私は自分を見下ろしている。
奇妙な光景だったが、冷静だ。
私は掛け布団をはね飛ばし、うつ伏せで眠っていた。
昨夜、飲みすぎて終電間近でアパートにたどりついた。
メイクも落とさず着の身着のまま眠っている。
なんてだらしない女だろう。
自分でもそう思う。
実はこの離脱体験は私の得意技だ。
社会人になり、深酒をするようになってからしばしば発生するようになった。
はじめての時はさすがに焦った。
宙に浮かび、自分を見下ろす。
体に戻ろうとして宙を泳いだが、無情にも1mmも前には進まなかった。
焦れば焦るほど自暴自棄になった。
あー酒の飲みてえ~
そう思った瞬間、自分の意識は液体に浮かんでいた。この液体はワインだ。
テーブルに出しっぱなしのワインの瓶の中で浮かんでいた。
これはありがたい。
ワインをがぶ飲みした。
目を開けると、そこは自分のベットの上だった。
それからと言うもの、この状態になった場合は速やかにアルコールの液体にダイブする事になっていた。
しかし、今夜は全部飲んでしまった。
この部屋にはアルコールは無い。
しまった。
こういうところが自分のダメな所だ。
備えをおこたる。
さあ、どうしようか。
このまま幽体離脱したまま眠ってみるか。
いやいや、だめだ。
目が覚めなくて死んでしまってはだめ。
想像ではアルコールを飲めば必ず体に意識が戻るはずだ。
アルコール、アルコール
私ははっと気づいた。
そして実行するかどうかコンマ5秒悩んだ。
しかし、意を決してアルコールの海にダイブした。
たしかにこの液体にはアルコールの気配はある。
しかし、しかし、しかし…
飲み込むには抵抗がある。
しかし、飲み込む。
うすれゆく意識。
ここは
私の胃だ。
奇妙な光景だったが、冷静だ。
私は掛け布団をはね飛ばし、うつ伏せで眠っていた。
昨夜、飲みすぎて終電間近でアパートにたどりついた。
メイクも落とさず着の身着のまま眠っている。
なんてだらしない女だろう。
自分でもそう思う。
実はこの離脱体験は私の得意技だ。
社会人になり、深酒をするようになってからしばしば発生するようになった。
はじめての時はさすがに焦った。
宙に浮かび、自分を見下ろす。
体に戻ろうとして宙を泳いだが、無情にも1mmも前には進まなかった。
焦れば焦るほど自暴自棄になった。
あー酒の飲みてえ~
そう思った瞬間、自分の意識は液体に浮かんでいた。この液体はワインだ。
テーブルに出しっぱなしのワインの瓶の中で浮かんでいた。
これはありがたい。
ワインをがぶ飲みした。
目を開けると、そこは自分のベットの上だった。
それからと言うもの、この状態になった場合は速やかにアルコールの液体にダイブする事になっていた。
しかし、今夜は全部飲んでしまった。
この部屋にはアルコールは無い。
しまった。
こういうところが自分のダメな所だ。
備えをおこたる。
さあ、どうしようか。
このまま幽体離脱したまま眠ってみるか。
いやいや、だめだ。
目が覚めなくて死んでしまってはだめ。
想像ではアルコールを飲めば必ず体に意識が戻るはずだ。
アルコール、アルコール
私ははっと気づいた。
そして実行するかどうかコンマ5秒悩んだ。
しかし、意を決してアルコールの海にダイブした。
たしかにこの液体にはアルコールの気配はある。
しかし、しかし、しかし…
飲み込むには抵抗がある。
しかし、飲み込む。
うすれゆく意識。
ここは
私の胃だ。