久しぶりにはがき大のスケッチ用紙に水彩色鉛筆で絵を描きました。題材は正月に行った山口県長門市の、弁天島から見た日本海と灯台です。
私は海をはじめ、水のあるところの絵を描くのが好きでした。しかし昨年の津波で、水の恐ろしさをまざまざと感じ、しばらくそのような絵を描けませんでした。まだ、その恐怖感から立ち直られていない方も多いかと思います。なので海の絵を描くことについて、まったくためらいがないといえば、嘘になります。しかし、美しいものは美しい。実際被災地に住んでいらっしゃる方たちが、現在も海を愛し、たくましく復興に向けて頑張られているすがたを見て、自分もそろそろまた描こうと思うようになりました。被災地の方たちからみたら、浅はかな考えかた&きっかけと思えるかもしれませんが。外部から来たある方が被災地の方たちに「このようなことが起きなければ、ここは美しかったでしょうに」と話したところ、被災地のある方が「このようなことが起きてもここは美しいですよ」と答えた、という話が新聞かなにかに載っていたのが印象に残っています。
金子みすゝ゛さんが愛した弁天島より少し歩いたところから見た日本海です。白い灯台、そしてさらに彼方には黒い船が見えます。向こうに見える山々は青海島でしょうか?日本海といえば、荒々しい印象があり、実際に荒々しい海を見ることが多かったのですが、今年の正月の日本海は、本当におだやかでした。
水彩色鉛筆は、色鉛筆で描いたあと、希望に応じて水をつけた筆でとかし、水彩画のような雰囲気を出すことのできる、色鉛筆画と水彩画との両方を一度に楽しむことのできる画材です。この絵では海のところだけ、筆を使ってみましたが、さらりとした感じになりすぎてしまったかもしれません。