日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
http://onimimicola.jimdofree.com

◎本日の衝動買い(ロボコップ)

2016年07月23日 | ◎これまでの「OM君」
胸のボタンを押すとえげつない音量のジェット音がしばらく響き渡ります。
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◎本日のお話「スピード取締りの取引」

2016年07月10日 | ◎これまでの「OM君」
前方には赤い旗を振っている警察官がいる。
しまった
瞬間的にそう思ったが時すでに遅し。
シートベルトは着用しているのでスピード違反で止められたに違いない。
案内されるまま進行すると、空き地にパトカーが止まっていた。
やはりそうか。
点数はあと何点残っていたかな。
罰金はいくらになるのか。
顔面は蒼白だ。
思考は停止した。

黒いサングラスをかけた警察官が近づいてきたので車の窓を空けた。
「あなたはこの地区のスピード違反取締りで止められた民間人5000人目となります。おめでとうございます」
その警察官の目元はサングラスのせいでよく見えない。
しかし口元は笑みを浮かべている。
発した内容がゆるゆると俺の思考に組み込まれた。
血が沸騰するのを感じた。
「おめでとうってどういう事ですか!」
黒めがねは慌てて取り繕った。
「イヤイヤ、ご主人、そう興奮なされずにお聞き下さい。本日あなたは時速60km制限のバイパスを85kmで走っておられた。点数で3点、反則金は25000円になります。どうです、痛いでしょう」
意味ありげに黒メガネはにやりと笑った。
「そりゃあ痛いですよ」
「じゃじゃじゃあですよ、5000人目の特典を利用された方がよろしいのでは」
「特典ですか」
「そうです。特典です。少し捜査にご協力していただきたい。その事実をだれにも言わないと約束願えれば、先ほどの罰則及び罰金はは免除となります。どうです悪い話じゃあ無いでしょう。」
わたしには選択する余地は無かった。

黒メガネに説明を受けた。
まずカードを渡された。
現金引き出し用のカードだ。
そして駅前のATMで現金を引き出すように指示された。
引き出した現金は速やかに渡すよう言われた。
どうも現在調査中の容疑者が使用していたカードらしく、本当に使えるかの調査をするとの事だった。

私は駅前の駐車場に自分の車を止めた。
そしてATMに向かった。

私は黒メガネの視線を背中に感じながら地下道を降りた。
そして外から見えない位置まで来たとたん猛ダッシュした。

息が切れる。
足がもつれる。
そんな事は気にしていられない。
ありったけの力で地下道の向こう側にある派出所に飛び込んだ。
私の必死の形相を見ておまわりさんはびっくりした。


一通りの説明をした。
そして黒メガネとの待ち合わせ場所を伝えた。
この場で待機するように言われる。

派出所を飛び出しながら振り返り、お巡りさんは、私に言った。
交通違反で取引など絶対にあり得ません。
私がその黒メガネをとっちめますと…
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◎本日のお話「懺悔する人々」

2016年07月09日 | ◎これまでの「OM君」
とある懺悔室。

「神父様お聞きください。私は人を殺めました。決して許される罪では無いとは思います。でも懺悔したいのです。」
カーテンの降ろされた小窓が音も無く開いた。
「神はそれでも許されるでしょう。続けなさい」
姿の見えない神父は穏やかにそう言った。
「あれは10年前。
結婚を考えておつきあいしていた女性がおりました。その女性からある日、別れを告げられました。いくら理由を聞いても答えてくれません。
何故なんだ。
寝てもさめても考えるのは彼女の事ばかり。

一目彼女の姿を見たい。
その一心で彼女のアパートの周辺を歩いていた時です。
偶然目撃してしまいました。
仕事仲間と一緒にアパートに入る彼女の姿を。
頭がかーっとしました。
裏切られた怒りに私の思考は支配されました。
当時、私は家業の運送業を営んでおりました。冷凍食品などを保管する巨大な冷凍庫を保持しておりました。
ここに二人とも閉じこめてしまおう。
私の頭の奥でどす黒い閃きがありました。
これしかない。
そう信じて疑いませんでした。

私は別々に二人を呼びだし、まんまと冷凍庫に閉じこめる事に成功しました。

あれから10年。
一度も冷凍庫の扉は開けていません。

神父様、このような作り話を長々と話してしまった私の罪を神様はお許しくださるでしょうか」

しばしの沈黙。

「そうですか、作り話、うそであって本当に良かったと思います」
神父は深いため息をついた。
「そうそう、私も一つ、許しを神にこう必要があります。
私は神父ではありません。
下世話に人々の懺悔を盗み聞きしているただの中年なのです。神はこんな私を許してくださるでしょうか」

この時、二人にはどこからともなく声が聞こえました。
「二人とも、有罪」
神はスマホをいじりながらそう言いました。
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