患者さん達にとっては、インプラント治療が最新の治療、と信じたいものなのでしょうが、実際には今のインプラント治療の原型は50年以上前から生まれ、1965年から人に応用されて、現在に到っているモノです。
それでも、実際の臨床の現場では、どうしてこう言う現象が生じているんだろう?と言うことに遭遇し、まだまだ分かってないことがあるんだな、と感じさせられるモノです。
今日も68歳の男性の患者さんで、以下のようなことがありました。
インプラント植立手術をして治癒期間を待って、骨とのくっ付き具合を調べるペリオテストと言う機器があり、そのデータで+1のデータが出ましたので、これなら大丈夫かなと思い、仮歯を作製することを始めました。
そうしたら、仮歯を支える土台部分をインプラント体に締結したら、ペリオテストの数値が+5とか+8とか、ちょっと悪いなと言う数値に変わってしまったのです。
非常に不可解でした。
つい10分前までは+1だったのが、土台部分を付けてしまったら+5~8に直ぐに変わってしまうんです。
でも一応一桁のデータですし、大丈夫だろうと判断して仮歯を作り装着して、又ペリオテストの数値を計ったら、今度はもっと悪い二桁のデータ+10とか14とかに落ちてしまったんです。
仮歯の素材のせいかも知れないですが、こんな大きな数字では患者さんにそのインプラントで噛んで良いですよ、とは言えません。
で、仕方がないので、せっかく付けた仮歯を外して、土台だけに戻して再度ペリオテストで計ったら、今度もちゃんと+7とか先程のデータの間位の一桁のデータに戻りました。
骨とインプラントの接着、統合の状態って、どうなってるのか?こう言う現象を経験すると、???になってしまいます。
治癒を待っている状態の時には、インプラント体だけで土台は付いてません。
それだと+1で、全然OK.
土台付けたら+5~8。
仮歯にしたら+10~14。
で慌てて戻したら+7とか。
測定機械の誤差?
計り方の誤差?
計る部位の誤差?
インプラントがしっかりと骨に付いているデータが出ていても、土台締結したり、仮歯付けたりすると、骨とインプラントの統合が緩む?としか私には考えられません。
何故かと言えば、インプラントに土台付けるにしろ、仮歯付けるにしろ、インプラントに回転力とか動揺とかが掛かっている、としか考えようがないからです。
ぺリオテストのような何時でも、どんな状況でも測定出来る機器だからこそ、なのかも知れません。
そうでないと、ペリオテスト+1、良しもう大丈夫だ、で普通なら仮歯付けてしまっているでしょう。
でも実際には、骨とインプラントは完全に一体化しているモノではなく、やはりくっ付いているだけなんだ、と理解出来ます。
でも、そんなこと私は自分自身の経験の中で学んで知ったことで、誰にも何処に行っても教わったことは皆無です。
記憶が悪くて、忘れているだけかも知れませんが、皆無なんです。
こう言う現象って凄く重要なことじゃないでしょうか?
私はそう思うんです。
何故なら、もっと完全に一体化するまでの時間を設けないといけないとか、どう対処して行くべきなのか?全く判断出来るようにはならないでしょうから。
でも、そう言うこと教えてくれることはないんです、私の知る限りでは・・・
こんな事例はほんの一例で、私は常に臨書の現場からこれは何?と言う引っ掛かるモノに対して解答を求め、真実を知りたくて世界にまで出て勉強しています。
理屈、理論こうなる筈だ、こうでなければならない、なんてのは臨床的事実の前には霞と一緒だと思っています。
いつも正しいのは、目の前にある現象であり、それを説明出来るように理論構築して行くべきなんだ、と。
生意気ですが、私が世界に伍して成果成績を上げられている理由、類する治し方している同業者の方々よりも実績が一桁二桁違うのはそう言う所にあるんじゃないか?と考えたりしています。
他では出来ないことが、私は出来たりすることが少なくない。
私が密かにして来たことが、ある日と突然海外のDRの発表で見たりする。
そして、その歴史聴くと私の方が全然古い、と言うことがしょっちゅうある。
これって、事実だけを見詰めて、どう言うことなんだろうと考え、そこから自分自身で解決策、改善策を考案し、実践して成果を創って来たからなんでしょう。
そう私は信じています。
お蔭で、私は業界の中では預言者扱い、で見られることも少なくないです。
だから、勉強は止めることが出来ないのです。
今年もAO学会にオーランドに行って来ます。
出発は明日の夜遅くです。
真実は何処にある?と探究心を失わず、これからも頑張り続けて参ります。
一生勉強です。
頑張ります!