鬼吉は目を覚ました。横になったまま目だけで辺りをうかがう。どこまでも見渡す限り白く、何もない世界がそこにあった。
想像とは違うが、おそらくここが「あの世」なのだろうと鬼吉は感じた。
閻魔に会うために覚悟はしていたが、ここまで「二つ鬼」になすすべがないとは思わなかった。舌打ちの後、くちびるをかみしめ、鬼吉は立ち上がった。どこに向かえば良いのかも分からないまま、とりあえず一歩、足を踏み出す。
「待て」
鬼吉は背後から誰かに呼び止められた。
想像とは違うが、おそらくここが「あの世」なのだろうと鬼吉は感じた。
閻魔に会うために覚悟はしていたが、ここまで「二つ鬼」になすすべがないとは思わなかった。舌打ちの後、くちびるをかみしめ、鬼吉は立ち上がった。どこに向かえば良いのかも分からないまま、とりあえず一歩、足を踏み出す。
「待て」
鬼吉は背後から誰かに呼び止められた。