田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

少年は大谷翔平に憧れる。 麻屋与志夫

2024-07-15 04:49:33 | わが家のニーユス
7月15日 月曜日
ひとはだれかにあこがれる。そのひとの職業にも。
わたしは12歳。旧制中学さいごの入学生、人生で一番多感なころだった。
あこがれの対象は川上哲治。赤バットがいまでもイメージとしてのこっている。もちろんテレビのないころだ。少年むけの雑誌のグラビヤでみた。

そこで野球部に入ろうとグランドに見学に行った。
座布団を荒縄でくくりつけていた。打球がキンゾク音をたててとぶ。硬球野球をはじめてみた。それまでは、町内の少年たちで結成した『千手チーム』にいた。もちろん軟式だ。快音をあげて硬球の飛ぶのにおどろいた。でもそれから……。捕手が玉の直撃を玉にうけて、
ぶっ倒れた。ピョンピョンはねている。
「座布団を菱形にくくりつけるのだ。なんどもいっているだろう。バカ者」
監督の先生がわめいている。なるほど菱形にくくりつければ、男のなきどころに布団の角の部分くる。

わたしは先輩のくるしんでいるのをみてひるんだ。
もしあのとき野球部にはいっていたら友だちもおおぜいできて、それからの人生を賑やかにすごしたろう。
いま大谷翔平あこがれている少年は何億もいるのだろうな。


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