つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

「心あるモノ言う犬」・・・

2021-10-16 | どう思いますか

 今朝の空はイマイチ、でも9時ごろから晴れてきたよ。

 今、野に咲く花は野菊だけ。可愛い!

 矢野康治財務事務次官が2021年10月8日発売の月刊誌に『財務次官、モノ申す「このままでは国家財政は破綻する」』という記事を寄稿した。矢野氏は記事で、『近年は「バラマキ合戦のような政策論」ばかりになっており、「国庫には無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてきます」と述べている。同氏は日本の財政状況について「本当に危険だ」としており、公務員として決定する立場にはないとしながらも、「心あるモノ言う犬」として、言うべきことは言う』と主張している。
 この記事について、岸田首相や高市政調会長は強い不快感をあらわにしたという。そして、高橋洋一(元大蔵・財務官僚、経済学者)氏は、ネットに『財務事務次官「異例の論考」に思わず失笑…もはや隠蔽工作レベルの「財政再建論」』という記事を書いている。自分がそれほど偉い人間なのか、「失笑」とは少々失礼ではないか。
 またある専門家は「ただ財務省の大義である財政収支均衡だけ言い立て、経済成長の視座が少ないのは片手落ち。掲載月から衆院選に影響を及ぼそうとしたのではとの疑念も拭えない」と言っている。
 私はこの記事を読んで、専門的で難しい部分があり、すべてを理解できたとは言えない。が、上記の矢野氏の主張には常々私もそう思っていたので合点がいく。それほど間違ったことを言っているとは思えないのだが、批判的な記事ばかりが目に付いて、私の考え方は間違っているのかと思うようになった。
 しかし12日、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は記者会見で「100%賛成」と述べて擁護した。国債の残高が1千兆円に迫る先進国で最悪の財政状況を「放っておいていいはずがない」とも言い、財政再建に向けた道筋を示すよう与野党に求めた
 また財務省の審議会委員でもある増田日本郵政社長も11日の会見で、「財務次官が述べている意見や考え方はあってしかるべき話だ。反対の方や違う意見の方もいるとは思うが、(寄稿を)きっかけにして、国の財政のあり方について議論がなされるのであれば、それはいいことだろう」と前向きに評価した。
 お二方の擁護論を読んで胸がスッとした。それにしても「心あるモノ言う犬」とは、矢野氏の覚悟のほどがうかがえる。岸田首相は衆院選前だから大ごとにしたくないだろう。が、選挙が終われば、あるいは更迭と言うことも考えられる。現役でありながら現政権に楯突いたのだから、それくらいは覚悟の上だろうが、なかなか言えることではない。その勇気には感服する。
 事務次官といえば各府省においてキャリアと呼ばれる高級官僚の中でも最高位のポストである。任期は存在しないが1年から2年とされており、それまでに勇退(依願退職)して後進に譲り、天下るのが慣例となっている。が、現政権に楯突いた官僚に天下り先があるとは思えない。これで官僚の人生が終わろうとも、これからも「心あるモノ言う犬」が真実を明るみに出してくれることを期待している。

 14日に衆議院解散。与野党はこぞって選挙公約を発表したが、各党いずれも10万円などの現金給付案を出した。公明党は親の所得に制限を設けず、18歳以下の子どもに1人当たり一律10万円給付を公約。連立を組む自民党は否とは言えないから「現金給付は実現したい」という。
 その上に消費税を5%に、いやゼロに、また廃止になどと、これが「バラマキ」でなくて何だろう。議事堂の裏庭には、きっと「ものすごく大きな金のなる木」があるのだろう…ネ。

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2 コメント

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金のなる木はございません (sirousagi gamanoho)
2021-10-16 17:38:56
国債発行で財政賄い!を続けていては国家破綻が次世代で現実化するのでは?
財政収支を云々してこそ、新しい知恵も湧くもの、1番に手をつけなければならない
「財政再建懸案」には蓋をして耳に快いばらまきばかり。
その源資は何処にあるのか?
与野党の口先公約に惑わされる事無くしっかり(議員さんの口癖?)見極めて投票に行きましょう。
心あるモノいう犬氏の更迭は有るのでしょうか?
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Unknown (オールドレディー)
2021-10-17 09:32:11
★shirousagi gamanohoさま
小泉政権下では財政健全化のため国債発行は30兆円以下を目標としましたが、年々増えて2009年度は52兆円。それが2020年度発行額は112兆円だそうで、国の借金が増える一方です。コロナ禍とはいえこれ以上のバラマキは国を亡ぼす、それが政治家には分からないのでしょうかね。選挙公約を聞いているともう投票する気もなくなりそうです。
ものいう犬がまだものを言い続けるかどうか、岸田首相の器の大きさが試されるときですね。 
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