The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版「青い紅玉」 : (2)

2015-09-25 |  ∟グラナダ版SH
― グラナダ版「青い紅玉」 :The Blue Carbuncle  (2) ―

1984年制作

続きです。





ホームズとワトソンがガチョウの持ち主に関して推理を続けていた所に ピーター
ソンが大慌てで駆け込んできます。
ガチョウを調理しようとしたら胃の中から宝石が出て来たと焦り狂っています。
これが盗難にあった宝石「青い紅玉”カーバンクル”」であると聞かされます。
「この宝石は珍品で値の付けようが無い、賞金の1000ポンドはその価値の20分の1
にも満たない」とホームズから聞かされたピーターソンは失神しそうになります。



そして「ベーカー氏を探さなくては」と言い、ベーカー氏宛てのメッセージを主要
な夕刊の全てに広告に出す様に指示しました。
「宝石は?」と聞くピーターソンにホームズは「私が預かる。 私の博物館に」
と言い 一方、ベーカー氏に返すためのガチョウを一羽用意する様に言いつけ
ました。



そんな中、刑務所に入れられたホーナーはブラッドストリート警部に宝石をどこに
隠したのか問い詰められていますが 身に覚えがないと言い募っています。
(今回はレストレードでもグレッグソンでもなく あまり登場した事がないブラッド
ストリート警部です)




一方221Bでは、ホームズがこの宝石に纏わる話を続けています。
SH : 古い宝石となると血生臭い事件の結晶だ。
JW :  これは南シナ海のアモイ川で発見された柘榴石のあらゆる特徴を備えなが
    らただ1つ紅では無く青いので有名になった。 世に出てわずか20年だ」
SH : 「だが既に忌まわしい歴史の主だ」
と話し合っている所に、新聞広告を見たヘンリー・ベーカー氏が訪れます。



ベーカー氏に帽子が氏の持ち主である事を確認した上で、例のガチョウは処分して
しまったが 別のガチョウを用意してある旨をつげます。

そして、前のガチョウは何処で入手したのか是非教えて欲しいと尋ねました。



ベーカー氏によれば、クリスマスにガチョウを貰う為に「ガチョウクラブ」でお金
を積み立てていたので最後の支払いをしてガチョウを受け取る為仕事帰りにアルファ・
インに一杯飲みに立ち寄った。 その後ガチョウを受け取り アルファ・インを出
た所で酔ったならず者に絡まれ店のガラスを割ってしまったので ガチョウと帽子
を残して慌てて逃げ帰ったのだと言う事でした。



話し終わり 代わりのガチョウを持って安心して帰ったベーカー氏を送り出したホー
ムズは彼は宝石には無関係だと判断しました。



夕食の支度の為にハドソンさんがやって来ますが、「熱々の事件を追うんだ」と言い2人
は外出しました。
ハドソンさん「こっちは冷めますよ!」とお怒りです。



アルファ・インを訪れ店主にヘンリー・ベーカーに渡したガチョウの仕入先を尋ねます。
「どこのガチョウだ?」と聞くホームズに 店主はコベントガーデンで仕入れたと言い
ますが さらに仲買人は誰だと尋ねました。
仲買人の名がブリッケンブリッジである事を聞き出したホームズは頼んだビールを
飲むのもそこそこに店を出ます。 ビールを飲もうとしていたワトソンも慌てて後を
追います。

情報を得たホームズは寒くて嫌がるワトソンを急き立てて南に(コベントガーデン)
へ向かいました。



牢獄ではホーナーが面会に来た妻に盗みはしていないと必死で訴えかけています。

雑然とした夜の街を行くホームズとワトソンは仲買人の店を探し出しました。



仲買人に「ここのは良いガチョウだと勧められた。 何処で仕入れたのか?」と
尋ねるホームズに対し 店主は「言う気はない」と頑な態度を取ります。

すると突然に、
SH : 賭けけはなしだ!
JW : What ? 何の賭けだ? (突然の言葉に怪訝な様子です)。
SH : 僕はガチョウの味にはうるさいんでね。 あれが田舎で育った鳥だとこの男  
    と賭けたんだ。
JW : ???


このやり取りを聞いた仲買人は、「賭け?」と乗り出してきました。
「じゃ負けだね。 ガチョウは町育ちだ」と得意そうに言うが 悔しそうに認め様と
しないホームズに対し、「あんたの強情さを直す意味で1ポンド!」。
「乘った!」と受けるホームズに仲買人は証拠の仕入先の帳簿を見せました。



その中にブリクストン通りのオークショット夫人の名を見つけたホームズは仲買人
に掛け金を払いました。
「そのダンナには?」と言われたホームズは渋々ワトソンにも1ポンド払いました。
にんまりするワトソン。





その場を離れた2人ですが、ワトソンが「Well done Holmes ! 良くやった!」
と言いホームズに掛け金を返しました。(良い人だ)

(このシーンを長々書きましたが、この場面はBBC版 The Hounds of the Baskervilles
の中に引用されていますので、比較してみようと思いました)

- Cross Keys Innでフレッチャーから話を聞き出そうとしたシャーロックがやって来た
ジョンに突然に ”Bet's off, John, sorry” 「ジョン、悪いが賭けはなしだ」、”What ?” 
「なんだって?」と戸惑うジョン。
フレッチャーに、 ”Oh, I bet John here 50 quid that you could'nt prove you'd seen the
Hound" 「あぁ、君が魔犬を見たって証明出来ないってジョンと50ポンド掛けたんだ」。

賭け事の好きそうなフレッチャーに対していきなり芝居を打つシャーロック。
それに対して一瞬戸惑いながらすかさず話を合わせフォローするジョン。 良い相棒に
なったなぁと嬉しい場面でした。
この時もシャーロックは渋々掛け金をジョンに払っていました。
(余談ですが、”quid”は ポンドの略式表現だそうです)。




途中ですが 
・・・・・to be continuedです。



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