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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「正義が勝つ」とは言えない状況が続いていた都立高校で勝訴判決

2014年03月24日 | 暴走する都教委
  =杉浦再任用裁判=
 ☆ 東京地裁で勝訴判決を勝ち取りました。ご支援に感謝します。


 1年8ヵ月の審理を経て、3月6日、「杉浦再任用更新拒否裁判」の判決が出されました。「逸失利益1年分50万」「慰謝料20万」という支払い命令ですが、金額の多寡を超えた内容を持っ判決であり、牛久保弁護士は「120%の勝訴だ」と分析しました。
 都側が合否判定の二本柱とした「面接評定票」「推薦書」の手続き上の瑕疵を指摘するにとどまらず、細川校長がこれらでC評定の根拠とした事実認識、評価の中身まで立ち入り、その評価とこれに基づく再任用不合格を「著しく合理性、社会的相当性を欠く」と断罪しているところにこの判決の最大の意義があります。
 思えば、不合格理由は、①「校務分掌希望調査(人事への介入)」②「海外修学旅行で賛否を含めたアンケートを取ることの提案(校長の決定権限の侵害)」③「企画調整会議で検討した内容への批判(企画調整会議中心の学校運営の否定)」など、いずれも「あり方検」路線(今となっては懐かしい響きですが)でした。
 学校現場を委縮させ、自由闊達な議論と活力を奪ってきた元凶に、司法が一歩踏み込んで、「校長の人事権を制約するものとも、校長の意思決定を拘束するものと認めることはできない」など、都教委の異常を浮かび上がらせたのです。
 判決の意義はこれにとどまりません。従来は「広範な裁量権」の名のもとに難しいとされていた「任用」について事実上「期待権」を認めたこと、「長年築いてきた生徒との信頼関係が突然断ち切られることは、逸失利益の賠償だけでは償えない損害である」として慰謝料を認めたことなどなどです。
 これらは、高齢者の生活と雇用の問題、学校現場での教育活動に正面から光をあてるスタンスを裁判官が取ったからに他なりません。
 「正義は必ず勝つですね。とっても嬉しいです」。陳述書を書いてもらった卒業生からLINEでこんなメッセージが来ました。彼女はきっとストレートな喜びをそのまま送ってくれたのでしょう。しかし、私にとってはズシリと胸に響くメッセージでした。
 なぜなら、都立高校では長らく「正義が勝つ」とは言えない状況が続いているからです。日の丸・君が代強制と処分はその最たるものです。私が起こしたささやかな提訴が、辛うじて若い卒業生に「正義は必ず勝つ」という実感をもたらすことができたとしたら、望外の幸せと言わなければなりません。
 この結果が学校現場を再生させていく第一歩となるよう、皆さんと共に歩みたいと思います。
   杉浦孝雄(前杉並工再任用職員、現井草高校非常勤教員)

『被処分者の会通信 92号』(2014/3/18)

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