啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「カトウハコベ」至仏の花11

2011-09-19 11:29:32 | 高山植物

至仏山は花の山とも言われるが、夏の花々が終わりかけた8月末に登ってもオヤマ沢田代から山頂にかけて色々な花が咲いていた。当ブログでの掲載は今回でもう11回目。今日の花は、気にかかって色々調べてみたが名前がなかなか特定できなかった。偶然、ネット上で見つかり名前が特定できたので掲載してみた。明日、残っている3種類ぐらいを紹介し、花の100名山に区切りをつけようと思う。

「カトウハコベ」はナデシコ科タカネツメクサ属の多年草、高山植物。本州中部の高山、至仏山や谷川岳、早池峰山や北海道の夕張岳などに見られるがそれほど多くないという。“蛇紋岩植物”という呼び方をするようだが、高山で蛇紋岩でできている岩場や礫地などの生育する。

イワツメクサかクモマグサの仲間と思って写真を撮ってきた。写真の上部に移っているのが蛇紋岩だと思う。名にはハコベが着いているが、ハコベの仲間ではない。有名な牧野富太郎博士が早池峰山で発見。同席した加藤子爵を記念しカトウを冠したのだという。草丈は10-15センチほど。
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「蟻ノ戸渡り」(ナイフブリッジ)

2011-09-18 09:39:50 | 低山歩き

一昨日の戸隠登山の心地よい疲れと、岩場鎖場の連続による恐怖感と無事にクリアしたことの満足感が未だ残っている。ちょっとしつこいかもしれませんが、広いところでも幅1メートル弱、両端が絶壁のナイフブリッジと呼ばれる「蟻ノ戸渡り」チャレンジを再掲載させていただきました。

約30メートルの岩場を鎖に頼って登りきると「蟻ノ戸渡り」。女性が四つん這いの状態で渡っており、男性がリードしている。恐ろしい場所に来てしまったと思った。先程の岩場の脇に“○○子さん やすらかに”と弔いの標。嫌なものを見てしまったと思った矢先だけに尚更だ。70代の3人のパーティ、男性1人がおり、ベテランの人が“今日は風も無く良かった”とか“ここまで来て引き返す人が珍しくない”など解説してくれる。単独で、風でも強かったら私も引き返したかもしれない。何しろ国内でも有数の「ナイフブリッジとして知られている」のだそうだ。

3人のパーティーの真似をしながら後について渡り始めた。両側は切り立った崖。踏み外したらどこまで落ちるか判らない。肝が冷えた。四つん這いでスタート。ただ、少し慣れると落ち着いてきた。立った方が楽と思い、少しだがそうしてみた。ふらついたらお終いと考えると恐くなり、また四つん這いに。狭い場所は“馬の背に跨る”ようにしてゆっくりと進んだ。無事通過して喜んだ後に“剣の刃渡り”があったが、こちらは距離が短く恐さも感じないで通過した。

急峻な蟻ノ戸渡りは距離にして3,40メートル。両側の谷の深さは、大キレットなどアルプスの有名なナイフブリッジに及ばないが“長さと恐さは有数”なのだそうだ。

鎖場を登りきった「八方睨」では、6人が揃い急峻な岩場を登りきった喜びで話が弾んだ。3人組みの1人は「20数年前に登った時、蟻ノ戸渡りには迂回路があり、木も生えていて恐い場所でなかった」という。年に何回か登るというリーダー格の人が「両側が崩れ落ちてしまい、現在の形になった。何年間か通過禁止になっていた。崩落が進み、いつかは通れなくなる」などと説明していた。
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「戸隠山」と鎖場

2011-09-17 10:49:50 | 低山歩き

今年登りたいと思っていた「戸隠山」(1911メートル)に16日に登ってきた。難所とされる“蟻の戸渡り”は四つん這いになってかろうじてクリア。“剣の刃渡り”“胸突き岩”など鎖場の連続は忘れられない山となった。

戸隠神社奥社の参道入り口の駐車場に着いたのが8時30分。〃45分にはスタート。厳しい山行が予想されたので奥社に参拝し安全を祈願。奥社脇の登山口からいきなり急登となる。樹林帯の中を1人だけ静かな歩きだが、風が無く直ぐに汗が噴出してくる。調子よく百軒長屋、小さな石仏が祭られている西窟など経て最初の鎖場までは順調。

鎖場に入っても、天気が良く岩が乾いて滑らないだけに順調で、胸突き岩を登りきると最大の難所となる「蟻ノ戸渡り」。4人が休憩していた。見ると両岸が切り立った絶壁に、広いところでも幅が1メートルない“ナイフブリッジ”状の尾根が3,40メートル続いていた。先行する男性がリードし、女性が四つん這いで渡っている。

1人だけで、天気が悪かったらここで引き返したかもしれない。70代の男性3人がスタートしたので、参考にしながら後を追う。恐い!!!。途中から少し余裕が出て立って歩ける部分もあったが、馬乗り状態でゆっくりと進むなど肝が冷えた。
鎖場が連続する


高さや距離の長さ、自分でコースを選択しなければならないなど、今まで経験した鎖場と全く違っていた。“剣の刃渡り”で胆を冷やすと最初のピーク「八方睨」(1900メートル)。戸隠西岳が連なり、北側には高妻山、東側に飯綱山など360度の展望。遠くに白馬岳が見え大雪渓が遠望できた。

6人ほど集まり恐怖の経験?を語り合い、健闘を互いに讃え合う。小休止してスタート。間もなく「戸隠山」(1911メートル)のピークがあったが目立たない場所だった。
九頭龍山(1883メートル)一不動避難小屋を経て戸隠牧場に下りる。計4時間弱の長い下り。鎖が水に濡れて滑る鎖場も大変だった。更に、駐車場まで「ささやきの小道」を40分ほど。疲れたがスリリングで楽しい山行だった。

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「タカネトウチクソウ」至仏の花10

2011-09-15 09:38:58 | 高山植物

道路を隔てて斜め前にある保育園で、秋の運動会の練習だろうか、元気な声と先生の笛や賑やかな音楽が聞こえる。今朝の天気予報では熱中症の警報も出ていたようだが大丈夫か?一昨日、破風岳に行った時、帰路の有料道路料金1千20円が惜しく、万座温泉から志賀ー草津道路に出て草津を抜けて戻った。白根山の辺りではナナカマドが紅葉し始めており、秋の気配が漂っていたのだが・・・。

「タカネトウチクソウ」はバラ科の多年草で高山植物。ワレモコウの仲間だという。中部山岳地帯から北海道の高山の岩場や岩の混ざった草原に咲く。小至仏の辺りで撮った写真だが、尾瀬では至仏山から笠ヶ岳周辺にしか咲かないという。初めて目にした種で嬉しくなった。茎が曲がっており、花茎を伸ばしてブラシのような変わった形の花をつけているのが印象的。茎をまっすぐ伸ばせば、草丈が3,40センチにはなる中・大型の多年草。

花の形が「唐打」(中国の組紐)に似ており、高山に咲くことからこの名がついたという。漢名は高嶺唐打草ということになる。可愛いとか美しい花ではないが、珍しさから印象に残る花である。
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「破風岳」から「土鍋山」

2011-09-14 08:46:05 | 低山歩き

今年中に行きたかった山に日光の「太郎山」、原三角側点がある西上州「白髪岩」、アルプス級の山、至仏山などがあったが、戸隠山を残して実現した。登りたい山は、私でも行けるアルプスの山、植物が豊富な東北の山々、知床や大雪の山々など一杯ある。山歩きの魅力に気付くのが遅すぎたが、少しでも実現していきたいものだ。

「破風岳」(1999メートル)は万座温泉の西、長野県との県境にある。今年登りたかった山のほとつ。隣に連なる「土鍋山」(2000メートル)があり、新世紀を迎える年には“ミレニアムの山”として、少しだけ脚光を集めたようだが、群馬県内でもそれほどメジャーな山ではない。万座スキー場の朝日山ゲレンデ最上部からこの山が見え、いつか登りたいと思っていた。

万座温泉プリンスホテルのところから万座道路を西に。万座にはスキーで毎年行くが、こんな立派な道路があるとは知らなかった。長野県の須坂市方面と結んでいるという。舗装道路の終点が毛無峠。南側には小串硫黄鉱山跡、北側の深い谷のはるか彼方に微かに須坂市方面?の家並みが望める。西側正面に破風岳がどっしりと構えており、Z字状に登山道が望める。

登山道には背の低いシラネニンジン、アキノキリンソウなど残っているが、花の季節は終わった感じ。リンドウは山頂までいっぱい咲いていたが、やや雲が多く花は開いていない。歩き出して30分、ガイド本の時間より10分早く山頂に着いた。草津白根や万座温泉方面、浅間隠山方面の山々など大展望。急峻な谷底の彼方にはかすかに長野県の家並みが望めた。

「土鍋山」への道の方が大変。前夜雨が降ったようで足元が悪い。15分ほど下り、分岐点から30分弱登り返すと山頂になる。“遭難多発地帯”の標示や登山道を覆い隠す背丈ほどもある熊笹が不気味。あまり人が歩いていないようだ。胸から下がびしょ濡れとなってしまった。誰一人いない山頂は快適。展望は東、南側だけだが万座、草津方面に雄大。味噌汁からコーヒーまでのフルコースで1時間近くを過ごしてしまった。
写真は土鍋山の山頂


小串硫黄鉱山跡の彼方に浅間隠し山が端正な姿を見せていた。

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「キンロバイ」至仏の花9

2011-09-12 08:13:20 | 高山植物

また、大臣が辞めた。情けなく残念に思うが、マスコミの報道姿勢にも疑問を持った。「放射能をつけるぞ」という趣旨の発言。幼稚園児以下の言葉使いを“本当に”“本気で”したのだろうか?共同通信社が最初に書いたようだが、その他の社の記者もわれもわれもと書いている。ネットで調べると皆ニュアンスが違うのは何故か。共同通信社の政治部長が、オフレコ非公式の場での会話の内容を書いた理由として「死の町発言とともに、大臣としての資質が問題で書かざるを得なかった」というような趣旨の談話を寄せていた。ご立派な方。

「キンロバイ」はバラ科キジムシロ属の落葉低木。本州中部以北の高山の岩場に咲く。花の形が梅に似ていて、黄色い古都からこの名がついている。花が白いハクロバイ(ギンロバイ)という変種もあり、これは中部以西と四国の高山に咲くのだそうだ。木の丈は20センチほどで低かった。調べると50センチ程度まであるという。

小至仏と至仏の中間で尾根沿いの岩の多い南側の斜面にさいていた。登山道から7-8メートル離れており、持参のカメラでの撮影が無理だったので少し道を外してしまった(反省)。今までに意識して写真を撮ったことが無い種だったのでうれしかった。


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「ホソバコゴメグサ」(至仏の花8)

2011-09-11 08:38:26 | 高山植物

家の周りでは、ミンミンゼミの声が聞かれなくなり、ツクツクボウシが騒々しい。今日は曇天で、昨日の暑さはウソのよう。大根の種まきは今日にすれば良かった。

「ホソバコゴメグサ」はゴマノハグサ科の一年草。ミヤマコゴメグサの変種だという。小至仏に向かう岩混じりの草原に咲いていたが、草丈は10-15センチ程度と低く、小さな白っぽい花をつけていた。関東以北の高山に自生するというが谷川岳や至仏山、月山などで見られるが、余り多くないのだそうだ。殆ど似た種で“ミヤマコゴメグサ”があり、これも関東以北に自生するので、判別は難しい。

何となくだが“コゴメグサ”という名はどこかで聞いたことがあるような気がする。コゴメグサでネット検索しても“単独のコゴメグサ”はあるようでないような???ホソバ、ミヤマのほかタチ/ツクシ/キュウシュウなど冠した変種が9種類もあるようだ。咳や眼精疲労、結膜炎などに効く生薬としても使われるという。

コゴメグサは小米草と現す。ミヤマタイプに較べ歯が細いからホソバのコゴメグサと名がついたとの説明があった。米粒みたいに小さな知ろう花をつけるのもなの由来ではなかろうか。
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「三国山」

2011-09-10 07:49:57 | 低山歩き

陽射しは強いが沢から吹き上がってくる風は爽やかだ。登山道脇のナナカマドの実が赤く色づいていた。上州と越後を結ぶ三国街道は奈良から平安時代に駆けて開かれた。ウィキペディアに出典不明の断り書きがあったが、面白い書き込みがあった。田中角栄元総理が選挙民に行った演説として“三国峠を削って雲が流れるようにすれば、雪は降らなくなる。削った土地で佐渡海峡を埋めれば島と地続きになる”。峠には祠があり、峠を越した著名人の名が碑に刻まれていた。上杉謙信や河井継之助など武将、歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻・・など。

「三国山」(1636メートル)は国道17号線、三国トンネルの北側、真上にある。トンネル入り口の群馬、新潟両方に登山口があるが今回は群馬側から登った。高校時代からの友人が一緒。大雨の形跡がくっきりと残っており、登山道は石がごろごろしており歩きにくい。古い三国街道と登山道が交差するところが三国峠。ここで一服。

峠からは上りがきつくなるが整備された木道となる。7月に来れば途中の草原でニッコウキスゲの群落と苗場山方面の大展望が楽しめるのだが、今では種がついた枯れた花茎が残るだけ。ヤマハハコ、ウメバチソウ、イワインチンなどが咲き、リンドウは未だ蕾だった。

山頂まで、ユッタリノンビリと歩く。汗をかくが沢からの冷気が清々しい。深い谷を越えて、上州三峰山や子持山などの遠望も見事。山頂は広くないが、後から着いた二人との4人だけ。お湯を沸かして味噌汁を作りゆっくりと昼飯をいただいた。
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「タカネナデシコ」

2011-09-08 09:49:35 | 高山植物

撫子ジャパンが今日夕方に、北朝鮮戦。今日しっかりと勝って、何が起るか判らない中国戦に臨みたいもの。残り2試合に大差をつけて連勝し、普通の国のオーストラリアに撫子ジャパンと一緒にオリンピックに出てもらいましょう。

「タカネナデシコ」はナデシコ科ナデシコ属の多年草。高山植物。カワラナデシコの高山変種で、高い山の草原や礫地に生える。風の強いところでは草丈が10センチ程と低く、条件が良いと30センチほどになる。8月下旬の至仏で、盛期は過ぎでいたが木道脇にポツリポツリと鮮やかな紫色の花が残っていた。(写真の花弁が欠落しています)

カワラナデシコと良く似ている。カワラタイプより草丈が低く、独特な花弁の切れ込みが深く細いのが高嶺(タカネ)タイプの特徴だという。花の青紫色もタカネタイプが濃いような気がする。

“大和ナデシコ(撫子)”は可憐で繊細ながら心(芯)は強いという日本女性への美称。大和ナデシコはカワラナデシコのことだそうだ。スポーツの世界だと“大和撫子は凄い響き”を持っているように思うが、生活の中にあちこちいられると“大和男”は弱ってしまう???
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「キンコウカ」

2011-09-07 08:32:22 | 高山植物

久々の晴れ!昨日、赤城に行ったが“爆風注意”の立て看板が出ていた。地蔵岳には秋の風がふいていた。週末の友人との山行まで、このまま晴れ続けて欲しいものだ。

「キンコウカ」はユリ科キンコウカ属の多年草。尾瀬ではアヤメ平を筆頭にあちこちの湿原や草原に咲いている。ネットの書き込みを見ると、場所によっては高くない湿地にも咲いているというが、私の感覚だと高山植物に入れても良いのではないかと思う。

私の分類??などどっちでも良い。あほか!!。植物の分類にも何通りかの体系があるようだが、この植物もAPG植物分類体系という方法だとキンコウカ属が“キンコウカ科”に独立する。この分類は1990年代に登場した裸子植物の新しい分類方式だという。

この個体はオヤマ沢田代で撮ったもの。鬼怒沼、会津駒ケ岳の湿原での群生も記憶に残っている。草丈は20-30センチほど。先が尖った緑色の細い葉、花茎をするすると伸ばし、鮮やかな黄色の花をつけている。星形に輝いて見えることもある。数が多いので、写真1枚撮るにしても後回しになってしまうが、黄色の花の中では可憐な花の一つだと思う。
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