BBCドラマ『クランフォード』シーズン1

”Cranford”　

5エピソード
BBC 2007年初放送

エリザベス・ギャスケル原作小説『女だけの町ークランフォード』をBBCがドラマ化した作品です。

初回放送時には約800万人が試聴したと言われる　当時最も人気を博したクラシックドラマと言わ
れ、テレビドラマ賞14冠を獲得したBBCドラマです。

気になっていたドラマですが、現在Huluで配信中で、あっという間に観終わりました。

シーズン1のエピソードは、
E1：1842年6月
E2：1842年8月
E3：1842年11月
E4：1843年4月
E5：1843年5月　
の5エピソードからなっています。



概略は、
19世紀半ば、イングランド北西部の小さな村クランフォード。誇り高く生きる人々の日常と、産業
革命と近代化の波に押され変わりゆく時代の変化への戸惑い、葛藤を叙情豊かに描く。
そのクランフォードが3組の新しい住人を迎える。
継母との不仲が原因でマンチェスターから住人のデボラとマチルダ姉妹の元に身を寄せるメアリー。
ロンドンからやって来た若い新人医者ハリソン。
退役したブラウン大尉は娘の療養の為、妹と2人の娘を連れてデボラ達の住む家の前に越して来る。

何と言っても出演者が驚くほど豪華で、イギリスの名優が集結した作品です。
此れだけでも一見の価値がありますね。

エグゼクティブ・プロデューサー：レベッカ・イートン
監督：サイモン・カーティス
脚本：スー・バートウィッスル
出演；
ジュディ・デンチとアイリーン・アトキンスという2人の”Dame”　がデボラとマチルダ姉妹を演じて
います。
その他、
マイケル・ガンボン
イメルダ・スタウントン
フランチェスカ・アニス
ジュリア・マッケンジー
ジョン・ハウ
フィリップ・グラニスター
リサ・ディロン
ジム・カーター
他
という、多くの英国映画、ドラマに出演している名優達の豪華共演です。

保守的でしきたりや規律を守り生活を送っていた老嬢や未亡人だらけの町。　噂話はあっという間に
広まり、独身で若い新人医師ハリソンは大きな勘違いや思い込みをするオバ様たちに振り回され。
そんな若い世代のロマンスに加え、30年越しの思いを抱くマチルダとミスター・ホルブルック等の恋
愛模様。





又、近代化の波に押され変わりゆく時代の中、読み書きが出来る使用人は不用だと考える領主夫人に、
子供には平等な教育が必要と考えながらも女性が働くことは素直に受け入れられない荘園の管理人等、
さまざまな階級の登場人物達の考え方、生き方等が描かれているのも見どころです。

時にハラハラし、時に登場人物達の優しさ、ユーモアもあり、実力ある名優達の演技に引き込まれる
と同時に、BBC ならではの時代設定の行き届いたセットや衣装等で静かに優しく描かれた見応えの
ある名作だと感じました。



兎に角ジュディ・デンチをはじめとしたオバ様（オバーちゃま？）が可愛いのです。
中でも、ミス・マープルでお馴染みの　ジュリア・マッケンジーはちょっとピントが外れた様な不思
議ちゃんでキュート。

ダウントン・アビーでお馴染みのジム・カーターは娘思いの退役大尉


貧しい少年に心を掛ける土地管理人エドマンド・カーターを演じるフィリップ・グラニスターは”Life
on Mars” その他でチョット癖のある悪っぽいアクの強い役が多かったのですが、今回とても良い味
を出していて、最後の思いやりには思わず胸がイッパイになります。



それやこれやで、兎に角多くの名優達の共演ですが、最後にチョットだけ出演した俳優さんを見て、
あれ？この人はもしや・・・と思ったら、やはり”ジョージ・ジェントリー”のマーティン・ショウでし
た。ヒゲヒゲしていたし、ほんのチョットの登場でしたがビックリと共に、嬉しかったですね。

そして、シーズン1に続き、2010年にはシーズン2が放送されています。（2エピソード）

此れには、何とッ！トム・ヒドルストンが出演しています。　それと、ミシェル・ドッカリー（”ダウ
ントン・アビー”のレディー・メアリ）も共演している様です。





トムヒが出ているなんて　これは見逃がせません。　
何とか早く配信して欲しい所です。

原作は、
「女だけの町ークランフォード」岩波文庫－1986/8/18

エリザベス・ギャスケル（著）、小池滋（翻訳）

日本版のDVDも発売されています