すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

レンジャー、GO ON! ②

2009-01-12 01:15:57 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
小雪舞い降りる、寒い朝。

部活に出る娘を、高校まで送って行きました。

祝日なので、道路は、空き空き。
それを見越して出たつもりだったのに、
予定よりも、うんと早く到着してしまい、
「早すぎるわッ!!」といって、娘に怒られました。

え~??
送って行ったのに、なんで、怒られるのよォ?????

母業は、割りにあいません

さて、続きで、ベタなレンジャーものの、その②です。
たぶん、もうあと一回くらい、③で、終わるかな?




シティのはずれにある、人気のない公園。

ピンクは、ひとり、ジャングルジムの天辺で、ぼんやり、空を見上げていた。

もう、僕に、帰るとこなんか、なくなってしまった。
これから、どないしてったら、ええんやろ?


そこへ、下の方から声がした。

「あ、ピンクレンジャーや!」
「ほんまや。俺らのテリトリーで、なにしてんねん!!」

悪悪少年団の、なか男きりや男だった。

「テリトリーやって?」

「そやで。降りて来いや」
「勝負せえや。今日こそ、決着つけたるわ」

「勝負とか、もう、ええわ。ぼく、もう、レンジャーではおられへんもん」

「はあ?」
「なんて? そんなとこで、ごちゃごちゃ言うても、聞こえへんわ。
 降りて来いって」


「なんで、年下のくせに、命令口調やねん」

文句を言いながらも、ピンクは、下へ降りようとした。

「ヨッ・・・と!」

最後の2段めくらいから、ジャンプする。

「あかん、カッコええがな」
「ほんまや。やっぱ、根っからのスターやねんな」

顔見合わせて、なか男ときりや男が、うなずきあう。

「どないしてん? なんか、あったんか?」
「俺らでよかったら、話、聞いてもええよ?」

妙に優しい口調の二人だが、
人を疑うことを知らないピンクは、その優しさに、騙されてしまう。

そして、さっきの出来事を、
ついつい、二人に、しゃべってしまったのだった。

「行くとこないんやったら、俺らのとこ、来たらええやん」

「ほんまやで、それが、ええわ。
 俺らんとこ、仲間がいっぱい、おるで」


「そうやで。謎組のやつらだろ? 俺足組も、いろはに、ず組も、な。
 あ、それに、もっとちっちゃいんやって、いっぱいおんで」


「でも・・・」

「なにも、今すぐ仲間になろうとは、言わへんよ」

「ここ、寒いし。俺らんとこで、ちょっと暖まろうや。
 な、腹、空いてへん?」


「僕、そんなに、食欲ないんやけど・・・」

「ええやん、ししゃもも、あんで?
 正月の残りモンやけど、餅もあるし」


「おう、そうやで。仲間に、餅の変わった食べ方するやつ、いてんねん」

「へえ、どんなん?」

「口では、よう説明出来ひんわ」

「今なら、アジトにはまチャンもいてるし、作ってもらったらええやん」

「な? 行こうや」

「・・・・・・うん、そしたら、ちょっとだけ、お邪魔するわ」

「よッしゃ!」
「よッしゃ!」

二人に連れられて、公園を出ようとしてるピンクを、
たまたま見ていた影が、あった。

「楽器隊・その伍」のメンバーでもあり、
また、「謎組」の一員でもある、餓ッ鬼ーだった。


しばらくの後、餓ッ鬼ーは、街中で、
何かを探すように、きょろきょろとしている、ブルーに出くわす。

「あ、ブルーさんじゃないっすか。なにしてんすか?」

「ああ、ちょうど、ええわ。なあ、うちのピンク、見んかった?」

「ピンク、どうかしたんすか?」

「いや、ちょっと、いきなり訳分からんこと言って、
 飛び出していってしもうたんや」


「へえ・・・」

そこへ。

「おい、ブルー!! おったか?」

イエローが、後ろから声をかけた。

「あっちのカフェには、おらんかってん。
 寒がりやから、どっかで、あったかいもん、飲んでると思うたんやけど、な。
 あ、なんや、餓ッ鬼ーやん」


「お久しぶりっす」

「おまえ、こんなとこで、何してるん? 今日は、謎組か?」

「違いますよ、今日は、楽器隊・その伍のほうですって」

「ほんまか?」

「ほんまですって。
 謎組やったら、レンジャーのお二人の前に、よう、出てこれませんもん」


「ふうん、まあ、ええわ。で? 何してるん?」

「今な、ピンクを見かけんかったか、聞いとったとこやねん」

「見たんか!?」

「えっと、・・・」

「早よ、言えや」

「まあまあ、イエロー。そんなん言うたら、言われへんやん。なあ?」

「どっちや? 知ってるんか? 知らんのか!」

「あかんわ、ごめんな。
 ピンクのことになると、人が変わりよるわ」


「えっと、ええっと、知ってますッ! さっき、見かけました」

「どこや?」
「どこにおったん?」

二人に同時に尋ねられて、餓ッ鬼ーは、一瞬、後ずさる。

「街はずれの公園で、なか男ときりや男と、一緒でしたッ」

「なか男!?」
「きりや男!?」

「それはきっと、さらわれたんやな」

「うわあッ!!」

「グリーン!!」
「グリーン!!」

「いつからそこにいたんすか。気配、消さんといてくださいよ」

「消してへんやん、別に。
 そっちが気付かへんかっただけやわ」


「街はずれの公園やな」

「あ、でも、もう、いないと思いますよ?
 僕が見たの、30分くらい前ですもん」


「あかんやん。そっから、どこ、行ってん」

「そこまでは、僕にも、ちょっと・・・」

「どないする? ダメもとで、公園行ってみる?」

「いや、もう、おらんやろ」

「悪悪少年団の二人と、一緒やったんやろ?」

「はい、僕が見たときは」

「なんか、悪さされとらんと、ええんやけど」

「あいつら、ここんとこ、ちょっと全国区になって、
 いい気になってたからな」


「また、なんかしでかすつもりなんかな」

「調子にノリすぎや。カツ入れたる!!」

 ピンクに手ェ出したら、ただじゃおかん!!」


イエローの尋常ならざる意気込みに、
つい、餓ッ鬼ーが、提案をする。

あのォ・・・

「なんや?」

「よかったら、僕、アジトの方に、聞いてみましょうか?」

「え? そんなこと、出来るん?」

「謎組のメンバーだったら、今日、アジトで練習してるはず、なんすよ。
 なにげに、誰がおるかくらいのことやったら、聞けると思うんっすけど」


「ちょうど、ええやん」

「早よ、聞いたれや!」

「は、はいッ!!」

「ほんま、ピンクのことになると、イエロー、怖いわぁ」

イエローに睨まれながら、携帯で、誰かにTELをしている餓ッ鬼ー。

そこへ。

「なんや、みんな、こんなとこにおったんかい」

「あ、ナスレンジャー」

「ピンク、おったか? ああ? なんで餓ッ鬼ーも一緒やねん」

「餓ッ鬼ーな、さっき、ピンクがなか男ときりや男で、見かけたんやって」

「何言うてるかわからん。ちゃんとしゃべれや!」

バコ!!!

「イッター!!」

「ブルー、うるさい! 黙っとけ」

「ほんまやぞ」

「え~? なんでェ?」

涙目になりながら、ブルーは、ナスに、事の次第を説明した。
怒られんよう、筋道たてて。



「あ、うん。そうか、うん、わかった。ありがとう」

「で? なんだって?」

「今、みんなで餅、食べてるらしいっす」

「餅ィ?」

「ええなあ、うまそうやん。腹、減ったなあ」

「アジトって、どこや、言え!!」

「え、でも。でも、僕、一応、謎組なんで、それは・・・」

と、そのとき。
ナスの携帯が、鳴った。

「なんやねん、大事なときに。
 あ、ブラックからや。もし、もし? 今、取り込んでて・・・」


「阿呆! こっちのほうが大変なんじゃ、ぼけ!」

「なんやねんな、もう」

「ピンクが、悪悪少年団に、さらわれたッ!!」


「脅迫状が、届いたッ!!」
「大変だあ~、大事件やあ~~!!」

電話の向こうで、大慌ての3人が、テンパっているのが、
手に取るように、伝わってきた。


③に続く。










書いてて、分かりました。
③じゃ、終わらないわ((笑