すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

レンジャー、GO  ON! ④

2009-01-17 21:05:38 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
やっと、終わりましたです、大掃除。

TVのスペースを広げたいがために、
思わぬところまで、掃除するハメになりましたが、

とりあえず、ひと段落。
あとは飛び出たゴミと、いらない雑誌をお片づけするだけです。

やれやれ

さあ、あとは。

カケラのはずが、またしても長くなり始めてる妄想レンジャーの続きを。

④です。


「お疲れー」

悪悪少年団のアジトにやってきた餓ッ鬼ー。

「あれ、今日は来れないんじゃなかった?」

ドラムのそばで、休憩していたのは、淀殿だった。

「うーん、そのつもりだったんだけど。
 さっき、ピンクがこっちにいるって聞いたからさ。逢いたくて。
 どこ?」


「さっきまで、ここでセッションしてたんだけど」

「いないの?」

「水飲んでくるって、言ってたから、もう、来るんじゃない?
 あ、ほら、来た来た」


「あ~、餓ッ鬼ーや。どないしたん?」

「どないした・・・って、呑気だな、相変わらず」

「おるんやったら、一緒にセッションしようや。
 久しぶりやから、楽しいわ」


「そんなことしてる場合か? なんで、こんなトコにいるんだよ」

「なんでって・・・。あ! お餅。
 変わった味の、食べにおいでって、なか男ときりや男に誘われて。そんで」


「自分から、来たの?」

「だってさあ・・・」

「お兄ちゃんレンジャーたち、めっちゃ、探してたぞ?」

「心配してた・・・?」

「あたりまえじゃんか! いったい、何があったんだよ」

「どうした? 餓ッ鬼ー。少し、落ち着けよ」

「落ち着いてるよ!」

「・・・・・・(え~? 全然、落ち着いてなんかないじゃん)」

「なにを、そんなに怒ってるん?」

「なんでこんなとこにいるんだよッ!!
 お兄ちゃんレンジャーのとこへ、早く帰れよ!!」


「なんで? なんで、そんなこと、言うん?
 久しぶりに、会えたのに」


「そうだよ、餓ッ鬼ー」

「だって、お兄ちゃんレンジャーたち、顔色変えて探し回ってたんだぞ?
 なのに、当の本人が、そんな・・・」


「だって、僕、もう、レンジャーでおったら、あかんねん!!」

「は?」

「何言って・・・」

「だって、そうやん。僕、お兄ちゃんたちに、迷惑、いっぱいかけて。
 ほんでも、いっつも優しくて頼りになって、励ましてくれて。
 戻ってもええって、戻って来いって・・・言ってくれて。
 でも、やっぱり、離れてた時間は、そう簡単には取り戻せへん。
 前みたいに、いっつも一緒におった頃みたいには・・・」


「それで、自分から出てきたのか?」

「どこでそんな思い違い・・・」

「思い違いなんかじゃないねん!」

「バッカだなぁ・・・。じゃあ、一緒に来いよ。
 思い違いだってこと、見せてやるから」


ピンクの手を引いて、アジトを出ようとする餓ッ鬼ー。

そこへ。

「待った!!」
「待った!!」

現れたのは、なか男ときりや男だ。

「ピンクをどこへ連れて行くつもりや?」

「勝手なこと、すんなや」

「さあ行こう、ピンク」

「無視かい」
「無視かい」

「ピンクがここにいる必要があるの?」

「ピンクさえおったら、俺らやって、大々的にお披露目出来るやんか」

「そうやで。これで一歩、抜け出せるがな」

「そんなことでお披露目したって、いいことないじゃんか!」

「おまえに、何が分かんねん!」

「そうやぞ。二つのグループで、ええように立ち回ってるおまえに、
 俺らの気持ちなんか、わからへんわ!」


「分かるよ!! 僕だって、まだ、お披露目してない身だもの。
 君らと立場は、同じじゃないか」


「だったら、わかるやろ?」

「もうひとつ、お披露目するんに、必要なもんが。
 俺らに足らんもんを、こいつは、ピンクは、持ってんねん」


「・・・・・・(なか男たちが持ってなくて、僕が、持ってるもの?)」

「どうして、わかんないんだよ。ピンクがピンクでいられるのは、
 あのお兄ちゃんレンジャーがいるからだろ?」


「・・・・・・(僕が、僕でいられる・・・?)」

「ちゃうやろ? こいつは、根っからのスターやぞ?」

「俺らにはない、オーラを持ってんねん。
 その力があったら、俺らだって」


「俺らだって、何さ?」

「上手いことお披露目して、人気モンになれるやんか」
「俺らやって、早く人気モンになりたいねん」

「それはどうかな?」

「なんやて?」

「もう一遍、言ってみいや」

「何度だって、言ってあげるよ。
 どうして分かんないんだよ。
 ピンクのオーラだけじゃ、人気者になんてなれないよ!」


「なんでやねん!」

「そんなん、やってみんとわからへんやん」

「人気モンになったら、そしたら・・・? 僕は、必要ない?」

「まあ、ありていに言うと・・・」
「そういうこっちゃ」

「ここでも、僕は、必要じゃない・・・?」

「ピンク、違うよ、そうじゃない」

「ああ、もう!! めんどくさいなあ」

「俺らのすることに、いちいち、口だしすんなや。
 言うこときいて、ここにおったらええねん!!」


ピンクを押さえ込もうとする、なか男ときりや男。

それを制止しようとする餓ッ鬼ー。

「これで分かっただろ? 早く、帰れよ、自分の居場所に、さ」

二人ともみ合いながら、餓ッ鬼ーは、叫んだ。

「シティの外れの公園に、お兄ちゃんたち、いるはずだよ」

「くそっ、逃がすか」

「早く、行けってばっ!!」

「う・・・うん、でも」

「待てよ、おいっ!!」

「何してるんだよ、ピンク。餓ッ鬼ーなら、僕が助けるよ」

「淀殿!?」

「餓ッ鬼ーは僕の大切な仲間だもん。大丈夫、大丈夫。
 だから、ピンクはピンクの仲間トコに戻りなよ」


「僕の、仲間・・・」

「ね?」

そういうと、淀殿は、なか男ときりや男に向かっていった。

「僕の・・・仲間・・・!!


 ありがとう、僕、分かったよ!!」  


ピンクは、走り出した。









⑤へ続く。