擦れてしまったブーツのかかとを直しに行く。
駅の中にある靴の修理屋さんは値段が高い。
私はいつも、書道教室の近くのおじいさんがやっているお店まで持っていく。
両足のかかとを直してもらうのは600円。
ソールまで替えても確か1,000円くらいなものである。
ふたりの職人おじいさんがやっている。
いつも私はふたりのおじいさんを見ると、絵本の中に出てくるような「樵」や「刀鍛冶」を思い浮かべる。
腰が曲がったおじいさん2人、エプロンをして眼鏡をかけて、台の上でトンカチやら何やらを使ってもくもくと作業をしているその姿。
「あそこの餃子屋のおばちゃん辞めちゃったって」
時折交わされる会話は、ひどくスローペースで。
ひとりのおじいさんが話しかけた30秒後ほどに、もうひとりのおじいさんが返事をする。
「まあ無理だなあ、ひとりじゃ」
私は最初、会話の返事がないので、発せられた言葉がもうひとりのおじいさんに届いていないものと思っていた。
宙に溶けたその言葉がちょうど霧散して消えた頃、返答は私の意図しないタイミングで少しびっくりした。
その後も、風船でキャッチボールをするように会話は紡がれていった。
擦れたかかとをもぎりとり、新しいかかとを付けて、高さを合わせるために削る。
ついでに色の剥げてしまった部分に黒いニスのようなものまで塗ってくれて、仕上げに全体まで磨いてくれた。
確か4000円ほどの安いブーツだったなと思い、しかしはきやすい大切なものなので嬉しい。
特に必要ではないが、前々から作ろうと思っていた合鍵も一緒にお願いする。
こちらは500円。
これは相場的にどうなのかはよく知らないが、安めであるには違いない。
最近載せている俳句が、ストックがなく、その場しのぎである。
あぁ俳句載せるルールだったと、自分で作ったルールを思い出す。
しかし筋トレとはこういうもので、何か、比較的大きな何か、が上手くなりたいと思ったら日常的に筋トレを強いる必要がある。
全ては私が起こしていることで、全ては私の責任の下で。
言葉の世界は、ふとした楽しさが、やっぱりある。
火恋し震えるポニーテールかな

駅の中にある靴の修理屋さんは値段が高い。
私はいつも、書道教室の近くのおじいさんがやっているお店まで持っていく。
両足のかかとを直してもらうのは600円。
ソールまで替えても確か1,000円くらいなものである。
ふたりの職人おじいさんがやっている。
いつも私はふたりのおじいさんを見ると、絵本の中に出てくるような「樵」や「刀鍛冶」を思い浮かべる。
腰が曲がったおじいさん2人、エプロンをして眼鏡をかけて、台の上でトンカチやら何やらを使ってもくもくと作業をしているその姿。
「あそこの餃子屋のおばちゃん辞めちゃったって」
時折交わされる会話は、ひどくスローペースで。
ひとりのおじいさんが話しかけた30秒後ほどに、もうひとりのおじいさんが返事をする。
「まあ無理だなあ、ひとりじゃ」
私は最初、会話の返事がないので、発せられた言葉がもうひとりのおじいさんに届いていないものと思っていた。
宙に溶けたその言葉がちょうど霧散して消えた頃、返答は私の意図しないタイミングで少しびっくりした。
その後も、風船でキャッチボールをするように会話は紡がれていった。
擦れたかかとをもぎりとり、新しいかかとを付けて、高さを合わせるために削る。
ついでに色の剥げてしまった部分に黒いニスのようなものまで塗ってくれて、仕上げに全体まで磨いてくれた。
確か4000円ほどの安いブーツだったなと思い、しかしはきやすい大切なものなので嬉しい。
特に必要ではないが、前々から作ろうと思っていた合鍵も一緒にお願いする。
こちらは500円。
これは相場的にどうなのかはよく知らないが、安めであるには違いない。
最近載せている俳句が、ストックがなく、その場しのぎである。
あぁ俳句載せるルールだったと、自分で作ったルールを思い出す。
しかし筋トレとはこういうもので、何か、比較的大きな何か、が上手くなりたいと思ったら日常的に筋トレを強いる必要がある。
全ては私が起こしていることで、全ては私の責任の下で。
言葉の世界は、ふとした楽しさが、やっぱりある。
火恋し震えるポニーテールかな

