うのですが、教育体制を変える、学校の土壌改革、体罰への意識改革、これらは新入生がいてはできないことなのでしょうか。
オールドレディーさまのご意見と殆ど同じ気持ちです・・・。
もう、やりきれない思いでいっぱいになります、本当に・・・。