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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

板橋高校藤田裁判第9回公判(12/1)速報その1

2005年12月03日 | 板橋高校卒業式
翌年の板橋高校の卒業式も5分遅れていた!?~板橋高校の先生方が証言台に

 師走に入り、朝の風はめっきり冷たく凍えそうなくらいで、傍聴券を待つ列もいつになく短く感じられたが、開廷の時には8割り方傍聴席は埋まり、「ゼッケン処分」の動向も気にしつつ、今日は丸一日たっぷりと板橋高校関係者の証人尋問に聞き入った。

1,検察側証人(5):N先生(体育、当時3年担任、現在再任用)

(1)検察側主尋問〔阪井博検事〕
 2年前に定年退職後した教師が卒業式に来た例は聞いたことがない。土屋都議と考え方が違うからトラブルを心配した。
 待機中の3年生の各クラスに、「鍵をかける」と連絡に回った時、藤田氏の姿を見た。
 1組の教室に入ったのを1分くらい待ち、声をかけた。「何しに来たんだ」「生活指導をした学年の卒業のお祝いに来た」「まさか邪魔しに来たんじゃないんだろうな」「邪魔はしないよ」のやり取り。担任の2組の男子に「何言ったんだ」と聞くと、「先生は立って歌わなければならない。君たちは罰せられないから抵抗せよ」というようなことを言ったと答えた。
 そこで3組を除く全クラスに、「今何か言われたろうけど、影響されないように。昨日の話通りやるように」と、言って回った。昨日の通りとは、予行で校長が「内心の自由はあるが、立って歌って欲しい」と言ったこと。
 (…結果的には、ほとんどの生徒が座ってしまった。)
 当日の段取りは、TBSのカメラクルーとの接触を避けるため、第一待機場所(生徒会室前)と第二待機場所(格技棟)の二段構えの段取りとした。移動のタイミングは、時間で決めたのではなく、連絡係の合図とした。第二待機場所になかなか連絡が来ないから、連絡係に「まだ?」と聞いて、2度目に直接会場に様子を見に駆けていった。
 会場入り口には、藤田氏・校長・教頭・保護者らしき人がいた。「おい何やってんだ(藤田氏に)、早く始めろほら(校長に)、何騒いでるんだ早く出ろ(藤田氏に)」と一方的にしゃべった。そのままでは終わりそうな雰囲気ではなかったから。Hさんが藤田さんを連れて出ていくのを確認して、生徒の列に戻った。
 連絡係の合図を待たずに生徒を移動させた。予行の時は第一待機場所がなかったので、練習通りというわけにはいかなかった。入場の時1組は、途中で列が途切れていた。時間の遅れは、日頃から時計を持っていないので、分からない。
 式終了後、事情聴取があり、ありのままを話した。翌日学年会で、藤田氏が教室まで来ていたことを他の担任は報告していないことを知り、その時の出席者全員で校長に報告に行った。
 自分の経験した卒業式で、入場が遅れた例は記憶にない。担任団は皆不快な思いをした。

(2)弁護側反対尋問〔大山、小沢、津田、只野、猿田弁護人〕
 従来の待機場所は、第二(格技棟)。第一(生徒会室前)を設けたのは、TBSカメラが入る事態に備えて。前日リハーサルでは、第一から第二への移動は練習していない。
 3/10臨時職員会議では、TBSカメラに生徒を写らせないよう、私も発言した。その後、管理職・教務・担当の話し合いがあったはず。当日朝、校長が「生徒の後ろ姿くらいならいいのではないか」と蒸し返したが、全体が「まずい」という雰囲気で立ち消え。途中退席したので、後のことは知らない。
 当日、格技棟に駆けていった時そこにいたのは、正確には、藤田氏・校長・教頭・H先生・保護者らしき人3人・指導主事2人。藤田氏・H先生と一緒に格技棟を出た。
 式全体への感想は、国家斉唱時の着席以外は近年にない素晴らしい卒業式だったと思う。式が妨害されたという認識はない。卒業生が投書した新聞記事(時間の遅れはなかった、愛国心を強制された)を示され、見た記憶がある、担任したクラスの生徒である。
 開式前待機中の卒業生の教室で、藤田さんが話した内容は、伝聞であり直接聞いたわけではない。教えてくれた生徒の名前は忘れた。供述調書には「女生徒から聞いた」とあるのは、記憶違いで、先ほどの「男子生徒から」という証言が今の記憶で、こちらが正しい。
 「被害届」を出すと校長が報告した職員会議では多数反対意見が出たが、自分は発言していない。消極的に支持したということもない。
 1年前の卒業式では、どれだけの生徒が国家斉唱時に着席していたか、記憶にない。教師は職務命令が出る以前は、みんな着席していた。自分が起立斉唱したかどうかも、式に参加したかどうかも記憶にない。
 退職後、再任用職に就いたのは、自分の希望。採用の仕組みには詳しくない。再雇用との年収の格差(200万円)も詳しくない。板橋では再任用は二人である。
 卒業式では感動して、私も泣いたというのはその通り。

※検察側証人はこれで終わり。この後は、弁護側の証人が続く。

反対尋問の中に出てくる、新聞の投書(『東京新聞』2004.5.1朝刊)は、下記の通り。

生徒の意志で国歌斉唱せず
               専門学校生松井まなみ20(東京都豊島区)
 4月22日付社会面で、東京都立板橋高校の卒業式で「君が代」斉唱に反対し、混乱を招いたとして威力業務妨害の罪に問われた元教諭の初公判があったと知りました。私はその事件当時、国歌斉唱の際に起立しなかった「ならず者の」卒業生です。確かにビラを配っていたことは事実です。母もその紙を持っていました。
 しかし、校長側の主張する、時間が遅れた、混乱を招いた等は決して事実と思っていません。実際には予定より早く終了しましたし、よく報道される成人式のようなことはなく、静かで問題は一切ありませんでした。起立しなかったのは生徒のみの意志です。実際に促したのは、金髪・ピアスの「不良系」の生徒たちで、先生は何も言っていません。その時、来賓の方々からは「国歌斉唱しないなんて、君たちは日本国民であることを誇りに思っていないのか」と言われました。これは十分、今問題の「愛国心の強制」ではないのでしょうか。
 一個人の意見ではありますが、本当のことを証明できるのは生徒、特に卒業生のみだと思います。少しでも本当の様子を知ってもらおうと思い、投書させていただまました。


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