東京・教育の自由裁判をすすめる会 国際人権プロジェクトチームが提出した2項目のカウンターレポートが、審査の場で取り上げられました。
◆ スペインのゴメス委員より(Mr. Carlos GOMEZ MARTINEZ)
(イシュー23)
まず、思想・良心・信教および表現の自由を制限する可能性のある「公共の福祉」を取り上げたい。
委員会は締約国の「公共の福祉」の概念が曖昧で無制限であることを懸念しているが、日本政府はLOIのパラ23に対する回答において、2012年にさかのぼって、第6回審査のために提出された報告のパラ5を引用して次のように述べている。
「したがって、「公共の福祉」の概念 5 の下、国家権力により恣意的に人権が制限されることはもちろん、同概念を理由に規約で保障された権利に課されるあらゆる制約が規約で許容される制約を超えることはあり得ない。」
しかし、委員会の関心は近年、特に2012年以降「公共の福祉」の概念がどのように展開したかにある。特に最高裁の判例が2012年以降にあったのかどうかについての情報を頂きたい。
(この時の表情やジェスチャー、2012年という語のくり返しなどから、第6回審査のレポートにただ言及するだけという日本政府の手抜きに対する委員のいら立ちが窺えた)
(24.25は省略)
次にイシュー26に移ります。
これは東京都教育委員会の国歌斉唱に関する規範に対する良心的(命令)拒否の問題だ。
我々が受けた報告によると、2003年以来毎年、東京都教育委員会は東京の都立学校の教員に対して、学校行事において国旗にむかって起立し、国歌斉唱をすることを命令する通達を出し、484名の教員が国歌斉唱の間静かに着席していたことに対して罰せられた。彼らの振る舞いは秩序を乱す違反行為とされ、最高6ヶ月の停職という処分を受けている。締約国はこれが規約18条の思想・良心の自由に基づく良心的《命令》拒否とどのような整合性かあるか説明して頂きたい。
締約国報告のパラ216~219によると、校長が東京都の教員に対して国旗国歌について教えるよう命令した場合、教員は従う義務があるということであるが、教員が教育当局が定めた学習プラン(おそらく学習指導要領のこと)に従うことと、彼らが国旗国歌に敬意を示すべきであるかどうかということに関しては、異なる法的措置があるのではないか。国歌斉唱時に静かに座っているという教員の態度は規約18条1項の思想・良心の自由に基づく良心的命令拒否の適用を受けるのではないか?
(東京・教育の自由裁判をすすめる会 国際人権プロジェクトチーム仮訳)
・・・総括所見の採択は10月28日(金)の予定です。
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