たった一つになった柚子、枝に挟まったまんま。落ちればやがて朽ちて土に返り肥料になるだろうに…。落としてやりたいが間に溝があって近づけない。鳥が来てちょっとつついてくれたら落ちるだろうに、鳥さえ見向きもしてくれないとは、何だか哀れを誘う。
五輪組織委会長に橋本聖子氏が就任した。人選にはあまり関心はないから誰でもいい。が、これにはなにかウラがありそう。彼女は自民党を離党したが、議員辞職は否定。これを聞いてまず思ったのは「仕事もしないで議員報酬をもらうのか?」だった。
当初、彼女は会長就任を固辞していたが、一転して受け入れた理由とは何なのか。長年築いた自民党参院議員の肩書、五輪担当大臣のポストを手放して会長職に就任しても、新型コロナで五輪が中止となれば、政治家から一転、無職になってしまう。その後の選挙に立候補しても元の国会議員に戻れる保証はない。彼女にして見れば人生を左右する難しい決断だったろうし、だれしも損得を考えるのは当然である。
しかし彼女は会長職を受諾、無報酬とした。自民党を離党し、今後は無所属議員として活動するという。無所属議員なんて、実施的に何の役にも立たない。発言の機会もないし、国会ひな壇のお飾りに過ぎない。何でも彼女には金銭的な問題があったとか。
組織委会長の報酬は最高で2400万円、しかし期間が限られている。一方、離党して無所属議員になっても年間2000万円超と文書通信交通滞在費100万円、その他国会議員には多数の特権がある。これらを手放すわけにはいかなかったのだろう。
五輪開催まであまり時間はない。是が非でも橋本氏に会長職を受諾させたい政府は、両立はあり得ないと分かっていながら「二足のわらじ」を容認せざるを得なかったのだ。それに五輪後に自民党に復党、重要閣僚のポストが約束されているという噂も流れているとか。この政府との「密約」がなければ彼女は絶対に会長に就任しなかっただろう、と私は思っている。
国会議員は組織委会長の片手間にやれるような仕事ではないはず、どちらが主務になるのか。よもや国会には採決時だけ出席するというのだろうか。そうでなくても現在、国会は菅総理の長男の問題で攻防が激化、そのうえ野党に新たな攻撃材料を与えることにでもなったら大変なことになる。
それにしても何もかも不透明なことばかり。人選に透明性を期待する方が無理、それを改めて認識したわ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます