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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 2024年卒学式の状況&3/27卒業式総括集会の様子

2024年04月30日 | 日の丸・君が代関連ニュース

  《被処分者の会通信から》
 ◆ 2024年卒入学式の状況

川村佐和(卒入学式対策本部)

 「10.23通達」が出されてから21回目の卒入学式は、新型コロナ感染症5類移行後初の卒入学式だった。
 2020年度から毎年12月中旬に出されていた「通知」は出されず、コロナ以前の形に戻ったが、以前よりも締め付けが厳しくなっていると感じられる出来事がいくつかあった。
 今後特に注目すべきと思われるのは、卒業式の予行である。
 特別支援学校では以前から予行でも国歌の起立斉唱が行われ、不起立の現認がなされたこともあったが、都立高校では、ほとんどの学校で予行での国歌の起立斉唱は行われていなかった。しかし、今年度は、予行の要項に「君が代」を伴奏する教員名をいれるよう都教委から指導を受けたという事例が都立高校であった
 そもそも卒業式の予行の実施要項は都教委に提出する必要はないのだが、そのことを知らない副校長が予行の実施要項も提出してしまったために、都教委の指導をうけることになったのである。
 教員の抵抗によって予行での国歌の起立斉唱がなくなった学校もあったが、そのまま行われてしまった学校もあった。また、以前から予行で国歌の起立斉唱を行っていた学校があったこともわかった。今後現場の抵抗する力が弱まっていけば、都立高校でも全校で予行での国歌の起立斉唱が行われる可能性がないとはいえない。繰り返し生徒や教員の人権が侵害される事態は回避しなければならない

 特別支援学校で、包括的職務命令発出の際、「強制しないでほしい」と発言した教員を数日後校長室に呼び出し、「今後、ああいう発言は個人的に言ってほしい」と校長が注意したという事例もあった。
 また、2016年度から式の進行表に不起立の生徒への対応を書かなければならなくなっていたが、今年度はさらに「開式の辞」の前に不起立者への対応の文言が入れられるようになったようだ。都教委が、参加者全員の起立の徹底や管理の徹底を図ろうとしているように感じられる。

 3月27日(水)「卒業式総括/再任用打ち切り抗議集会」が行われ、53名もの方が駆けつけてくださった。今年の卒入学式の状況の説明に続いて、大能さんから再任用打ち切り問題についての報告があった。
 大能さんは2017年卒業式の不起立による処分によって、今年の3月31日で再任用の任用を打ち切られた。大能さんの勤務校では8名の教員のうち7名が異動退職、残留するのは今年度異動してきた新採2校目の教員のみという想像を絶する状況で、「都教委は、学校のこと、生徒のこと、教育のことを何も考えていない。この悔しさを私は一生忘れない」と大能さんは語った。
 生徒や残される教員の不安や動揺はいかほどであろうか。大能さんの悔しさが胸に迫ってきた。

 澤藤弁護士からは五次訴訟の状況についての報告があった。

 「五次訴訟の今後の訴訟進行は岡田意見書が示した形で展開していくので、岡田先生の証人尋問は何としても実現させなければならない。
 再処分を決めるに際し、どういう事情を考慮し、どういう事情を考慮しなかったかを問いただすため、職員課長の尋問もぜひとも実現したい。
 原告本人尋問は9名申請したが、できるだけたくさんの原告の尋問をして、裁判所に共感してもらいたい。」

 と澤藤弁護士は説明した。

 五次訴訟原告7名の発言もあった。特に現職の話は非常にリアルだった。職員会議での議論や採決がなくなることが現揚にどれほど深刻な問題を引き起こすのかが伝わってきた。
 質疑応答や会場からの発言も活発で、非常に内容の濃い集会になった。現職の教員からの発言には大いに励まされた。
 「日の丸・君が代強制が戦争への道ということが現実的になってきている今、私たちの闘いはますます重要である」と司会が閉会の挨拶で述べたが、[戦争をする国」にさせないために私たちができることは、なによりも五次訴訟をはじめとした「10・23通達」撤回を目指す取り組みを、これからもあきらめずにやり続けることなのではないだろうか。

『被処分者の会通信』(2024年4月12日)


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