今日の朝日新聞文化文芸面に劇作家の永井愛さんが書いていらっしゃいました。その内容については割愛しますが、びっくりしたこととして、こんなことを書いていらっしゃいました。
「執筆中に読んだ本で、女言葉には命令形がないと知り、驚いた。『出ていけ』が『出てってよ』とお願いになることにそれまで気づいていなかった。日本語の構造が男女の力関係を映していました」と。
私もこう言われて初めて気が付きました。男性が、当然のことのように、「出ていけ」と明らかに命令形の言葉を使うのに、女性はそうは言わず「出てってよ」と頼むのです。
いま、女性も男性に伍して同等の地位や、報酬を得ることが当然のような世の中に近づいては来ていますが、女性は男性には従うもの、という考えが言葉の中に歴然とあるのですね。
「止めろ」と「止めて」でも同じことですね。書きにくいことですが、性暴力犯罪が、男女の力関係で行われ、以前として残る男性優位の考えで、裁かれることなども、私達が考えるより根が深いものかもしれませんね。ごく普通の日常語の中に、こんな区別があるのですね。
とはいうものの、今、女言葉を廃し、女性も「出ていけ」「止めろ」と言っていいとは私は思いませんが。