田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

色々なことのある春ですね。 麻屋与志夫

2018-03-16 07:02:50 | ブログ
3月16日 Fri.

●昨日は午後になってさらに暖かくなった。ジャンパーは脱いでコ―ディロイのシャッに着替えて買い出しにでかけた。おおきなリックに買いこんだ食料をたっぷりとつめこんで帰宅した。膝関節症も快癒して、爽快な気分で街を歩けるのはありがたいことだ。エビスビールも買った。ローソンの「デカ焼鳥」のモモタレも二本買った。

●「アサヤ塾」の受験生もそれぞれ第一志望の県立高校に合格した。これでウキウキしない方がおかいい。春だ。春だ。小説も書きまくるぞ、と意気軒高。

●カミサンとコップ一杯だけビールを飲んでから、遅い昼食を食べた。ビールはコップ一杯。お酒は一合と決めている。それも二日オキ。健康に配慮している。ともかく書きたい小説の半分も書ききっていない。これからが人生楽しいことが山積しているのだ。あせらず、急がずガンバって生きぬいてみせる。

●人づきあいは断固、断シャリの生活。田舎町の自然を楽しみ、東京では美術館めぐり。まだまだやりたいことがありすぎる。

●「高い授業料を払って塾にやったのに……落ちちゃって、ほんとにバカ息子だわ」ベニマルのフロントで子どもをドズキながら立ち話をしている母親がいた。小柄な学生服の子はショボンとしていた。一生懸命、受験勉強したことは、ムダにはならないよ。と励ましてやりたかったが、ヤメタ。人前でじぶんの子どもをバカ呼ばわりする母親には、なにをいっても理解してはもらえないだろう。

●お酒を飲みながら、目撃してきたばかりの小さな悲劇を思いだしてしまった。

●受験に失敗した子のことを思うと手放しで酔うことはできなかった。

●いろいろなことのある春だ。



●ブログに発表した小説は下記の通り角川の「カクヨム」にまとめてあります。ぜひお読みになってください。

ムンク「浜辺の少女」は吸血鬼だよ/麻屋与志夫

愛猫リリに捧げる哀歌/麻屋与志夫

吸血鬼処刑人/麻屋与志夫
あらすじ。 伊賀忍者、百々百子率いるクノイチ48は帝都に暗躍する吸血鬼に果敢な戦いを挑んでいた。百子は帝都東京で起きる「人を殺してみたかった。だれでもよかった」という凶悪犯罪の…の背後に吸血鬼の影が。



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「わたしと美しい階段をみにいきませんか」 麻屋与志夫

2018-03-14 10:22:41 | 夢見るGGの夢占い
3月14日 Wed.

●また夢をみた。

●ピアノのリサイタルの会場だ。
場所はどうやら教会らしい。
ピアニストは孫娘のNのようでもあるしその兄のDのようでもある。
妻は遅れてきたので離れて座っている。
絶妙な調べとゆびの動きをみているうちに、みみもとでピアノの音が途絶えた。

●かたわらに愛らしい女性が立っている。
「わたしと階段を見に行きませんか」
なにをいわれているのかわからない。
誘われていることだけは確かだ。
沈黙していると「美しい階段です」とさらに女性はつづけた。
瞳が綺麗な緑色をしている。

●谷中銀座の「夕焼けだんだん」のことでもいっているのだろうか。

●「わたしひとりでは寂しくて」

●ああこれは、天国への階段をいっているのだと夢の中で理解した。
美しい天国への階段を一緒に登ろうと誘われているのだ。
この女性はブラッキ―だ。
ブラッキ―がもうすぐ死ぬのだと、夢の中で、夢判断をしていた。

●「ごめんな。小説をかくことと、彼女がいなければ、一緒にいってあげてもいいのに」
わたしは視線の先にカミサンをとらえていた。
彼女は熱心に孫の弾くピアノに聞きいっている。





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「長い長いズボンの夢」 麻屋与志夫

2018-03-12 11:31:08 | 夢見るGGの夢占い
3月12日 Mon.
長い長いズボンの夢を見た。

●どうやらわたしは高校のときの講堂にいるらしい。戦後は、講堂がなくなり体育館になってしまった。だからいまわたしがいるのが講堂だとすれば、ここは、敗戦直後のわたしが学んだ高校だ。そんなことを真剣にかんがえているじぶんがいた。じぶんの行動を上から見下している。

●わたしは講壇に立っていたが、ふいに反物のようにまるめていたものを広げだした。長いズボンだった。聴衆席まで下りてずっと一番うしろの席まで広げた。現実にはあるわけのない、長い長いズボンでこれをはける人間などけっして現実には存在しない。

●卒業式らしい。集まっていた学生たちが、ズボンの布地にふれて感心している。なにに、感心しておどろいているのかわからない。その布の感触におどろいているようでもある。現実にはありえない新しい素材なのかしれない。

●「これは紀元2600年も前からあるズボンです」そんな昔の人がズボンをはいていたなんてことはないだろう。だがわたしはそうまわりの学生に解説している。どうやら周囲にいる学生は同級生らしいのだか見覚えはない。青白く死人の肌をしている。「みんな死んじまって、どうしてだよ」わたしは話しかけている。「どうして――」

●おかしな夢をみたものだ。

●寝る前に先日外出したさいにはいたズボンが丁寧におりたたんでベッドの上にあったのでクロウゼットにしまった。半世紀も前に、銀座の英国屋でかったディオールのブランドものだ。いまは貧窮しているのでブランドモノなど買えないが――。

●なんとも夢判断がなりたたないので検索した。すると――。
「ズボンは男性のシンボルでバイタリティや行動力といった事をあらわしています」と解説してあった。

●長いズボンはわたしの生命力の象徴なのかもしれない。周囲にいた同級生はもうみんな死んでいる。わたしの長命を羨望しながらズボンの布地にふれていたのかもしれない。



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ホネカワスジ猫エモンのブラッキーをだきしめる。 麻屋与志夫

2018-03-11 09:33:05 | ブログ
3月11日 Sun.
骨皮筋ネコえもん

●夜半、ふと目覚めるとブラッキ―がわたしのかたわらにもぐりこんでいた。わたしは抱き枕のようにブラッキ―をかかえて寝ていた。

●道理で胸のあたりが、ポカポカしている。しんしんと更けていく初春の夜、真冬のような寒さがぶりかえしていた。就寝前に、ノドが痛み、からだがふるえるので風邪薬を飲んだ。それで眠りが深くブラッキ―が寝床にはいりこんできたのに気づかなかったのだ。

●若いときはすこしくらいノドに痛みがあっても、お酒でも飲んでグッスリ眠れば翌朝はケロリと治っていたものだ。そういった自己治癒力が年相応に弱くなってしまった。

●そのうえ、ノドが痛いので、風邪薬を飲むと便秘する。便秘すると痔がとびだす。風邪薬。便秘。痔。三題話みたいになってしまう。下品な下ネタになってしまいそうなので、この先は書かないほうがよろしいようで――ソウダネ、やめておきます。

●話をもどします。ブラッキ―はスヤスヤと寝息をたてている。寝息だけはいまもむかしもかわりない。まなざしもかわっていない。上目づかいにジッと見つめられるとゾクッとするほどかわいらしい。

●近頃街を歩いていても女性が、道端の木石を見るような視線しか向けてこない。これでも若いときはけっこうハンサムだったのになどとGGは嘆く。

●視線を向けてくれるのはまだありがたい。こちらが透明人間になったのではないかと不安になることがある――視線がわたしを透けてとおりぬける。無視されている。

●このところさらにやせ細りひとまわり小さくなったブラッキ―を胸にだきよせた。



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怪談書きませんか/栃木芙蓉高校文芸部
著者麻屋与志夫
250円(+税)  (税込 270円) 

古い怪談のある栃木。いま新しい怪談誕生。恐怖、戦慄保証付き
栃木には大中寺の七不思議の伝説がある。特に『馬首の井戸』が有名だ。
上田秋成の日本吸血鬼物語の嚆矢(こうし)ともいわれている『青(あお)頭巾(ずきん)』も広く知られている。この物語も栃木が舞台だ。
―― その土地は、いま外来種ル―マニヤ吸血鬼の侵攻(しんこう)を受けている。
吸血鬼監察官の文子と龍之介は敢然(かんぜん)とその敵に立ち向かう。
龍之介のジイチャン翔太も愛する九(きゅう)尾(び)玉(たま)藻(も)と、命がけの抵抗をする。二組の恋人同士が最後にたどりついた境地(きょうち)。
1000年の時空(じくう)を超えた愛の不滅(ふめつ)の物語。
あなたは恐怖し、そして純愛に涙する。

角川ブックウォーカーで検索してください。
ジャンル文芸レーベル惑惑星文庫出版社名惑惑星









「そうだね。あなたの作品には春は訪れないのかもね」 麻屋与志夫

2018-03-10 03:55:15 | ブログ
3月10日 Sat.

●昨日は朝からの雨がふったりやんだりしながら一日つづいた。夜になって荒れ模様となり、ときおり風をともなってトタン屋根をはげしくたたいたりしていた。

●これは、春をよぶ雨だ。雨があがり陽光が射してくると、草木の芽がいっせいにふくらみ、新芽がふきだすだろう。

●そういえば、小説を投稿しておいたが、今月の末には、結果がでる。あまり期待はしていない。「またつまらないものを書いてしまった」と自嘲しているが、心の底では、もしかすると……いう気持ちもあることは確かだ。

●二十代で雑誌デビューをはたして、文筆生活にはいったのだが、このところ鳴かず飛ばずのテイタラクだ。過去の栄光? をとりもどそうとここまできたが、じぶんの才能の無さ、武運のつたなさにほとほとつかれはてた。こんなことではいけない。こんなところで、ヘコタレテはダメだ。

●「おれの作品には春はこないのかな」
「そうだね。あなたの作品には春は訪れないのかもね」
せめてカミサンには励ましてもらいたいのだが――。あわれなGGの努力を見ていられないのだろう。
「もういいから。静かな余生をすごしましょう」
ソウダネ。とはいえない。棺箱(ガンバコ)にはいっても書きつづける。それが男の意地だ。心意気だ。



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―― その土地は、いま外来種ル―マニヤ吸血鬼の侵攻(しんこう)を受けている。
吸血鬼監察官の文子と龍之介は敢然(かんぜん)とその敵に立ち向かう。
龍之介のジイチャン翔太も愛する九(きゅう)尾(び)玉(たま)藻(も)と、命がけの抵抗をする。二組の恋人同士が最後にたどりついた境地(きょうち)。
1000年の時空(じくう)を超えた愛の不滅(ふめつ)の物語。
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85歳のスタートライン。 麻屋与志夫

2018-03-09 09:17:23 | ブログ
3月9日 Fri.

●雨は黎明になっても降りやまなかった。この時間帯がいちばん冷え込むのだが、さすがに3月ともなれば5°を下回ることはない。二階から見下すと解体工事は順調にすすんでいる。廃材の山に春の雨が静かに降っている。

●宝蔵寺がよく見えるようになった。ぼんやりと、お寺の山門を眺めながらもの思いに耽った。集団疎開のともだちにセッセとサツマイモをさしいれしてあげてから、お寺の外廊で、山中峯太郎「亜細亜の曙」などを読んだ。どんなことを話していたのか、すっかりわすれてしまっているが、読んだ本の内容はよく覚えている。そのころから、すでに小説家になりたいという無謀な希望をいだいていた。

●戦時中ということもあったのだろうが、本屋さんに本はなかった。図書館も、学校の読書室もなかった。上田町に「小野口さん」という古本屋、兼貸本屋さんがあって、わたしはそこの常連で、子どもが借りられる本はすべて読みつくしていた。病院や歯科院の待合室、友だちの家の本と、手当たりしだいに本を読んでいた。大きな風呂敷づつみをかかえて、街を右往左往していた。楽しくもほろ苦い思い出だ。

●小説家になりたいという少年は異物としか思われなかったから、いまの小学生ではとても耐えられないだろうというような迫害をうけた。クラスに朝鮮人の子がいて、彼とわたしが、イジメの対象だった。二人で、歯をくいしばって残酷なイジメに耐えた。

●わたしは小説家になって、この現実を書きとめて置くことが使命だと思っていた。

●ふと現実にもどると、わたしは85歳になろうとしている。ロクな作品しか書いていない。いつになったら、この作品がわたしの作家生活の出発となったといえるような自信作が生まれるのだろうか。

●これからだ。ここがわたしの作家としての85歳のスタートラインだ。と言いたいものだ。



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―― その土地は、いま外来種ル―マニヤ吸血鬼の侵攻(しんこう)を受けている。
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木造家屋解体機が思い出を破壊している。 麻屋与志夫

2018-03-08 10:14:50 | ブログ
3月8日 Thu.

●朝。重機の唸り声で目覚めた。二階の書斎兼寝室の北側の窓からのぞくと、裏の空き地の先の長屋の解体工事がはじまっていた。木造家屋解体機がもう動きだしていた。昔とは違い手作業ではない。屋根を外し、柱を一本一本抜いて、再利用できるものはする。そうした配慮のある壊しかたではない。

●重機の巨大なハサミで引きぬいたり、ネジ切ったり、叩きつけて破壊する。木片の断片がすでに、うず高く積まれていた。まことに効率的な仕事ぶりだ。

●ひだりから三軒目が福田さんという建具屋さんだった。ここに立川市曙町から戦時中同級生の新井隆君が縁故疎開してきた。六年生の時だ。いまから72年? 前になる。

●隆くんから「大菩薩峠」を借りて読んだ。すぐ裏だったので、毎日遊んだ。隆君の本は全部読ませてもらった。終戦で直に東京にもどってしまった。それから6年もたってから訪ねて来てくれた。「ぼくは立教大学を受験すらからおいでよ。またふたりで一緒に勉強できるよ」と誘われたときはうれしかった。

●わたしの妻も疎開児童だった。都会育ちなのでブヨに刺されて肌が赤くはれ、膿み、ひどかった……とよく話している。そういえば、隆くんの二人いた妹さん達も足に包帯を巻いていたのが痛々しかった。

●わたしたちの世代ではまだ戦争の記憶は終わっていない。思いでの家屋は解体されても、わたしたちの悲しい記憶は残っている。

●家屋の解体が進み、その陰になっていた宝蔵時がよく見えるようになった。集団疎開で牛込区の津久戸国民学校の生徒が疎開してきていた。夕暮れ時になるとぼんやりと南の東京の空を見上げていた。みんな元気なのだろうか。

    

    

    

    


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世の中なにが起きるかわからない。 麻屋与志夫

2018-03-07 11:08:03 | ブログ
3月7日 Wed.

●ビバホーム鹿沼店駐車場で車両火災があった。焼き鳥鳳凰の車が燃えた。

●いつもより遅れて買い物に出た。カミサンが上都賀病院で中性脂肪の検査をしてもらっていたので、家を出るのが遅い時間になった。もしいつも通り正確に12時少し過ぎにベニマルにでかけていたら、ちょうどこの爆発火災事故にあっていたことだろう。焼き鳥鳳凰の車の脇を通る時間だった。

●12時44分頃に車両火災が発生したとのことだ。わたしは真っ黒に、みるかげもなくなった車をみて唖然とした。幸い怪我人はでなかったらしい。事故の起きた時間に車の脇をトオル可能性があっただけに、みぶるいした。

●車のすぐそばを通って食べていない焼き鳥のニオイだけを嗅いで「いい匂いだ」なんていつも言っていただけに、恐怖すら感じた。

●世の中なにが起きるかわからない。一寸先は闇だ。


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リリのことを想い出しています。 麻屋与志夫

2018-03-05 01:54:16 | ブログ
リリよ

冷凍室をあけると薄緑のアイスノンが目につく
リリは一晩この人工の氷にひやされていた
ほんとうは
人肌であたためていたかったのだが
かなしくてそれができなかった
週刊誌大の氷のうえで
ひと晩独りぼっちだったのだね
リリ
つめたかったろう
リリ
さびしかったろう

こころぼそかったろう
くやしかったろう
病気にさえならなければ
まだまだ生きていられたのに
たった1年8カ月のいのちだったね

腐敗したっていい
腐臭を部屋に充満させたっていい
氷で冷やしておくなんてこと
しなければよかった
腐って
臭くて
リリのことがイヤニなっていれば
リリの
みにくい容姿をみていたならば――
こんなにかなしまなくてすんだ

リリ、リリ、リリ
おまえはさいごまで
かわいいかった

あまりにあいらしいので
「リリ、カワイイ」
ワタシタチノ言葉に応えて
目を細めて
よく――
くるりとよこになったね

あの
あいらしいすがた
いまでも目にうかぶよ

どうして人間のかんがえから
ぼくらはぬけだせないのだろう
かなしいよ
かなしいよ
氷のうえに置き去りにして
ゴメンよ
ほんとうは
庭の隅に埋めたかった
土葬にして
毎日涙をながして
おまえの上にそそいだら
猫の木の芽が
でたかもしれない
大木になったら
ぼくは
おまえに寄りかかって
まいにち、嘆きの詩を
きかせてやれたのに
おまえは
一握りの
骨と灰になってしまった

2016,5


この季節になると、病んで死んでいったリリのことを思い出す。
旧作を再録して彼女を偲んだ。



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青鷺の飛来。 麻屋与志夫

2018-03-04 03:19:12 | ブログ
2月28日
 前の平沢さんの瓦屋根の上に青鷺が止まってこちらをじっと見ていた。
こんなことは初めてのことなので、なにかの吉凶かと検索してみたら、あらおどろいた。
金運がまいこむ前兆とのことだ。
青鷺とはさきほど帝国繊維のこちら側の河川敷で出会って会話を交わして来たばかりなのだ。ほかに青鷺はいない。
あの青鷺がここまで飛来したとしたら、どういうことなのだ。
わたしはものすごい神秘体験だとおおさわぎしているのに妻は冷静だ。

なお、青鷺の写真は妻のブログ「猫と亭主とわたし」で御覧下さい。


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