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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

大阪おかんの会が集めた症例報告を再掲

2014年05月14日 | フクシマ原発震災
  《木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」から》
 ▼ 『美味しんぼ』、ガレキ焼却と鼻血を描いた2コマに、脊髄反射する橋下大阪市長の謎。
   北海道給食折衝報告。


 今回の「美味しんぼ」騒動が更に大きく展開しています。
 これはマンガの内容が優れているというよりも、そのマンガに過剰反応が拡大しているという話です。
 今週号の「美味しんぼ」の中でたった2コマでそのことを取り上げていることに過剰反応しています。
 それは、松井英介医師が次のように発言している内容をそのまま書いているだけです。
 「大阪で、受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています」
 「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあったのです
 この話が何に基づいて、松井医師が発言しているのかは、僕は直接知りません。
 しかし、まず、これを松井医師が発言していること自体が虚偽でない限り、フィクションであり、尚且つマンガというジャンルの作品表現としては、そこで終わる話です。
 この程度のことに過剰反応する感覚そのものを了解することはとても難しいです。

 そこで、思い出したのが、ガレキ焼却前に、住民説明会で橋下市長が発言した内容です。
 復習も兼ねてもう一度確認しておきましょう。

 「鼻血が出ても(がれき焼却との)因果関係は証明できない。」
 「瓦礫が危ないというなら、大阪でレントゲンを禁止しなければいけなくなる。」
 「リコールするなら手続きを踏んでしてみてろ。」

 橋下市長は、こういう発言を繰り返していました。なるほど。因果関係は証明できないから、鼻血が出ても関係ないという立場を当初から明示していたわけです。
 そして、今回は鼻血があるという話に脊髄反射的な対応をしています。

 橋下市長ら大阪維新グループがガレキ焼却関連で「美味しんぼ」に攻撃をしているので、当時、大阪おかんの会が集めた症例報告を再掲載しておきます。
 86例、鼻血も報告はあります。
症例総数1,505/報告人数806名
=1.87(一人あたりの平均発症数)
① 喉の異常・咳・痰…554
② 鼻の異常…鼻水・痛み181+鼻血86=267
③ 眼の痛み・かゆみ…263
 これらの報告はネットを介して寄せられていて、もちろんその報告が全てが全て、ガレキ由来とは僕は思ってはいません。
 しかし、放射性物質を多く含んでいる可能性を否定できないガレキを、世界的に前例のない焼却に踏み切ったのは、日本です。しかも、一日100トンという量を非汚染地で焼却し続けているのは、大阪市がまさに先行しておこなっていることです。
 このような事態がおきていることに、どのように対応するのか。どういう事態が起きるのか、その訴えを聞く手立ては何か必要でした。当時、大阪おかんの会という団体で、メールなどで寄せられたものをまとめています。勿論、限界はありますが、だからといって、住民の健康を本来守るべき地元自体の首長が無視してよい話とはそもそも思えません。
 そうした内容については、すでに会見もしているし、大阪市長本人にも届けていると聞いています。
 しかし、そうしたことを無視し続けて、ガレキを燃やす判断を橋下市長が継続させたのが、この一連の流れと思います。
 ウクライナで、放射線医学研究所の幹部研究者(現地政府寄り)から「放射性物質に汚染されているものを燃やしてはならないのは、常識。ありえない。」という話を聞かされている僕には、こうした判断を橋下大阪市長がし続けた行為は信じがたいものです。
 しかも、こうした反対運動に対しても、警察を使って過剰な逮捕という状況もおきました。
 オウム真理教や、過激派に対しての手口と同じ手法を、ガレキに反対をしていただけの女性などにも用いたことが、大阪でおきた現実と僕は思います。
 そして、今回、そういう状況に基づいて、松井医師が発言した内容について、大阪市や大阪府が、橋下市長が権力を挙げて潰してきている印象です。
 たかが、マンガの中の2コマに対して。
 こんなものになぜむきになるのか、本当に不可解です。橋下市長は、いったい何を怖れているのか
 
 まあ、汚染が殆どないエリアに放射性物質に汚染されているガレキをわざわざ持ってきて、一日100トン燃やす決断した大阪市長である事は間違いないでしょう。
 そして、万が一、健康被害が出た場合には、その時に市長職に留まっていようが留まっていまいが、賠償責任を問われるターゲットになる可能性は想定できると思います。
 政治的に「大阪維新」が極めて厳しい状況にある中で、このガレキ焼却に関しての意識を呼び覚ます可能性があることに、脊髄反射的に過剰反応したのではないかと僕は思います。
 しかし、滑稽にも滑稽です。無視して、ほって置いたら、多くは気がつかない話なのに。
 あせりすぎです。

(以下略)

『木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』(2014-05-13)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/00e6563540b7e18ec692831662c61cba
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