◆ 都教委の教科書選定妨害
通知撤回等求め裁判始まる (週刊新社会)
国旗国歌法を巡り「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版・新課程用日本史教科書の都立高校等での採択を、東京都教育委員会は13年8月の定例会でゼロにさせた。
その元凶の「同社教科書記述は都教委の考え方と異なる。使用は不適切」とする校長ら宛通知(同年6月)は違法だと、現元教職員や保護者ら88人が①通知撤回、②通知を議決した教育委員の月額報酬返還を求めた訴訟の第1回弁論が5月29日、東京地裁(小林宏司裁判長)で開かれた。
原告代表の高嶋伸欣琉球大学名誉教授は高校教諭時、「教育勅語下の思想統制」に関する授業をした際、「軍国主義教育時、人々がマインドコントロールに気付かなくても仕方ない。だが今の社会に責任を持つ大人である先生は、やるべきことをやってますか」と生徒に問われた体験を紹介。「今、都教委の採択妨害を看過したら、私たちは生徒に批判される」と、声を上げるに至った経緯を語った。
また文科省は「権限ある者が職務命令で命ずることを『強制』と表現するのは誤りとはいえない」と、12年3月28日付『産経』で明言。高嶋さんはこれを引き、「文科省は今年1月、政府見解を重点記述させる教科書新検定基準を策定。実教出版の記述は同省(政府)の『強制』の見解に合致し適切」と述べた。
都教委答弁書(5月29日)は、「通知は『実教出版の使用は不適切』との見解を示したもの。『使用してはならない』ではない」と弁明。
呼びかけ人の増田都子・元千代田区立中学校教諭(平和教育実践で都教委から分限免職)はこれに関し、司法記者クラブで「人事権・懲戒権を持つ権力者の『使用不適切』通知イコール『強力な禁止命令』。厚顔無恥の主張だ」と反論した。
第2回弁論は9月9日(火)15時半、419法廷。
5月29日は高嶋さんや小森陽一東大教授らも「特定教科書を排除せず、生徒に最もふさわしい教科書を教員が選べるよう求める請願」を都教委に提出した。
(教育ライター・永野厚男)
『週刊新社会』(2014/6/24)
通知撤回等求め裁判始まる (週刊新社会)
国旗国歌法を巡り「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版・新課程用日本史教科書の都立高校等での採択を、東京都教育委員会は13年8月の定例会でゼロにさせた。
その元凶の「同社教科書記述は都教委の考え方と異なる。使用は不適切」とする校長ら宛通知(同年6月)は違法だと、現元教職員や保護者ら88人が①通知撤回、②通知を議決した教育委員の月額報酬返還を求めた訴訟の第1回弁論が5月29日、東京地裁(小林宏司裁判長)で開かれた。
原告代表の高嶋伸欣琉球大学名誉教授は高校教諭時、「教育勅語下の思想統制」に関する授業をした際、「軍国主義教育時、人々がマインドコントロールに気付かなくても仕方ない。だが今の社会に責任を持つ大人である先生は、やるべきことをやってますか」と生徒に問われた体験を紹介。「今、都教委の採択妨害を看過したら、私たちは生徒に批判される」と、声を上げるに至った経緯を語った。
また文科省は「権限ある者が職務命令で命ずることを『強制』と表現するのは誤りとはいえない」と、12年3月28日付『産経』で明言。高嶋さんはこれを引き、「文科省は今年1月、政府見解を重点記述させる教科書新検定基準を策定。実教出版の記述は同省(政府)の『強制』の見解に合致し適切」と述べた。
都教委答弁書(5月29日)は、「通知は『実教出版の使用は不適切』との見解を示したもの。『使用してはならない』ではない」と弁明。
呼びかけ人の増田都子・元千代田区立中学校教諭(平和教育実践で都教委から分限免職)はこれに関し、司法記者クラブで「人事権・懲戒権を持つ権力者の『使用不適切』通知イコール『強力な禁止命令』。厚顔無恥の主張だ」と反論した。
第2回弁論は9月9日(火)15時半、419法廷。
5月29日は高嶋さんや小森陽一東大教授らも「特定教科書を排除せず、生徒に最もふさわしい教科書を教員が選べるよう求める請願」を都教委に提出した。
(教育ライター・永野厚男)
『週刊新社会』(2014/6/24)
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