(月曜の朝は仕事する気になれない。最悪だ……)
よしこはカウンターに座りながら、心の中で嘆いた。
「金をだせ」
いつの間にか男がカウンター越しに立っていた。
手にはサラダを取り分ける木製のトング。
(えっトング?)
「どうぞ冷静に、落ち着いてください」
「いやちがうがな。これはんこや」
「はんこ?」
男はトングの後ろ側を引っ張った。 すると、蓋が取れて、なるほどはんこが内蔵されている。
「そうや、で、これが通帳から引き出す金額を書いた伝票と通帳や。わしの金を出せって言うてるだけや」
「なるほど、そういうことですね」
よしこは気を取り直して声を返す。「どうしてトングをはんこにしようかと思われたのですか」
「これな、箸もついてるし、ナイフもあるし、フォークも、スプーンもハサミもついてるねん。だから、わし、「じゅっとんぐ」ナイフって言うてるねん」
男は得意げに、トングの機能をよしこに見せる。
(月曜の朝っぱらから最悪だ)
よしこはそう思った。
よしこはカウンターに座りながら、心の中で嘆いた。
「金をだせ」
いつの間にか男がカウンター越しに立っていた。
手にはサラダを取り分ける木製のトング。
(えっトング?)
「どうぞ冷静に、落ち着いてください」
「いやちがうがな。これはんこや」
「はんこ?」
男はトングの後ろ側を引っ張った。 すると、蓋が取れて、なるほどはんこが内蔵されている。
「そうや、で、これが通帳から引き出す金額を書いた伝票と通帳や。わしの金を出せって言うてるだけや」
「なるほど、そういうことですね」
よしこは気を取り直して声を返す。「どうしてトングをはんこにしようかと思われたのですか」
「これな、箸もついてるし、ナイフもあるし、フォークも、スプーンもハサミもついてるねん。だから、わし、「じゅっとんぐ」ナイフって言うてるねん」
男は得意げに、トングの機能をよしこに見せる。
(月曜の朝っぱらから最悪だ)
よしこはそう思った。
差すような水の冷たさで目を覚ました。
ここはどこだ。
張り紙がある。
「カギを取ることも、取らないこともできる」
取る→2
取らない→3
2)引き出しを開ける。小箱の鍵に関するヒントのようだ。
3)増え続ける水は止まらない。END
つづく