田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

母親のよろこび    麻屋与志夫

2012-08-27 05:54:13 | ブログ
8月27日 月曜日

●Yスパーのレジ。
カミサンのバスケットが重そうだ。
レジのかたわらで会計のすむのをGGは待っていた。
このお店に勤務しているAくんのお母さんがとおりすぎだ。
ニコッと笑顔で会釈してくれた。
すごくウレシそうな頬笑み。
そこでわたしはふり返った。
レジをうっている大きなマスクをした少年。
――Aくんだった。
親子して同じ職場で働けるなんてluckyだな。
とおもった。
あの笑顔は――。
母親のいままでの苦労がみのったよろこびの頬笑みだったのだ。
お母さんをソンケイシテイタAくんだ。
同じ職場で働ける。
かれも満足だろう。
わたしの胸にも明るい暖かなものがともった。

●学習塾の主宰をながくやっている。
小さな町だ。
塾生の家庭の悩みまできけてくる。

●親たちに期待されたような成績がとれない。
塾生の悲しみや悔しさ――そのために生じる家族の痛み。
いろいろな重圧をGGも背負いこむことになる。

●教え子が入試に失敗でもすると、その生徒の無念の氷塊を胸に抱え込むことになる。
悔恨の情を分かち合うことになる。

●こころの暖まるようなことはめったに起きないものだ。

●長い子育ての苦労がむくわれた。
そうしたよろこびの現場にたちあうことができた。
小さな町で塾をやっているからこそできた価値ある体験だった。

うれしかった。

 

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