啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「白髪山」と図根点

2011-12-08 08:45:26 | 低山歩き

所有する2万5千分の一の山歩き用の地図で見ると、明確な登山ルートが見当たらない。しかしながら、標高が1500メートル以上、地元の神流町で行われるイベント「神流マウンテンウォーク&ラン」のパンフレットを見ると、白髪山のピークが通過点になっている。様子が判りにくい山だが“林道から近い。迷うことは無い”と思い昨日歩いてみた。

「白髪山」(1521メートル」は西上州・赤久縄山の西南にある。イベントの通過点となる山だが、登山口の表示はない。地図であらかじめ場所(山の位置)を確認していたので、杖植峠を越して駐車スペースがある場所からスタートした。

廃道に近い荒れた林道の入り口にテープが巻かれている。ここから入る。5分も行かないうちに行き止まり。沢に下るように獣道程度の踏み跡があり踏み込む。沢筋、笹が多いところ、落ち葉の吹き溜まりなどで道が消え不安になるが、たまにあるテープで安心する。道が消えた2本目の沢を上がった途端に“ガサガサ”と動物の気配。グレーの毛に覆われ丸々と太ったカモシカ(まだ子供?)が猛スピードで下っていった。キジ(ヤマドリ?)の羽ばたきにも驚かされながら歩く。

笹薮を越すと標識。北が白髪山、南は万場町・倉持集落とある。今までのヤブ歩きがウソに思える立派な登山道。ラン&ウォークの目印テープも随所に。小ピークを越すともう白髪山。山頂には“図根点(写真)”があった。図根点は三角点や水準点など測量に使う標識の総称で、基準になるものの一つだとか。

葉を落とした樹林越しに冠雪した八ヶ岳、両神など埼玉県境の山々、赤久縄山など望める。時計を見るとまだ歩き出して40分ほど。物足りない。立派な道を尾根伝いに赤久縄方面に歩き出していた。山頂から片道2キロほど往復し、白髪山で昼食。来た道を戻った。

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「ツルウメモドキ」

2011-12-07 08:12:48 | 山野草

「ツルウメモドキ」はニシキギ科の落葉ツル性木本。生け花にされているものや庭木として植樹されているのをたまに見かけるが、登山道を歩いていても余り見かけない。トキの島で実家の裏山を歩いていると真っ赤な種をいっぱい付けた立派なツルを見つけた。

春から初夏にかけて付ける葉の様子が“ウメ(梅)”に似ており、ツル性のためにこの名がついているという。似たような名前で「ウメモドキ」という落葉低木があり、この木に似ており(葉や赤い実の付き方など)ツル性だからこの名がついているのだと思っていた。調べて見るとツルタイプがニシキギ科なのに対し、ウメタイプはモチノキ科。葉が落ちて、赤い実の状態になったのを見ると似ているが、実際にはかなり違うようだ。

花は5月頃に開花。黄緑色の花弁5個を葉腋から出す。雌雄異株。トキの島から持ち帰ったツルウメモドキを植えておいたが、5年ほど経っても実を付けず伸びる一方なので、昨年根元から切ってしまった。雄株?受粉できなかった?理由は判らない。果実は秋に淡い黄色に熟し3つに裂ける。赤い皮に被われた種子が出てくる。これが美しく生け花や装飾用に使われる。
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「オドリコソウ」が咲いていた

2011-12-06 08:28:38 | 山野草

昨日の写真のフキノトウ。味噌、砂糖、酒などで煮詰めた“フキの爺さん味噌”(実家でそう呼んでいた)にしていただいた。新潟産3大コシヒカリの一角を占める佐渡産コシヒカリの温かいご飯を独特の香りが包んだ。トキの島で見つけたもう一つの春がオドリコソウ。タンポポやホトケノザの狂い咲きならともかく、5月頃に咲くこの花を見つけた時には驚いた。

「オドリコソウ」はシソ科オドリコソウ属の多年草。春(五月)に帰省した際に撮った写真を掲載した記憶がある。年内の再掲載になるが、今の時期に咲いているのに驚いて(喜んで?)もう一度。海抜で300メートルほど。母の実家の近くに、清水が湧き出し、小さな流れを作る場所がある。冷たい風が吹く日だったが、何気なく小川を除くと小さな白い花が咲いていた。例年に比べ気候が温暖な上に、清水が湧き出す場所から数十メートルの場所にあり、気温も安定しているのだろう。

草丈は3,40センチで通常は直立するが、冷たい風を避けるように幹を折り曲げ、ひっそりと咲いているのが可愛らしい。唇形で葉の腋に輪状に数段の花を付ける。この様子を笠を被った踊り子が並んでいる姿に見立て名が付いた。
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「フキノトウ」

2011-12-05 08:30:16 | 山野草

気象予報士は「寒い」「乾燥する」など激しい表現をする。この人たちも“面白さ”“視聴率”など求められているのだろう。日々の気象の変化は別にして紅葉のスピード、浅間の冠雪、花の開花時期、木々の芽吹きの準備など何か暖かさを感じる。

仕事をしていた頃には自然の移ろいをじっくりと見ることが無かった。今は小さな自然の変化も新鮮。これから、雪に埋もれる可能性が高いトキの島でフキがしっかりと花芽(フキノトウ)を膨らませていた。家に戻って畑の隅に植えてあるフキを見ると、乾燥地帯で気候もトキの島に比べ温暖な群馬でも、小さな花芽を持っていた。

“フキ”はキク科フキ属の多年草で日本原産種だという。茎は地上に伸びず、地下茎として横に伸びる。キャラブキや煮物で食べる部分は葉柄。「フキノトウ」は花茎ということになる。水辺や湿気の多い林の縁、田畑への水路脇などで良く見る。この個体はトキの島の柿の果樹園脇で撮った。

花茎は芽吹いたばかりで、膨らみを増したところ。スキー場にいく沼田市辺りの道の駅、食料品スーパーなどで新春早々に販売されている。これは栽培されたものだろう。一方で、自然の中でもしっかりと芽吹きは始まっている。フキノトウを今の時期に見るのは初めてといって良いほど。今年の展開が例年より早いのか、遅いのか判らない。それでも何だか、早過ぎるような気がした。

山菜として好んで食べられるフキ、フキノトウ。地下茎には毒性があるという。また、フキについても灰汁抜きをして食べるのだそうだ。フキノトウを食べる時期は新芽から花が咲く直前まで様々なようだが、私は芽吹いたばかりで膨らんだ頃が香りが強く、美味しいと思う。
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「ムラサキシキブ」(トキの島で)

2011-12-04 09:27:00 | 里山

トキの島は季節の変化がはっきりしており、海・山の自然は多様性に富んでいる。今日(4日)は、強い季節風に晒されていると思うが、帰省していた一週間ほどは、雨が降った2日の夜から3日を除くと予想していたより暖かだった。初冬の里山を歩いてみた。

「ムラサキシキブ」はクマツヅラ科の落葉低木。木は2-3メートルの高さ。山間の田んぼに続く“登山道のような作業道”に光沢のある紫色の実をつけた枝を張り出していた。今年の秋、登山道を歩きながらあちこちで見かけ写真を撮ったが、気に入るものが見つからなかった。我が家の庭にも紫や白い実をつけるものがあるが園芸種だろう。私なりに、気品のあるムラサキシキブが見つかった。

変種の幅が広く、見分けるのは大変なようだが小柄ながら実をいっぱいつけるコムラサキ、葉や実が一回り大きいオオムラサキシキブ、一見貧弱なヤブムラサキからアメリカムラサキシキブなど・・。花は5-6月に咲き小さくて淡いムラサキをしており、実の紫を予告?している。

「ガマズミ」はスイカズラ科の落葉低木。5-6月に小さな白い花をつける。こちらも変種の幅が広くコバノガマズミ、ミヤマガマズミなどがある。戸隠山の尾根沿いで秋口に撮った写真をブログに乗せた記憶があるが、トキの島の里山では2ヶ月遅れ、真っ赤な実をつけていた。この実は食べることができるが、酸っぱいだけで美味しくない。雪を被るようになると酸味が少し薄れる。果実酒にされると言う。

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