おせっちゃんの今日2

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大根・・・日本の味

2020-11-13 14:43:53 | 思い出

朝夕冷え込んできました。昨日などは日中も風が冷たく、出会った人とは「寒くなりましたねえ」の声を掛け合う季節です。
昨日は午後はパソコン教室。恒例の来年用のマイカレンダーの制作に取り掛かっています。
帰宅して、お相撲観戦。夕ご飯はおでんをメインにしました。夫と二人きりの食事では、いい出汁が出るほどの材料を炊くと何日も食べなくてはならず、結局捨てたり、食品廃棄の罪を犯すことになります。おさぼり主婦の見本のようで気が引け、後ろめたいのですが、生協で出来合いのものを求めて配達してもらっています。
これがまことに美味しい!!どれほどの物を調理するのかは分かりませんが、まことによく染みた味で、大満足です。中でも厚切りの大根が絶妙な味で、自宅で炊くよりよほどいいと、後ろめたさを消す言い訳にしてしまいます。

子どもの頃、大根の煮たのが嫌いでした。戦後の食糧不足の時代、罰当たりな言い草ですが、畑2・3畝ずらりと大根が植わっているのです。来る日も来る日も大根攻めです。煮付ける、雑炊にして大根で量を増やす・・・正におしんの大根飯です・・・美味しいとは決して思えないものでした。その頃染み付いた大根嫌いが、大人になっても消えないおせっちゃんでした。大根おろしは好きなのですが、煮たものはだめでした。これを食べるより、お腹がすく方を選んだのでした。

勤めに出ました。職場のみんなが雑談をしていて、風呂吹き大根が美味い、という話題になったことがありました。私は口を挟まず、黙って人の輪から外れていました。ところが「おせっちゃん、風呂吹き美味しいよね」と名指しで発言を促されてしまいました。
「私は大根はだめ。膾やおろしなど生のものは食べられるけれど、ほかはだめ」と答えたのです。勤め先の先輩(おせっちゃんの直接の上役で、大好きな人でしたし、私を可愛がってくださった方でした)がにこりともしないでおっしゃったのです。

「ふろふき大根の味の分からない奴は、国文をやる資格はない」

繋いでいた手を邪険に振りほどかれたような悲しい一瞬でした。
おでん大根を美味しいと食べながらK先輩のことを思い出したことでした。