反省しながら大学生の英一と健吾は深夜歩いていた。
飲み過ぎ、たばこの吸いすぎで喉はがらがら。
部屋で飲んでいた二人だったが、悪友が一人増え、二人増え、三人増えると酒もつき、買い出しにみんなでコンビニにむかったのがいけなかった。
おのおの好みの酒、つまみを買う。
入り口そばの棚に並ぶ「花火」。
これに目がいったのが運の尽き。
やる?
誰かが言った。
どこで?
公園。
いいね~。
ぜんぜんいいわけは無い。
ぎゃーぎゃー騒いでいると、当然やってきました、ポリスメン。
「君たち学生か?こんなことをやりに大学に行ってるわけじゃあないんだろ。親が悲しむから早く解散しなさい」
「は~い。すんませーん。帰ります」
そんな訳で、飲み会は解散。
二人はトボトボと歩いていた。
「また怒られたな」
英一は言った。
「そうだな。酒を飲むといつも誰かに怒られてるな俺たち。」
「この前も居酒屋で隣の部屋に乱入してすごく怒られたな。」
「カラオケで店内を走り回って、無人の部屋に乱入して、店員さんに怒られたこともあったな」
「ああ、あったあった」
二人はしばし沈黙した。
「ところでゲームはどうなの」
健吾は英一に聞いた。
「お前好きな、ゲームの話聞くの」
「うん、そうなんだ」
「そうだな、最近は初代PSのゲームをやっているんよ。
俺の持っているゲームハードはPS3なんやけど、PS3ってPS2の下位互換、ソフトが走るか走らないか、あやしいんや。
でもPS1のソフトはバッチリ走るって確信してるんよ。
PS1のゲームっていまさら誰もやらないでしょう。
数百円で中古ソフトが手に入るんや。
今やってるのはPS用の「雷電プロジェクト」雷電Ⅰと雷電Ⅱが入っていてすごくお得。
昨日、夢の中で曲が流れたんや。
で、必死で何の曲やったっけ~思い出すっていう夢をみたんやけど。今わかった。あれ、雷電Ⅰのテーマソングやった。
で、お約束のカメラはどうなの」
英一は健吾に聞いた。
「うん、最近ショックなことがあった。
中古カメラ屋には必ずと言っていいほどジャンクカメラコーナーがあるんや。
ワゴンにごちゃーってカメラが並べてあるんや。
俺はああ、宝の山や!て思ってたんや。
そしたらこの前、外国人観光客がいたんや。
「コノ、カメラハ100円デスカ」って店員に聞いたんや。
そしたらまじめな店員さんやってんな~
「ああ、全部壊れてますよ。部品取り用のカメラです」って答えたんや。
なんや壊れてるんかって思ったよ俺。
そういえばジャンクコーナーで買ったカメラで動かないのも多々あるんやけど、まあ、壊れてるっちゅう事なんやって思たんよ。
だからもうジャンクカメラ買うのやめよと思ったんよ」
「まあ、世の中いろいろあるよ」
「そうやね」
飲み過ぎ、たばこの吸いすぎで喉はがらがら。
部屋で飲んでいた二人だったが、悪友が一人増え、二人増え、三人増えると酒もつき、買い出しにみんなでコンビニにむかったのがいけなかった。
おのおの好みの酒、つまみを買う。
入り口そばの棚に並ぶ「花火」。
これに目がいったのが運の尽き。
やる?
誰かが言った。
どこで?
公園。
いいね~。
ぜんぜんいいわけは無い。
ぎゃーぎゃー騒いでいると、当然やってきました、ポリスメン。
「君たち学生か?こんなことをやりに大学に行ってるわけじゃあないんだろ。親が悲しむから早く解散しなさい」
「は~い。すんませーん。帰ります」
そんな訳で、飲み会は解散。
二人はトボトボと歩いていた。
「また怒られたな」
英一は言った。
「そうだな。酒を飲むといつも誰かに怒られてるな俺たち。」
「この前も居酒屋で隣の部屋に乱入してすごく怒られたな。」
「カラオケで店内を走り回って、無人の部屋に乱入して、店員さんに怒られたこともあったな」
「ああ、あったあった」
二人はしばし沈黙した。
「ところでゲームはどうなの」
健吾は英一に聞いた。
「お前好きな、ゲームの話聞くの」
「うん、そうなんだ」
「そうだな、最近は初代PSのゲームをやっているんよ。
俺の持っているゲームハードはPS3なんやけど、PS3ってPS2の下位互換、ソフトが走るか走らないか、あやしいんや。
でもPS1のソフトはバッチリ走るって確信してるんよ。
PS1のゲームっていまさら誰もやらないでしょう。
数百円で中古ソフトが手に入るんや。
今やってるのはPS用の「雷電プロジェクト」雷電Ⅰと雷電Ⅱが入っていてすごくお得。
昨日、夢の中で曲が流れたんや。
で、必死で何の曲やったっけ~思い出すっていう夢をみたんやけど。今わかった。あれ、雷電Ⅰのテーマソングやった。
で、お約束のカメラはどうなの」
英一は健吾に聞いた。
「うん、最近ショックなことがあった。
中古カメラ屋には必ずと言っていいほどジャンクカメラコーナーがあるんや。
ワゴンにごちゃーってカメラが並べてあるんや。
俺はああ、宝の山や!て思ってたんや。
そしたらこの前、外国人観光客がいたんや。
「コノ、カメラハ100円デスカ」って店員に聞いたんや。
そしたらまじめな店員さんやってんな~
「ああ、全部壊れてますよ。部品取り用のカメラです」って答えたんや。
なんや壊れてるんかって思ったよ俺。
そういえばジャンクコーナーで買ったカメラで動かないのも多々あるんやけど、まあ、壊れてるっちゅう事なんやって思たんよ。
だからもうジャンクカメラ買うのやめよと思ったんよ」
「まあ、世の中いろいろあるよ」
「そうやね」
大学生の二人、英一と健吾は中庭のベンチに座っていた。
平日午後2時半。
本日の授業は終わり、帰っても特に予定がない二人は中庭にある灰皿のそばのベンチに座った。
缶コーヒーをパカンと開ける。
英一はキャビンと100円ライター、、健吾はマイルドセブンとジッポーをポケットから取り出す。
くしゃくしゃの箱の中の、少し曲がったタバコに火をつけ、二人は深く吸った。
「なあ、英一、ゲームは最近どう?」
「また聞くのねお前」
「ああ、ゲームには興味無いんだけど、話を聞くのが好きなんだ」
健吾はマイルドセブンの煙を吐き出し、コーヒーをうまそうに飲んだ。
「そうだなあ、ウォーキング・デッドの1作目をやったんだ。ゾンビ物なんだけど、ゾンビのことを歩く人ウォーカーって呼ぶんだぜ。そこだけでもう、断然かっこ良くないか?」
「そ、そうやね」
「でね、ウォーカーももちろん恐ろしいんやけど、結局、人間が恐ろしいって作りになってるんよ。主人公が成り行きでその場に居合わせた人間達とチームを組んでサバイバルするん。
基本、疑心暗鬼。その人々をほめたり、助けたりして過ごすんやけど、まあ、身につまされてしんどい。
そんな状況で、外部の人間が物資の略奪に襲ってくるん。
ほんでどうしょうもなくなったところでバーンってウォーカーに襲われる。
ほんで一人減り、二人減りみたいなゲームなん。
でも今、俺、ウォーキング・デッド シーズン2をやってるんやから、はまってるんやろうな」
「そうか…」
「お約束やから聞くけど、健吾のカメラはどんななの?」
「うん。そやねん。最近ミラクルがあったんや」
「ミラクル?」
「そや、ミラクルや。某有名ネット通販を利用してるんやけど、フィルムカメラなんてニッチ中のニッチの商品は0では無いけど、ほとんど出品されないんや。それがダメもとで入力したんや。「オリンパスミュー」って。そしたら、昨日まで無かったのに、出品されてたんや。もう速攻でポチッとしたよ。手元に送られてきて、ほんまにうれしかったよ。まあ、でも次の獲物をネットでさがしてんねんけどな」
「まあ、お互い病気やね」
「そやね」
二人のタバコはフィルターの根本近くまで灰になっていた。
平日午後2時半。
本日の授業は終わり、帰っても特に予定がない二人は中庭にある灰皿のそばのベンチに座った。
缶コーヒーをパカンと開ける。
英一はキャビンと100円ライター、、健吾はマイルドセブンとジッポーをポケットから取り出す。
くしゃくしゃの箱の中の、少し曲がったタバコに火をつけ、二人は深く吸った。
「なあ、英一、ゲームは最近どう?」
「また聞くのねお前」
「ああ、ゲームには興味無いんだけど、話を聞くのが好きなんだ」
健吾はマイルドセブンの煙を吐き出し、コーヒーをうまそうに飲んだ。
「そうだなあ、ウォーキング・デッドの1作目をやったんだ。ゾンビ物なんだけど、ゾンビのことを歩く人ウォーカーって呼ぶんだぜ。そこだけでもう、断然かっこ良くないか?」
「そ、そうやね」
「でね、ウォーカーももちろん恐ろしいんやけど、結局、人間が恐ろしいって作りになってるんよ。主人公が成り行きでその場に居合わせた人間達とチームを組んでサバイバルするん。
基本、疑心暗鬼。その人々をほめたり、助けたりして過ごすんやけど、まあ、身につまされてしんどい。
そんな状況で、外部の人間が物資の略奪に襲ってくるん。
ほんでどうしょうもなくなったところでバーンってウォーカーに襲われる。
ほんで一人減り、二人減りみたいなゲームなん。
でも今、俺、ウォーキング・デッド シーズン2をやってるんやから、はまってるんやろうな」
「そうか…」
「お約束やから聞くけど、健吾のカメラはどんななの?」
「うん。そやねん。最近ミラクルがあったんや」
「ミラクル?」
「そや、ミラクルや。某有名ネット通販を利用してるんやけど、フィルムカメラなんてニッチ中のニッチの商品は0では無いけど、ほとんど出品されないんや。それがダメもとで入力したんや。「オリンパスミュー」って。そしたら、昨日まで無かったのに、出品されてたんや。もう速攻でポチッとしたよ。手元に送られてきて、ほんまにうれしかったよ。まあ、でも次の獲物をネットでさがしてんねんけどな」
「まあ、お互い病気やね」
「そやね」
二人のタバコはフィルターの根本近くまで灰になっていた。
英一は夕ご飯を作っている。
夕ご飯といってもスパゲッティを茹でているだけだ。
ソースはもう決まっている。
マヨネーズと醤油。
これで2~3人前くらいはペロリといける。
マヨネーズツナもある。
最強の夕食が完成しようとしている。
あと3分でゆであがる。
ピンポーン
来客を示すベルがなった。
まあ、家にやってくる人物はだいたい決まっている。
一度ガスの火を消し、玄関にいくと、ドアの向こうにはやはり健吾が立っていた。
ヘルメットを小脇に抱え、手にはコンビニの袋を下げている。
ビールの缶が4本見えた。
「よう、これからご飯かい?ちょうどいいから飲む?」
「いいね。パスタならあるんだ。マヨ醤油だけどな」
「マヨ醤油か、まあいいや」
勝手しったる我が家のようにヘルメットを靴箱の上に置き、俺を残して健吾はあがっていった。
健吾は冷蔵庫にビールを入れちゃぶ台の前に
どっかりと座った。
ビールを飲みながら健吾は言った。
「で、どうなのゲームは」
鍋のなかでおどるスパゲティをほぐしながら俺は言った。
「ああ、やる?」
「いや、ゲームはしないんだけど、君の話だけ聞きたいんだ。わかってるだろう」
(毎度このやりとりをするなあ。ゲームに興味無いのに、どうしてゲームの話を聞くんだろう。まあ、いいや)
「そうだなあ、DSのキングダムハートをやっているよ。もうね、最近は何をやっても長続きしないんだ。たとえばPS3の「ヤイバ」っていうニンジャガイデンのこれまた外伝をやってみたんだけど、ゾンビ+ニンジャなのね。おもしろそうでしょう。でもね、開始10分で攻撃ヘリにハメられてハメ殺しの刑を受けて、拙者もう断念でござるなのね。ゲームはもっとゆるくて簡単でいいっちゅうの。
このゲームにかかわらずイージーモードで死にまくるのはもう勘弁して欲しいの。なんの為のイージーなのか。自己責任でイージーモードを選んでいるのであくびが出るくらい簡単にして欲しいと言いたい」
「へえ、そしたらキングダムハートは?」
「ああ、そうそう、キングダムハートね。もうね、夢の国の住人の声が気になって気になって。夢の国のネズミさんとアヒルさん。これが好きな人にはたまらんゲームやね」
「なんで始めたん?」
「ん~?長続きしないからとりあえずゲーム収集してるの。もう、ゲームをプレイするかどうかはどうでもよくなってるの。もうゲーム収集家、コレクターやね」
「へえ」
「そっちはどうなの?カメラ」
俺は健吾に聞いた。
「ん。最近のトレンドはニックネームのついてるカメラ。これに焦点があっています。それで買ってしまいました。通称「リトルニコン」かわいいでしょ。本当はニコンEMなんだけど、リトルニコン。この名前だけでご飯3杯は食べれます」
「今日はスパゲティだけどな」
乾杯をしてビールを二人は飲んだ。
夕ご飯といってもスパゲッティを茹でているだけだ。
ソースはもう決まっている。
マヨネーズと醤油。
これで2~3人前くらいはペロリといける。
マヨネーズツナもある。
最強の夕食が完成しようとしている。
あと3分でゆであがる。
ピンポーン
来客を示すベルがなった。
まあ、家にやってくる人物はだいたい決まっている。
一度ガスの火を消し、玄関にいくと、ドアの向こうにはやはり健吾が立っていた。
ヘルメットを小脇に抱え、手にはコンビニの袋を下げている。
ビールの缶が4本見えた。
「よう、これからご飯かい?ちょうどいいから飲む?」
「いいね。パスタならあるんだ。マヨ醤油だけどな」
「マヨ醤油か、まあいいや」
勝手しったる我が家のようにヘルメットを靴箱の上に置き、俺を残して健吾はあがっていった。
健吾は冷蔵庫にビールを入れちゃぶ台の前に
どっかりと座った。
ビールを飲みながら健吾は言った。
「で、どうなのゲームは」
鍋のなかでおどるスパゲティをほぐしながら俺は言った。
「ああ、やる?」
「いや、ゲームはしないんだけど、君の話だけ聞きたいんだ。わかってるだろう」
(毎度このやりとりをするなあ。ゲームに興味無いのに、どうしてゲームの話を聞くんだろう。まあ、いいや)
「そうだなあ、DSのキングダムハートをやっているよ。もうね、最近は何をやっても長続きしないんだ。たとえばPS3の「ヤイバ」っていうニンジャガイデンのこれまた外伝をやってみたんだけど、ゾンビ+ニンジャなのね。おもしろそうでしょう。でもね、開始10分で攻撃ヘリにハメられてハメ殺しの刑を受けて、拙者もう断念でござるなのね。ゲームはもっとゆるくて簡単でいいっちゅうの。
このゲームにかかわらずイージーモードで死にまくるのはもう勘弁して欲しいの。なんの為のイージーなのか。自己責任でイージーモードを選んでいるのであくびが出るくらい簡単にして欲しいと言いたい」
「へえ、そしたらキングダムハートは?」
「ああ、そうそう、キングダムハートね。もうね、夢の国の住人の声が気になって気になって。夢の国のネズミさんとアヒルさん。これが好きな人にはたまらんゲームやね」
「なんで始めたん?」
「ん~?長続きしないからとりあえずゲーム収集してるの。もう、ゲームをプレイするかどうかはどうでもよくなってるの。もうゲーム収集家、コレクターやね」
「へえ」
「そっちはどうなの?カメラ」
俺は健吾に聞いた。
「ん。最近のトレンドはニックネームのついてるカメラ。これに焦点があっています。それで買ってしまいました。通称「リトルニコン」かわいいでしょ。本当はニコンEMなんだけど、リトルニコン。この名前だけでご飯3杯は食べれます」
「今日はスパゲティだけどな」
乾杯をしてビールを二人は飲んだ。
「暇だね」
「そうだね」
平日の昼下がり、大学生の二人は学食のテーブルに座っていた。
本日の授業はもうない。
部屋に帰っても何の予定も無い。
かといってここにいても何が起こるわけでもない。
何となくいつもの流れで学食に流れ着き、いつものテーブルに着席してしまった。
そして何となく帰りそびれてしまった。
「なあ英一、今、何のゲームやってる?」
缶コーヒーを口に運びながら健吾は聞いた。
「今はPS3の「ガトリング・ギア」
2足歩行ロボが主人公の見下ろし型シューティングやね。左スティックで移動。右スティックで弾数無制限のガトリング砲発射やね。同じく右スティックの向きでランチャー砲と、放物線を描くミサイルが撃てますよ。レネゲイドと似てますよ。でも最高におもしろいですよ」
「へえ」
「もう一点言うとすると、敵アーミー達の中で最強は歩兵ということ。もちろん戦車は何種類も出てくるし、中にはバリヤを張るような戦車もいますよ。でも、いうても図体がでかくて狙いやすい。バンバンこちらの弾があたりますよ。
わらわら湧いてくる歩兵は豆粒みたいに小さいんよ。そしてガトリングを浴びせても耐久力があるんやな。そして歩兵の持っている武器がやらしい。追尾式ロケットをバンバン撃ってくるし、火炎放射機で炎をまき散らしながら執拗に追い回される。歩兵が最強」
いきようようと語る英一だったが、健吾にはまったくわからなかった。
興味のない話題を英一に振ったのには訳があった。
「カメラ収集は最近どうなの?」
(これこれ、気をつかってお返しに必ず聞いてくれるんだよな英一って本当にいいやつ)
「ジャンクカメラで日々ギャンブルなんよ。100円とか500円でジャンクカメラを買うんよ。大抵、やっぱり壊れているんよ。負けやね。完全に負け越し、赤字ですわ」
「そうなの」
「うん、そうなの。最近は単焦点のプラカメラを集めてるんやけど、この前なんか、コニカビックミニを500円で買ったんやけど、電池入れたとたんカメラが熱~く発熱しやがって、怖くなって捨てたんよ。これあるあるやね。
ニコンピカイチ3っていうプラカメラも見つけてこうたんや。そしたら1本いれたフィルムの半分くらいでシャッター切れてもフィルム送らへんようになって次のシャッターが切れない症状が出たんよ。
あちゃーって思ったんや。
いつもやったらすぐ諦めるんやけど、すごく外観が綺麗やったから、どうにかならへんやろか思っていろいろ試してみたんや。
フィルム抜いて、電池出し入れしてみたり…。
レンズシャッターをさわってたら、フィルムが送られたんや。
しめた!って思ったね。
もうだから、不具合が出たらレンズシャッターを押して使ってみようかと思って」
「へえ…」
栄一もまたまったくわかっていないようだった。
でも、不思議と二人は気があった。
「そうだね」
平日の昼下がり、大学生の二人は学食のテーブルに座っていた。
本日の授業はもうない。
部屋に帰っても何の予定も無い。
かといってここにいても何が起こるわけでもない。
何となくいつもの流れで学食に流れ着き、いつものテーブルに着席してしまった。
そして何となく帰りそびれてしまった。
「なあ英一、今、何のゲームやってる?」
缶コーヒーを口に運びながら健吾は聞いた。
「今はPS3の「ガトリング・ギア」
2足歩行ロボが主人公の見下ろし型シューティングやね。左スティックで移動。右スティックで弾数無制限のガトリング砲発射やね。同じく右スティックの向きでランチャー砲と、放物線を描くミサイルが撃てますよ。レネゲイドと似てますよ。でも最高におもしろいですよ」
「へえ」
「もう一点言うとすると、敵アーミー達の中で最強は歩兵ということ。もちろん戦車は何種類も出てくるし、中にはバリヤを張るような戦車もいますよ。でも、いうても図体がでかくて狙いやすい。バンバンこちらの弾があたりますよ。
わらわら湧いてくる歩兵は豆粒みたいに小さいんよ。そしてガトリングを浴びせても耐久力があるんやな。そして歩兵の持っている武器がやらしい。追尾式ロケットをバンバン撃ってくるし、火炎放射機で炎をまき散らしながら執拗に追い回される。歩兵が最強」
いきようようと語る英一だったが、健吾にはまったくわからなかった。
興味のない話題を英一に振ったのには訳があった。
「カメラ収集は最近どうなの?」
(これこれ、気をつかってお返しに必ず聞いてくれるんだよな英一って本当にいいやつ)
「ジャンクカメラで日々ギャンブルなんよ。100円とか500円でジャンクカメラを買うんよ。大抵、やっぱり壊れているんよ。負けやね。完全に負け越し、赤字ですわ」
「そうなの」
「うん、そうなの。最近は単焦点のプラカメラを集めてるんやけど、この前なんか、コニカビックミニを500円で買ったんやけど、電池入れたとたんカメラが熱~く発熱しやがって、怖くなって捨てたんよ。これあるあるやね。
ニコンピカイチ3っていうプラカメラも見つけてこうたんや。そしたら1本いれたフィルムの半分くらいでシャッター切れてもフィルム送らへんようになって次のシャッターが切れない症状が出たんよ。
あちゃーって思ったんや。
いつもやったらすぐ諦めるんやけど、すごく外観が綺麗やったから、どうにかならへんやろか思っていろいろ試してみたんや。
フィルム抜いて、電池出し入れしてみたり…。
レンズシャッターをさわってたら、フィルムが送られたんや。
しめた!って思ったね。
もうだから、不具合が出たらレンズシャッターを押して使ってみようかと思って」
「へえ…」
栄一もまたまったくわかっていないようだった。
でも、不思議と二人は気があった。