《意見広告》
元都立高校教職員・保護者・卒業生・市民有志(都立高校の自由を取りもどす会)(2)
☆ 東京「君が代」裁判一次訴訟、東京高裁で逆転勝訴!
逆転勝訴に沸く歓声・拍手!
判決は、上記のような判断を示しながらも、10・23通達とそれに基づく職務命令を違憲・違法とせず、控訴人らが上記通達に基づく職務命令に従わずに受けた懲戒処分について、「本件各処分は,社会通念上著しく妥当を欠き,裁量権を逸脱し、又はこれを濫用したものというべきである」とした。その裁量権濫用を認める判断の中で、以下のような判断を示している。
(1)控訴人らの不起立行為等は、自己の個人的利益や快楽の実現を目的としたものでも、職務怠慢や注意義務違反によるものでもなく、破廉恥行為や犯罪行為でもなく、生徒に対し正しい教育を行いたいなどという前記のとおりの内容の歴史観ないし世界観又は信条及びこれに由来する社会生活上の信念等に基づく真摯な動機に基づくものであり、少なくとも控訴人にとっては、やむにやまれぬ行動であったということができる。
(2)歴史的理由から、現在でも「日の丸」及び「君が代」について、控訴人らと同様の歴史観ないし世界観又は信条を有するものは、国民のなかに少なからず存在しているものとみられ、控訴人らの歴史観等が、独善的なものであるとはいえない。また、それらとのかかわりにおいて、国歌斉唱に際して起立する行動に抵抗を覚える者もいると考えられ、控訴人らも、1個人としてならば、起立を義務づけられることはないというべきであるから、控訴人らが起立する義務がないと考えたことも、無理からぬところがある。
(3)控訴人らは、卒業式等を混乱させる意図を有しておらず、結果としても、控訴人らの不起立・伴奏拒否によって卒業式等を混乱したという事実は立証されていない。
上記裁量権濫用の判断のなかで述べられたことは、ピアノ伴奏拒否事件最高裁判決がなければ、「国旗・国歌」の学校現場での強制が違憲と判断される要素を含む判断事項と考えられる。その意味で、今回の高裁判決は、「国旗・国歌」の強制に反対する裁判、運動にとって大きな力となるものであると考える。
なお、東京都および東京都教育委員会は、今回の判決を真摯に受け止め、速やかに国旗に向かって起立し国歌を歌うことの教職員に対する義務づけおよび懲戒処分をいっさい取り止めるべきである。
【現役教職員の声】
○私たちの想い、受け止めてくれた判決
3月10日、「東京『君が代』裁判第一次訴訟」の控訴審で、原告167名の処分を取り消すという判決が出されました。
うれしかったのは、「日の丸・君が代」の歴史を考慮すれば、対象が保護者や来賓ならば起立・斉唱を命じるのは憲法19条に照らして許されないとしたこと。そして、私たちの不起立が個人的利益を目的としたものでも、職務怠慢や破廉恥行為でもなく、教育のための真蟄な動機による、やむにやまれぬ行動だったと認めてくれたことです。
最高裁のピアノ判決をなぞるような判決が続く中、東京高裁(大橋裁判長)は、私たちの想いを受け止め、司法の良心を示してくれました。
都教委が無用な争いをやめ、現場の教職員と手を携えてよりよい教育をめざす立場に立ちかえってくれることを願ってやみません。
○東京高裁・大橋判決の感想
「主文…『処分』欄記載の各懲戒処分をいずれも取り消す」この裁判長の言葉を法廷で耳にした瞬間、表現できない力が一気に身体中にみなぎって来ました。この判決は損害賠償請求部分を「処分取消によって慰謝される」として棄却しているので、私たち原告には「原状回復」をもたらしただけのものでしたが、時計の針を処分された7年前に戻すだけで、この間失われてきた「生きる力」が蘇ってくることは、想像もしていませんでした。
判決が、職務命令で卒業式を実施させようとする「10・23通達」を違憲・違法と認定しなかった点は法理上の判断として不服がありますが、「懲戒処分を背景に『国歌斉唱』を強制する都教委のやり方は違法」と認定したことはこの問題の本質をしっかり捉えています。
都教委は是非ともこの高裁判決を受け容れ、7年間に及ぶ「強制」に終止符を打ってほしいと思います。そうすれば再び都立学校全体に失われてきた活力が戻ってきます!
「天罰発言は取消ではすまない。東京も被災者の本格的受け入れを」
「原子力政策の基本的見直しを」
呼びかけ人代表 坂牛哲郎(元都高教委員長)小嶋昌夫(元都高教副委員長)
世話人 富田浩康(元都高教副委員長)西村昭(元執行委員)安藤哲雄(元支部長)福井祥(元支部長)
連絡先 小嶋昌夫 jimasa@seaple.nejp 西村昭 a.nishi3373@ybb.ne.jp
『都政新報』(2011/4/1)
元都立高校教職員・保護者・卒業生・市民有志(都立高校の自由を取りもどす会)(2)
☆ 東京「君が代」裁判一次訴訟、東京高裁で逆転勝訴!
逆転勝訴に沸く歓声・拍手!
判決は、上記のような判断を示しながらも、10・23通達とそれに基づく職務命令を違憲・違法とせず、控訴人らが上記通達に基づく職務命令に従わずに受けた懲戒処分について、「本件各処分は,社会通念上著しく妥当を欠き,裁量権を逸脱し、又はこれを濫用したものというべきである」とした。その裁量権濫用を認める判断の中で、以下のような判断を示している。
(1)控訴人らの不起立行為等は、自己の個人的利益や快楽の実現を目的としたものでも、職務怠慢や注意義務違反によるものでもなく、破廉恥行為や犯罪行為でもなく、生徒に対し正しい教育を行いたいなどという前記のとおりの内容の歴史観ないし世界観又は信条及びこれに由来する社会生活上の信念等に基づく真摯な動機に基づくものであり、少なくとも控訴人にとっては、やむにやまれぬ行動であったということができる。
(2)歴史的理由から、現在でも「日の丸」及び「君が代」について、控訴人らと同様の歴史観ないし世界観又は信条を有するものは、国民のなかに少なからず存在しているものとみられ、控訴人らの歴史観等が、独善的なものであるとはいえない。また、それらとのかかわりにおいて、国歌斉唱に際して起立する行動に抵抗を覚える者もいると考えられ、控訴人らも、1個人としてならば、起立を義務づけられることはないというべきであるから、控訴人らが起立する義務がないと考えたことも、無理からぬところがある。
(3)控訴人らは、卒業式等を混乱させる意図を有しておらず、結果としても、控訴人らの不起立・伴奏拒否によって卒業式等を混乱したという事実は立証されていない。
上記裁量権濫用の判断のなかで述べられたことは、ピアノ伴奏拒否事件最高裁判決がなければ、「国旗・国歌」の学校現場での強制が違憲と判断される要素を含む判断事項と考えられる。その意味で、今回の高裁判決は、「国旗・国歌」の強制に反対する裁判、運動にとって大きな力となるものであると考える。
なお、東京都および東京都教育委員会は、今回の判決を真摯に受け止め、速やかに国旗に向かって起立し国歌を歌うことの教職員に対する義務づけおよび懲戒処分をいっさい取り止めるべきである。
【現役教職員の声】
○私たちの想い、受け止めてくれた判決
3月10日、「東京『君が代』裁判第一次訴訟」の控訴審で、原告167名の処分を取り消すという判決が出されました。
うれしかったのは、「日の丸・君が代」の歴史を考慮すれば、対象が保護者や来賓ならば起立・斉唱を命じるのは憲法19条に照らして許されないとしたこと。そして、私たちの不起立が個人的利益を目的としたものでも、職務怠慢や破廉恥行為でもなく、教育のための真蟄な動機による、やむにやまれぬ行動だったと認めてくれたことです。
最高裁のピアノ判決をなぞるような判決が続く中、東京高裁(大橋裁判長)は、私たちの想いを受け止め、司法の良心を示してくれました。
都教委が無用な争いをやめ、現場の教職員と手を携えてよりよい教育をめざす立場に立ちかえってくれることを願ってやみません。
○東京高裁・大橋判決の感想
「主文…『処分』欄記載の各懲戒処分をいずれも取り消す」この裁判長の言葉を法廷で耳にした瞬間、表現できない力が一気に身体中にみなぎって来ました。この判決は損害賠償請求部分を「処分取消によって慰謝される」として棄却しているので、私たち原告には「原状回復」をもたらしただけのものでしたが、時計の針を処分された7年前に戻すだけで、この間失われてきた「生きる力」が蘇ってくることは、想像もしていませんでした。
判決が、職務命令で卒業式を実施させようとする「10・23通達」を違憲・違法と認定しなかった点は法理上の判断として不服がありますが、「懲戒処分を背景に『国歌斉唱』を強制する都教委のやり方は違法」と認定したことはこの問題の本質をしっかり捉えています。
都教委は是非ともこの高裁判決を受け容れ、7年間に及ぶ「強制」に終止符を打ってほしいと思います。そうすれば再び都立学校全体に失われてきた活力が戻ってきます!
「天罰発言は取消ではすまない。東京も被災者の本格的受け入れを」
「原子力政策の基本的見直しを」
呼びかけ人代表 坂牛哲郎(元都高教委員長)小嶋昌夫(元都高教副委員長)
世話人 富田浩康(元都高教副委員長)西村昭(元執行委員)安藤哲雄(元支部長)福井祥(元支部長)
連絡先 小嶋昌夫 jimasa@seaple.nejp 西村昭 a.nishi3373@ybb.ne.jp
『都政新報』(2011/4/1)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます