
雨が降り、太陽の角度が高くなってようやく春の草花が元気を出してきた。足利市中心街のの西北・・小俣町にあるホタルの里から沢沿いの登山道を歩き始めて間もなく。カタクリの小さな群生地があり、私を待っていてくれたかのように一厘だけ咲いていた。
「カタクリ」はユリ科カタクリ属の多年草。早春に木々の葉が茂る前に花を咲かせる。落ち葉の中から顔を出し、今咲き始めたばかりという感じの新鮮な個体。大切に保護されているのではなく、林の中に自然に生きているのが嬉しい。
緑の葉と落葉の間から伸びる花茎は10センチほど。先がノの字に曲がり、先に“妖艶な赤紫の花”をつける。陽射しが少なかったのか咲き出したばかりなのか判らない。好天時には6弁の花びらの先が反り返るように開き、妖艶さを増す。
ギフチョウなど春先の蝶が蜜を吸い受粉させるといい、種からはアリの好む脂肪酸などの成分を発し運ばせることで株を増やすという。名が表すように根(鱗茎)からカタクリを採っていた。葉も茹でて食べるのだそうだ。そのせいか、栽培されているものや保護地以外で見ることが少ないようだ。