読書感想 「精神科医がすすめる これからの生き方図鑑」
私は小学校教諭を33年間続けてきた。教師生活33年と言えば「ベテラン」と呼ばれる。
そして、自分の教え方の型なども定まり安定した学級経営ができる・・・と思い、思われている。
更に長く仕事を続けていると「自分のやり方」が固まり、変えるのは難しい。
例えば、数年前に教育現場に導入された「タブレット」
教師自身が使うのもやっとなのに児童に使わせるなんてもうどうしたらいいのか?
機会が苦手な私は教育界のICT活用の波に取り残されないようにするのがやっとという状況だ。
本書「これ生き」は7月20日に発売された。
「夏休みになったら読もう。」
と7月21日に手に取ってコツコツと読み続けてきた。
読んでいるときに
「がーーーん!」
と頭を殴られるようなショックを受けた個所があった。自省のためにその時の思いを書き綴っていく。
16 これからは「気が利く人」になる
この項目を読むまで、自分は職場でそれなりに気が利く人間のつもりでいた。例えば、
・廊下にゴミが落ちていたら拾って捨てる。
・掲示物が剥がれているのを見たら、黙って貼り直しておく。
・体育館で朝会がある日は朝のうちに開錠し、窓開け、掃除をしておく。
・連絡や報告がある時、相手が忙しくないときを待って行う。
・連絡用の黒板(ホワイトボード)の記述に不明点(間違い)があることを見つけたら、
後でトラブルにならないように早めに管理職に伝える。
などを日常的に行ってきた。自分もまんざらではないと勘違いをしていた。
しかし、本書のP98 チーズのイベントのエピソードを読んだとき、
「これは、自分のことではないか?」
と激しくショックを受けた。
私の指導スタイルの1つとして
① 一斉指導で短く、わかり易く(と、自分では思う)説明をする。
② 質問を受ける。
③ 質問に答える。
④ 次の説明に移る。
というのがある。
長い説明の時には、これを何度か繰り返していく。
その時②の児童からの質問で、一斉指導で説明したことを質問されると、
『さっき話しました。』
と答えるようにしていた。これは、
「話をちゃんと聞くんだよ。」
という子ども達へのメッセージだと信じて長年続けてきた。
子どもは先生の話を聞いていなくても質問すればまた教えてくれると甘えてしまうと話を聞かなくなってしまう
と思ってきたからだ。
しかし、この指導は、
「チーズの名前が分かりにくい」
ことを樺沢先生が伝えたときの気が利かないスタッフの言葉
「チーズの名前はあそこに書いてあります。また先ほど放送でチーズの名前をお伝えしました。」
と同じではないか?と感じたのだ。
小さな子供のことだから、気がそれてしまうこともあるし、
たまたま、聞き取れなかったこともあるかもしれない。それなのに私は、
『さっき話しました。』
と答えていた。まるで、聞いてなかった君が悪いのだ!と言っているみたいに。
なんて意地悪で、なんて気の利かない対応なのか?と顔から火が出るような思いだ。
相手が大人だったら同じように言うだろうか?
いや、言わないだろう。相手がこどもだから
『さっき話しました。』
と言ってきたのだ。
もちろん、話を1回できちんと聞き取れるようになってほしいという願いからの対応だったが、
客観的に振り返るととても意地悪な感じがする。
子どもは大人を手本にして育っていく。私のクラスの児童は私の言動を真似して育っていく。
休み時間には、私の口ぐせを使って会話をしている児童もいる。
1学期、授業中に学習内容が分からなくて困っている子に優しく教えてあげている子がいた。何人もいた。
その子たちは、けして
「さっき、先生が説明してたじゃないか!」
「こんなこともわからないの?」
なんて言わない。優しく、優しく、困っている子に教えてあげていた。
今ならまだ間に合う。
質問するということは、
「わかりたい!」
というやる気のある子なんだ。
そのやる気をつぶしてはいけない。
もし
説明したばかりのことを質問されたら
・もう一度、丁寧に説明する。というプランBもあるし、
・「今の質問に答えられる人はいますか?」
と他の子に振るというプランCも考えられる。
この場合、答えた子を褒めることもできるし、
質問した子からその子が感謝されるという温かい関係を作ることもできる。
そのような対応を「真似してほしい対応」としてこれからはしていくようにしよう。
優しい言動ができる子が増えることを願って。
チーズイベントでの気が利かないスタッフの話から自分の対応のおかしさを見直すことができた。
また、自分のクラスの子供達の様子から改めて学ぶ機会を得ることもできた。
夏休みが明けて、新学期
新しく生まれ変わった、優しい先生となるために忘れないようにここに書かせていただいた。
で、1つ
疑問が残りますよね。
「話が聞けない子 聞くのが苦手な子」は
甘やかしていいのか?
これについては、
「他の方法で、話を聞く力を育てればいい。」
というのが、現段階での答えだ。
・子供と目を合わせて話をする。
・聞くのが苦手な子の近くに行って、話をする。
などのノンバーバルな技術を使うのも手だ。
今回のこの気づきをもとに
自分の教師としての修行にはまだまだ足りないことが多いと自覚し、
夏休み中に修行を続けていくことを誓って
今回の読書感想のまとめといたします。
私は小学校教諭を33年間続けてきた。教師生活33年と言えば「ベテラン」と呼ばれる。
そして、自分の教え方の型なども定まり安定した学級経営ができる・・・と思い、思われている。
更に長く仕事を続けていると「自分のやり方」が固まり、変えるのは難しい。
例えば、数年前に教育現場に導入された「タブレット」
教師自身が使うのもやっとなのに児童に使わせるなんてもうどうしたらいいのか?
機会が苦手な私は教育界のICT活用の波に取り残されないようにするのがやっとという状況だ。
本書「これ生き」は7月20日に発売された。
「夏休みになったら読もう。」
と7月21日に手に取ってコツコツと読み続けてきた。
読んでいるときに
「がーーーん!」
と頭を殴られるようなショックを受けた個所があった。自省のためにその時の思いを書き綴っていく。
16 これからは「気が利く人」になる
この項目を読むまで、自分は職場でそれなりに気が利く人間のつもりでいた。例えば、
・廊下にゴミが落ちていたら拾って捨てる。
・掲示物が剥がれているのを見たら、黙って貼り直しておく。
・体育館で朝会がある日は朝のうちに開錠し、窓開け、掃除をしておく。
・連絡や報告がある時、相手が忙しくないときを待って行う。
・連絡用の黒板(ホワイトボード)の記述に不明点(間違い)があることを見つけたら、
後でトラブルにならないように早めに管理職に伝える。
などを日常的に行ってきた。自分もまんざらではないと勘違いをしていた。
しかし、本書のP98 チーズのイベントのエピソードを読んだとき、
「これは、自分のことではないか?」
と激しくショックを受けた。
私の指導スタイルの1つとして
① 一斉指導で短く、わかり易く(と、自分では思う)説明をする。
② 質問を受ける。
③ 質問に答える。
④ 次の説明に移る。
というのがある。
長い説明の時には、これを何度か繰り返していく。
その時②の児童からの質問で、一斉指導で説明したことを質問されると、
『さっき話しました。』
と答えるようにしていた。これは、
「話をちゃんと聞くんだよ。」
という子ども達へのメッセージだと信じて長年続けてきた。
子どもは先生の話を聞いていなくても質問すればまた教えてくれると甘えてしまうと話を聞かなくなってしまう
と思ってきたからだ。
しかし、この指導は、
「チーズの名前が分かりにくい」
ことを樺沢先生が伝えたときの気が利かないスタッフの言葉
「チーズの名前はあそこに書いてあります。また先ほど放送でチーズの名前をお伝えしました。」
と同じではないか?と感じたのだ。
小さな子供のことだから、気がそれてしまうこともあるし、
たまたま、聞き取れなかったこともあるかもしれない。それなのに私は、
『さっき話しました。』
と答えていた。まるで、聞いてなかった君が悪いのだ!と言っているみたいに。
なんて意地悪で、なんて気の利かない対応なのか?と顔から火が出るような思いだ。
相手が大人だったら同じように言うだろうか?
いや、言わないだろう。相手がこどもだから
『さっき話しました。』
と言ってきたのだ。
もちろん、話を1回できちんと聞き取れるようになってほしいという願いからの対応だったが、
客観的に振り返るととても意地悪な感じがする。
子どもは大人を手本にして育っていく。私のクラスの児童は私の言動を真似して育っていく。
休み時間には、私の口ぐせを使って会話をしている児童もいる。
1学期、授業中に学習内容が分からなくて困っている子に優しく教えてあげている子がいた。何人もいた。
その子たちは、けして
「さっき、先生が説明してたじゃないか!」
「こんなこともわからないの?」
なんて言わない。優しく、優しく、困っている子に教えてあげていた。
今ならまだ間に合う。
質問するということは、
「わかりたい!」
というやる気のある子なんだ。
そのやる気をつぶしてはいけない。
もし
説明したばかりのことを質問されたら
・もう一度、丁寧に説明する。というプランBもあるし、
・「今の質問に答えられる人はいますか?」
と他の子に振るというプランCも考えられる。
この場合、答えた子を褒めることもできるし、
質問した子からその子が感謝されるという温かい関係を作ることもできる。
そのような対応を「真似してほしい対応」としてこれからはしていくようにしよう。
優しい言動ができる子が増えることを願って。
チーズイベントでの気が利かないスタッフの話から自分の対応のおかしさを見直すことができた。
また、自分のクラスの子供達の様子から改めて学ぶ機会を得ることもできた。
夏休みが明けて、新学期
新しく生まれ変わった、優しい先生となるために忘れないようにここに書かせていただいた。
で、1つ
疑問が残りますよね。
「話が聞けない子 聞くのが苦手な子」は
甘やかしていいのか?
これについては、
「他の方法で、話を聞く力を育てればいい。」
というのが、現段階での答えだ。
・子供と目を合わせて話をする。
・聞くのが苦手な子の近くに行って、話をする。
などのノンバーバルな技術を使うのも手だ。
今回のこの気づきをもとに
自分の教師としての修行にはまだまだ足りないことが多いと自覚し、
夏休み中に修行を続けていくことを誓って
今回の読書感想のまとめといたします。